見出し画像

Flower


真っ暗だった。

自分が今、どこに立たされているのかも分からず なぜ生きているのか、自分の存在の意味とは何なのか、毎日自分に問いかけていた。

毎日毎日、同じ日々の繰り返し。

寝てしまったら、また明日がやってくる。

どんなにもがいたって明日がやってきてしまうことが怖くて、

「なにもかもから解放されて、ハイジが住むアルムの山のような 何にも囚われない場所に逃げられたらいいのに。」

そう思っていた。

いつからか 好きだった曲を聴いても、心は踊らなくなって

好きな本を読もうとしても、内容が全く入ってこなくなって 読めなくなってしまった。

真っ暗だった。

明日がやってくる。
それは決して希望では無く、絶望に違いなかった。


あの頃のわたしを苦しめたのは、まさに自分自身だ。


内面も外見もコンプレックスだらけだった自分をどうしても好きになれなかった。
毎日、毎分、毎秒 自分が嫌で、そんなことを考えている自分にも嫌気がさしていた。

自分でさえも好きになれないのに他人を好きになれるわけもなく、ただ孤独だった。


あの頃は、


「好き」という感情を失っていたのだと思う。



出会い

そんなある日。

ベッドで横になりながらぼーっとスマホをみていると、ある動画が流れてきた。



この出会いが、わたしを変えた。


ものすごい衝撃だった。
雷に打たれたような強い衝撃。

名前も知らない、小麦色の肌、黒髪ボブのクールな女性から目が離せなかった。
ああKPOPアイドルにもこういう人がいるんだ
という新しい発見だった。

ずっと「好き」という感情を失っていたわたしが、彼女を見た瞬間に「好きだ」と思った。


今思えば、これが人生初めての一目惚れだった。
そして今のところ、唯一の一目惚れだ。


その後すぐに調べて
彼女達はMAMAMOO(ママム)というグループで、わたしが気になる彼女はファサという名前だと知った。

YouTubeで検索して、Googleで検索して、Twitter(X)で検索した。

調べれば調べるほど、知れば知るほどに彼女を そしてママムを好きになった。



初めてこの動画をみたときは涙が止まらなかった。

ものすごく感動して、家族や友達にたくさんたくさん話した。

彼女は わたしが欲しかった言葉、いや、わたしに必要だった言葉をくれたのだ。


「ある日、オーディションを受けたんですが、そこで先生が私に言いました。

『あなたは個性も強くて歌もすごく上手だけど、太っていて可愛くない。』

この言葉は人生の大きなターニングポイントになりました。



一晩中泣いて、いつの間にか決心していました。
この時代の美の基準に私が当てはまらないのなら
私が違う基準になろう、と。



「そうか、ひとに合わせなくてもいいんだ」

初めてそう思えたし、今までの自分が全て肯定された気がして やっと救われたと感じた。
その時急に心が軽くなったことを覚えている。


わたしがありたい、憧れの姿。
あまりにカッコいい生き様をすごく尊敬した。

「わたしも彼女みたいになりたい」

その想いが日に日に強くなって、それと同時に 段々と自分を好きになれた。

だんだんと、自分を好きになるための努力ができるようになっていった。
少しでも、彼女に近づきたかったから。


強さと弱さ


ステージでキラキラと輝く彼女のそのパワー。
みなぎる自信がこちらにもひしひしと伝わってきて、ぞくぞくする。
とにかく歌がうまくて、ダンスが力強くセクシーで唯一無二で、気づけば虜になっていた。

そんな彼女の代表曲、Mariaをご存知だろうか。

Mariaは、彼女の宗教上の洗礼名だ。

욕을 하도 먹어 체했어 하도
悪口をうけすぎて胃もたれしてしまった

서러워도 어쩌겠어
悲しんだってどうしようもない

I do

모두들 미워하느라 애썼네
みんな憎むことに必死

날 무너뜨리면
私を崩壊させたら

밥이 되나
ご飯にでもなるの?

외로워서 어떡해
寂しくて仕方ない

미움마저 삼켰어
憎しみさえ飲み込んだ

화낼 힘도 없어
怒る気力もないし

여유도 없고
余裕もない

뭐 그리 아니꼬와
なにがそんなに気に障るの

가던 길 그냥 가
進んでた道 そのまま進みなよ

왜들 그래 서럽게
なにをそう恨めしそうにしてるの

마리아 마리아
マリア マリア

널 위한 말이야
あなたのための言葉なの

빛나는 밤이야
輝く夜よ

널 괴롭히지마
あなたを苦しめないで

오 마리아 널 위한 말이야
ああ マリア あなたのための言葉なの

뭐 하러 아등바등해
なぜ躍起になってるの

이미 아름다운데
すでに美しいのに

彼女が魂を込めてつくったというこの曲の歌詞を理解した時 また、大きな衝撃を受けた。

人を寄せ付けない、唯一無二の一番強い人
だと思っていた彼女の弱さを初めて知った。

MariaのMVのワンシーン


幾つもの尖った鉛筆が飛んできて怯えている。
鉛筆は彼女を批判するコメントやアンチを表しているのだろうか。



YouTubeやネット上でよく語られる、身の上話。その強い個性、ルックスで批判されてきた過去。
本当はとても辛かっただろうに、それを勇気と強さに変えてしまうファサ。

それでもやはり私達に見えないところで彼女は苦しみ、もがき続けてきたのだ。
その過去があったからこそ、今の彼女がいる。

いつも強さしか見せない彼女が、彼女のための魂の歌 ”Maria” を作ったという事実に涙した。

彼女は、完全無欠のヒーローなんかじゃなくて 
自分の弱さや足りなさと戦い続けるひとだ。

強くありたい、正しくありたい。

彼女からは、いつもそういう意思を感じられる。

強くあろうとし続ける彼女を心から尊敬している。




そして、わたしが彼女を語る上で外せないのは「愛」だ。

ファン(ファンダム名はムム)に向ける女神のような優しい微笑み。

まさに聖母マリアのような優しい眼差し。

それを見るたびわたしは、

本当に愛の塊のような人だな

と思う。

ステージからは想像もつかない、甘い声と微笑み、そして優しさ。

ファン想いで、心がとてもあたたかい人。

マイペースで、ママムではマンネ(最年少)で 
ちょっといたずらで、とっても可愛い人。

真っ暗な暗闇の中、ただ一筋の光 希望でいてくれた人。

優しく手を差し伸べてくれた人。

生き方を教えてくれた、わたしを変えてくれた わたしの人生を語る上で欠かせない人。

アイドルという概念、美の概念さえも覆してくれた、ただひとりの人。

わたしの永遠の憧れの人。 



いつか

いつかあなたに直接 たくさんの感謝を伝えられますように。

ずっとずっと、好きなことを好きなようにやり続けて欲しいし それをわたしは見ていたい。

大好きなあなたが 愛とあたたかさ、優しさに包まれた人生を送っていけることを願います



사랑해










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?