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フーコックの胡椒

スパイスの王様、胡椒はコショウ : Piper nigrum LINNE ( コショウ科 )の果実を乾燥したものです。
フーコックはコショウの産地であり、2つの農園さんをまわりました。

1つは島の南側、街から近い HUYNH THY農園。
街をぬけると、急に何もない農村部が広がります。


コショウはつる植物で、芯になるついたて棒を立てて栽培し、直射日光を避けるために遮光の網をかぶせてあります。
海側の風を受ける、島の西側に胡椒農園が点在しています。

訪れた9月終わりは、花が終わって、緑色の実が熟するところ。

白い小さな花をつける


花が終わると実になる

緑色の実をかじると、フレッシュな辛味をみずみずしく感じます。
辛みはピリッとするけど、さっと抜けて、後味がさわやかです。
胡椒の良さは、爽やかな香りにあると確信しました。
乾燥した胡椒をすりつぶして塩胡椒にしたものを、マンゴーにつけていただいたのが美味しすぎた。

房状になった実

もう一つ、島の北側にあるPepper farmさんへ
こちらは、街からだいぶ離れた何もないカントリーサイドです。
なんと板橋で数年間住んでいたというホアンくんは日本語を話します。
1件目の農園さんと同様に、つるを登らせるための棒を立てて、コショウの苗を育てます。
遮光網も設置してあります。
コショウは植えてから3~10年くらいが収穫期で、それを越すと房につく実が少なくなります。
そのため、苗を育てて次の世代につなげます。
しかし、今は農家さんが減少しているとのこと。
たしかに、この農園の周りは農地として活用されている気配がありません。

苗から育てる

これはナガコショウの花、一つ一つの白い小さいのが花です。
通常のコショウは房状に垂れ下がっているが、これは上に向かってのびています。

ナガコショウ

9月に花が終わって実がつき始め、12月頃に真っ赤に熟します。
緑色の実を収穫して乾燥しても、赤くなるまで待って乾燥しても、同じく黒い胡椒になります。
ただ赤い実を乾燥した方が黒みが増して味の深みが出るとのこと。
緑色の実は塩漬けにもします。この塩漬けの胡椒が、とてもおいしい。
白胡椒は黒胡椒の皮をむいたもの。味が濃縮して辛味も強いです。

胡椒チャイにしました。
牛乳を投入後にすりつぶした胡椒を少量入れて、さっと沸かしたら火を止めます。
辛味よりは香りを感じるチャイになりました。

2024.10.7




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