ベトナムのプーアル茶 ② 製茶
おじゃましたハザン ( Hagian ) のプーアル茶工場は、近隣の茶葉を購入して製茶する。夕方になると、茶葉を満載したバイクが次々とやってくる。その茶葉を工場で広げて、夜中から殺青が始まる。
殺青 : 熱を通すことで、茶葉の酸化酵素を失活させる工程
Taxua山では平らな釜だったが、Hagiangでは斜めに傾斜した釜で殺青する。斜めにすることで、火から近いところと遠いところができる。熱源は薪を使う。ただここは釜だけむき出しになっていて、コンクリで覆われてないから、もろ人に熱がくる。
プーアル茶は、酸化酵素を殺しきらない事で、後の熟成を期待する。緑茶に比べると殺青温度は低め。殺青が終わった茶葉は工場に放置して、翌朝、揉捻する。この時の茎をみると赤い。日本の煎茶茶師が恐れる殺青不足の「エビ」現象だ。海老のような赤色が語源。
あさイチで揉捻を終わらせて、あとは太陽の下で乾燥する。四国の阿波晩茶は、強い太陽の光の下で乾燥するが、ベトナムの春の日差しはそこまで強くなくても、一日放置することで仕上がる。
Taxua山の記事で書いたが、製茶で最もきつい作業は乾燥だ。少ない資源で、手作業で製茶するにあたり、乾燥を太陽にまかせるのは合理的だ。味に対するこだわりでやっているのではなく、この山で製茶を順応させた結果と理解した。
若い茶師さんは、試行錯誤して製茶している。
この製茶が正解かどうかわからない。2022年時点のお茶は美味しいが、確信を得るために何度も通いたい。
2024.8.3
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