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ベトナムの烏龍茶
ベトナムで作られた烏龍茶は、台湾原産と偽って台湾で売られている。
台湾のオーナーが、台湾のチャノキをベトナムに持ち込んで茶園を作り、若いベトナム人たちが烏龍茶を作って、台湾の土産物屋で売る。
モクチャウには、山ひとつまるまるチャノキに置き換える茶園が点在する。ベトナム人はマジメだから、開拓する時は徹底的にやってしまう。
サパの棚田は、美しい風景として観光資源となっているが、山をまるまる米にしているという意味ではモクチャウの烏龍茶と同じだ。
日本でも、山をスギヤヒノキに置き換える人工林が存在する。山を災害に弱くしているとか、花粉症の原因とか、一つの生物に置き換える危うさは非難の対象となり、まるまる開発するとこはなく、どこか原生林をのこす。
私はどうこういえる立場ではないが、お茶をお金に換える手段に、疑問を投げておく。
茶師はマジメそうなベトナム人1人だ。彼が製茶の工程を作り、管理する。お茶に対する向かい方は信頼できる。
ラベルを偽って出荷していることに、みじんも罪の意識はない。写真を撮っていい?と言うとOK!という。
オーナーが台湾人だから、被害者がいないという認識なのかな。
この烏龍茶の茶園には、ゲストを迎えるためのホテルがあり、金回りの良さを感じる。ハザンのプーアル茶の現場とは違う。
今、ベトナムはバッタもんブランド服が出回っているが、ここのお偉いさんたちはホンモノのハイブランドの服を着ている。
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ハノイの茶商は、初めてのゲストに烏龍茶を出す。先日も、Facebookのお茶グループで、ベトナムからお茶が届いたと、この茶商のお茶を紹介したイギリス人は、烏龍茶と東方美人を紹介した。
挨拶として最初に出すのは勝負茶だ。勝負茶が烏龍茶というのが、どうしても理解できない。
私ならハザンのプーアル茶か、Taxuaの緑茶を出す。
この烏龍茶は、よく出来てる。台湾の土産物屋で並んでいてもベトナム産と気づかないだろう。
しかし、その程度のお茶だ。
台湾には、もっとすばらしいお茶がある。
知り合いが仕入れる台湾茶は、葉底が生き生きときれいだ。
お茶で勝負しろとは言わないが、ベトナムのお茶に誇りを持って欲しい。
私は、まだまだ知識も経験も足りてない。
ベトナムの山のお茶をもっと飲んで、魅力を感じたい。
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2024.8.15