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#やてみた、ありがとう(2086字)
配信を見させていただいた感想を垂れ流します。見たではありません、見させていただいた、です。凄く貴重できれいなものを目の当たりにしたという感覚です。
本当は京都に足を運びたかったのですが、生憎大学が。真面目なので普通に授業に出ました。
実は男ブラの単独を見るのはこれが初めてでした。しっかりハマったときにはもう受験生で、トワイライト水族館や男ブラ大サーカスも泣く泣く諦めた苦い思い出があります。
だから今回、配信と言えど楽しみで仕方ありませんでした。期待値、爆上がり。でもお2人はそれに応えてくれました。
⚠️ここからは内容に触れます。未視聴の方はご注意を。
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どう足掻いても感じてしまう
どう足掻いても感じてしまう、ラーメンズのエッセンス。ずっとお2人とこの作品の中にラーメンズを探してしまいました。野暮かとも思いましたが、避けられない。
音楽家
まず、音楽家のコントで浦井さんがギターを弾くシーン。浦井さんのエアギターにトニーさんの生音が被さる演出も素敵すぎましたが、そのギターをケースから出して構えるマイムがもう。コバケン!!と思ってしまいました。
どんな形の、どんな色のギターなのかはみんなの想像次第で、一人一人違う画をイメージしている。でも、浦井さん演じる音楽家が音楽を"面白い楽しい"ものだと思って愛していることはみんな分かる。
大切な軸を捉えさせながら、ディティールを観客に委ねる。そんな魅せ方が大好きです。
研究者
マイムで言えば、"ちゅうしゅっちゃん"もです。浦井さんの表現力に脱帽。どんな見た目なんだろうと終始想像しながら見ていました。
私の想像するちゅうしゅっちゃんは、ぶっとい注射器みたいな感じで中が見えるスケルトン。大きめのトリガーが付いてる。で、後ろにある抽出装置の本体部みたいなのと太いケーブル的なので繋がれてる。ちっちゃい顔が付いててもいいなぁ。The・mad scientist。むふふ、想像するの楽しい。
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持ち手に「ち」って入ってる。
「ち」のとこに付いてる顔が喋る。
ちなみに平井さんのイメージするちゅうしゅっちゃんはこんな感じ?と公式レポにありました。なるほど…本人のイメージを知るというのも興味深い…。むふふ。
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「絵かき歌」
全体を通して、ラーメンズのネタの中では「絵かき歌」が思い浮かびました。
当然話の内容は全然違う訳ですが、マイムが凄いんです。そして展開の劇的さも凄い。そして何より、優しい。ネタの詳細には触れませんが、優しさと切なさが入り交じった素敵なコントです。
それに通ずるものを、やてみたからも感じたのです。だからなんとも言えないあったかい気持ちになりました。
でもやっぱり、男性ブランコ
でもやっぱり、男性ブランコは男性ブランコとして確立された笑いをもっているということもまた、実感させられました。
個人的にお気に入りのワードが2つあります。
お気に入りワード1つ目
ひとつは、「辞めそう…!!」です。
研究者のコントで出てきた平井さん演じる博士のセリフ。お腹抱えて笑いました。
浦井さんのなんとも言えない"辞めそうな人"顔。平井さんと一緒に私も「辞めそう!!」と言ってしまいそうでした。
フリがしっかりしているからこそ、「辞めそう」の一言だけで大爆笑が起こる。スマートでかっこいい。
それと、そのあとの浦井さんの「あの、」に続けて「その『あの、』は『あの、辞めます』の『あの、』だ!!」と平井さんが言うところも好きです。
これはフリに合わせて爆発する「大きなボケ」のひとつだったのかなと思うのですが、平井さんの書くネタの良さはセンス溢れる「小ボケ」の数々にもあると思っています。
お気に入りワード2つ目
そこで2つ目のお気に入りワードは、「無一の親友」。
おっちゃんのネタの中で、マチコさんにせいちゃんを紹介しようとするシーン。
「無二のやつやねん、無二の。無一の親友。」
「誰もおらんなるぞそれは」
ふふふ。こういう言葉遊び、良い。
さらっと流すボケでしたが私は凄くハマってしまいました。
おやさしい→おやさい→収穫→収穫祭→おやさい収穫フェスティバル→おやフェス→オッフェス→オッフェ→ビュッフェのくだりといい、ゆるくてつい笑ってしまうような言葉遊びは平井さんの得意技だなと思います。
番外編
番外編。おっちゃんのネタで、浦井さんが別れのセリフを言い終えたあとに残す「ほなな」。これも本当に好き。
なんというか、圧倒的"おっちゃん"感。それも"優しいおっちゃん"。演技力ってこういうことか…と思いました。
やってみたいことがあるのだけれど
そろそろ締めます。
やってみたいことがあるのだけれど。
どんな提案が続くのか、見ているこちらをワクワクさせる素敵なセリフだと思いました。
コントという表現を見つめる中で、このセリフをピックアップしたお2人の感性。より一層ハマりました。
観客を"コント"に引き込む最初の一言。
それを鮮やかにストーリーに落とし込めるお2人は、立派な、唯一無一のコント師です。