【日常数学】「急がば回れ」を数学で証明
1.はじめに
「急がば回れ」 早く着こうと思うなら、危険な近道より遠くても安全確実な方法をとったほうが早く目的を達することができるというたとえ。 出典:Goo辞書
車で急いでいて、車線変更しまくり。だけど、結局右車線にずっといたほうが早かった…。急いでミスして仕事やりなおし。はじめからきちんとやっておけばよかった…。なんてことありますよね。今日は、2つの事例を用いて、「急がば回れ」を数学的に検証したいと思います。
2.渋滞を回避するには?
渋滞を回避するには、車間距離を取ればいい、と聞いたことがあります。 しかし、車間距離を取れば、進むスピードが遅くなり、目的地に到着するのが遅れそう、、、 でも、そんなことはないのです!それを数学で証明します。
この「1と0」のルールにしたがって、車間距離を取らない場合と、取る場合で、車の状況がどう変化するのかを見てみましょう。
車間距離を取らない場合は、時間が経つにつれて前の渋滞が後ろへ連鎖しています。一方、車間距離を取る車がいた場合は、渋滞が緩和されています。
よって、車間距離を取るほうが、渋滞が緩和され、早く目的地に到着できます。やはり、急いでいるときこそ、焦らず落ち着いて運転したほうがいいですね。
ちなみに、「0と1」などを用いてルールを設定し、ルールをもとに、枠(セル)を時間的に変化させていく自動機械(オートマトン)をセル・オートマトンといいます。
結晶成長、バクテリアの増殖など様々な自然現象が、これを用いて説明できるようです。ルールさえ上手く設定できれば、世の中のあらゆる現象が説明できるかもしれません。様々な現象を解決してきた、あの微分方程式でも解けない、難しい現象を解決できる日が来る、、、!?数学ってすばらしいですね!
画像引用:phys.chuo-u.ac.jp
3.脱出を早くするには?
みなさん、電車や映画館から早く出ようとしますよね。けれども、前の人との間隔を空けて出たほうが全体的に早く出られるのです。先ほどの渋滞と同じ仕組みですが、次は、直線ではなく平面であるため、セル・オートマトンの2次元バージョンで考えたいと思います。
これを、何もない部屋から脱出する場合と、出口付近に邪魔なポールが立っている部屋から脱出する場合で、どちらの部屋のほうが早く脱出できるかを見てみたいと思います。
まずは、何もない部屋から脱出する場合です。
最後には、1人残ってしまっています。
次に、邪魔なポールがある部屋です。
最後に、全員脱出できましたね。
邪魔なポールがあると、そこに人が集まらないため、結果的に早く脱出できるのです。やはり、急いでいるときこそ、焦らず落ち着いて行動することが大切ですね。
出入口付近にポールが立てられている電車がありますよね。立っている乗客がつかむためのものだと思いますが、そのおかげで出入りをスムーズになっているかもしれませんね!
画像引用:goo blog
4.おわりに
このように、「急がば回れ」は、経験だけでなく、論理的にも正しいと言えるのです。 よし、「急がば回れ」!
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