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J-POPの英語歌詞・字幕を味わう Part3 Foorin(米津玄師)「パプリカ」①


本シリーズの意図

こんにちは、すうじょうです。さて、今回は前回SEKAI NO OWARIの「Dragon Night」の次に、NHK2020応援ソングであるFoorin「パプリカ」の英語版Foorin team E「Paprika」の歌詞を味わっていきたいと思います。毎度の説明ですが、このシリーズでは、Youtubeにアップされている日本のアーティストの音楽動画の歌詞の英語字幕や全編英語の歌の歌詞、英語でセルフカバーしたものなどの英語を味わっていきます。それらは、アーティストが公式に訳したものから、Youtube利用者が訳したものまで様々あります。本記事では、アーティストが訳したと思われる英語歌詞を中心に、文法はあまり気にせずにただ日本語をどのように英語へと変えたのかという部分に注目して、その英語歌詞を感覚的に味わって(訳に対する批判はしません)、同時にそこから英語の表現や単語を学んでいこうとするものです。注意点として、基本的に歌詞全体ではなく、一部のみを取り扱います。また、歌詞への感想は私個人の勝手な解釈で、人によって色々違っていいと思います。ちなみに私は英語はそこそこできる程度なので、分からない単語や表現もあります。そのときは、ネットや辞書で調べて補います。

今までのものもぜひ読んでください

さて、これはPart1, 2の続編企画なので、気になった方はそれぞれの内容についてもぜひ読んでいってください。

今回の楽曲 Foorin team E「Paprika」の紹介

さて、今回はfoorin team Eの「Paprika」ですが、もともとは米津玄師作詞・作曲でfoorinが歌った楽曲です。それを英語にした「paprika」が今回の対象です。以下にも挙げますが、この日本語版は米津玄師さんがセルフカバーしているので、そちらもぜひ聴いてみてください。大人のパプリカという感じでまた素晴らしいです。また、もし、英語版をまだ聴いたことがない人がいればこの機会にぜひ聴いてみてください。

日本語版はYoutube kids対応のため、直接埋め込みで見ることはできませんのでご注意ください。

ちなみに、英語への翻訳はアメリカ人のネルソン・バビンコイさんがしたみたいです。本人がパプリカの翻訳時の苦労を語った記事がネットにあったので、それも載せておきます。

では、初めていきたいと思います。

「Paprika」を味わう

曲がりくねり はしゃいだ道
Twisting and turning, down this road we go

さて、いきなり英語で歌う場合に独特の訳し方が出てきました。つまり、英語でもリズムに合わせて歌えなければいけないので、訳に工夫が必要だということです。今回の場合は、直訳すると歌詞が短くなって不足するので、歌詞の世界観や作詞の米津さんが納得するような訳が必要です。また、日本語の詩的な歌詞を具体的な表現が必要な英語で訳すのも大変だと思います。さて、具体的に見てみると「曲がりくねって、みんなで行くこの道を下りていく」という英語歌詞になっています。はしゃいだというのを英語に直訳すると、その行為自体に焦点が当たりますが、日本語の歌詞はおそらく懐かしいあの道のことを回顧しているように思われるので、それを「road we go」で表したのではないかと思います。

青葉の森で駆け回る 遊びまわり
Running to the forest where we can play all day

ここもまた特徴的ですね。歌詞のフレーズ分で訳せないので、不足分を次のフレーズの歌詞から持ってきています。「遊びまわり」を持ってきているということです。なので、遊びまわった場所が森だと、英語では明言しています。そして、英語では「みんなで一日中遊べる森へと走ろうよ」と上手く表現しているのもいいですね。

夏が来る 影が立つ
And when summer comes, see our shadows grow

日本語独特な影が立つという表現を「私たちの影が伸びるのを見よう」と表現されていますね。

あなたに会いたい
Always know I will miss you so

ここも特徴的で、あなたに会いたいというのを「毎回、寂しくなるのはわかっている」と表現しています。「I miss you」はあなたに会いたいと訳してもいんですが、場面に合わせて意訳してみました。

見つけたのはいちばん星
Come on, look up, find the first star in the sky

ここは、日本語の歌詞に対して、英語では付け足して具体的に「来て、見上げて、いちばん星を探そう」と表現されています。これは、リズムに合わせて歌えるようにするための工夫でもあると思います。

晴れた空に種を蒔こう
Put the seeds into your hands and throw them in the sky

ここも英語では付け加えて、「手の中に種を入れて、空に投げる」と表現されています。

パプリカ 夢を描いたなら
Paprika, we can make our dreams come alive

ここでは、英語と日本語で意味に若干の差が生まれています。英語では、「夢を現実にすることはできる」という表現になり、描くという意味以上のことが表現されているように感じます。

心遊ばせあなたにとどけ
Rain or shine, we’ll find a way to play again another day

さて、これが今回の最後の部分ですが、ここが最も特徴的な歌詞です。日本語と英語でまったく違うことを言っているように思われます。英語では、「雨が降っても晴れたとしても、また別の日に遊ぶ方法を見つけよう」となっています。これは、心遊ばせなどの表現を英語に訳すのが難しいことやリズムとの相性からこうなったのではないかと思われます。こういったことが英語で歌えるようにするときに生じるというのは想定内でしたが、改めて見ると世界観を壊さないように注意しないといけないので大変だと思います。

終わりに

今回は、Foorin Team Eの「Paprika」の一部の歌詞を味わっていきました。最後まで一気に扱うと、長くなるので続きはPart3の②で扱うことにします。ちなみに、全体的に子供でも歌えるようにというコンセプトで作られているので、学びたい単語はありません。今回の英語歌詞を振り返ってみると、Part2の「Dragon Night」と同じように、英語カバー用の歌詞なので、歌いやすいように工夫されているのが実感できました。訳したネルソンさんの苦労が感じられます。次回は続いてどのような表現と出会えるか楽しみです。では。


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