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何が流行るかは分からない AIブームの歴史から思うこと

こんにちは、これが449本目の記事となったすうじょうです。今日は、noteで初めてとなると思いますが、専門のAIについて考えていることを話してみたいと思います。

AIという言葉は、Artificial Intelligenceの略で日本語では人工知能と呼ばれる。たまに、人口知能という誤植を見かけるが、この表記は間違いだ。

この概念はチューリングによって提唱され、ダートマス会議によって名前が付けられました。その後、1960年代の第1次AIブームは、「推論・探索」型AIの全盛期で、チェスなどのゲームAIの研究が進みました。計算資源には、限界があり、全探索は不可能なので、αβ法などの探索手法が考案されました。しかし、このときAIに限界が見えました。現実の複雑な問題を解くことができず、限られた領域でしか威力を発揮しませんでした。そして、AIブームは下火になりました。

一般ではあまり知られていませんが、第1次AIブームのころには、現在のニューラルネットワークのもととなるパーセプトロンが考案されていました。しかし、層が浅かったため、あまり高い精度が出ませんでした。層を深くすることは、当時の計算資源や最適化技法の中では不可能でした。また、第1次AIブーム後には、畳み込みニューラルネットワークの原形となるネオコグニトロンが提唱されています。

次に、1980年代となり第2次AIブームがきました。機械にルールと知識を教えることで、専門家のようにふるまう「エキスパートシステム」が作れるようになりました。これは、いくつかの質問に答えると、診断をしてくれるようなQ&Aシステムを実現してくれます。しかし、これにも問題があります。問題の一つは、専門家の知識を人工知能に扱える知識に変換することが大変でした。これで、二度目のAIブームの下火となりました。

このころには、ニューラルネット(当時の呼称)を研究している人は、時代遅れだと馬鹿にされるような雰囲気があったそうです。

そして、もう二度とAIブームは来ることはないと思われているなか、現在まで続く過去最大のAIブームである第3次AIブームがきました。この要因として、一つには技術進歩により、CPUの性能の向上があります。また、インターネットの普及により、ビッグデータともいわれるような大量のデータを学習に使うことができるようになりました。そして、キーワードは「深層学習(ディープラー二ング)」です。2012年、Googleが発表した「キャットペーパー」は、深層ニューラルネットワークが猫の画像の識別が可能だと示した。また、同年トロント大学の チーム SuperVision がGPUを使用して畳み込みニューラルネットワークAlexNetで、画像認識の精度を競う大会ILSVRCでこれまでの記録を大幅に更新して、優勝した。

これらをきっかけとして、研究者の間にブームを巻き起こし、後に一般にブームを引き起こした。そして、このブームは現在まで続いている。今回のブームでは、AIの可能性が大きく広がった。画像認識、物体認識、機械翻訳など様々なタスクに応用することができるようになった。

そして、つい最近2022年11月OpenAIが発表したChatGPTは研究者や世間に大きなインパクトを与えた。従来のAIシステムよりも、人間らしい対話が可能であった。そして、要約や作文などのタスクを行わせることができる。その数か月後には、GPT-4が発表され、さらに精度が高くなり、より人間らしい対話が可能になった。

また、近年は対話だけでなく、画像生成、音声生成、動画生成などの生成タスクまで行えるようになり、人間の仕事を奪うということが現実的になってきた。

個人的な意見だが、近いうちにある程度のレベルの汎用人工知能(AGI)ができると思っている。そして、このAIブームでは、大きな社会変革が起きていることから、ブームが終わり、冬の時代に入ることはないのではないかと考えている。ただ、ブームが始まって12年くらいしか経っていないので、ブラックボックス問題などが原因で、ブームが終わる可能性もあると思う。だが、社会にAI技術がもっと溶け込むことになるのは間違いないと思います。

そして、もう一つ現在のブームのきっかけであるニューラルネットワークは、一度闇に葬られた手法ですが、多層化などによっていまや流行りのものとなっています。このような事実から、流行というのは読めないので、今は廃れた手法であっても将来どうなるか分かりません。なので、大学などの授業で、昔の手法を学ぶことには意味があります。何事も意欲をもって学んでいると、思わぬ結果につながるかもしれません。

個人的には、エキスパートシステムにはまだまだ可能性があると思っています。論理的な問題については、現段階では深層学習よりもこちらの方が得意だと思っています。

というわけで、何となく最近考えていたことでした。では。

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