性教育で教えたいことは、こういうことだ ~「#17.3 about a sex」第8話を見て~
事の発端
先ほどたまたま、AbemaTV制作ドラマ 「#17.3 about a sex」の第8話を視聴しました。女子高校生が主役で、性の疑問と向き合っていく話のようです。想像を超えて、ちゃんと伝えたいテーマがあると感じたので書いてみます。
僕の見た8話のあらすじ(前半)
同級生の女の子が妊娠していることが発覚し、一人で向き合うのが怖く検査を行ったときにはすでに22週が経過してしまっていた。*1
さらに学校の校則で「妊娠をしたもの、性犯罪を起こしたものは退学」*2というものがあり、退学となりそう。
妊娠した子は、大学進学したのち学校の先生になる夢があった。もうだめかもしれないと、かなり落ち込んでいる。
相手の男子同級生には…ペナルティは無い…らしい。
『ゴムは?』「なかった」
『買いには?』「いったけど制服で売ってもらえなかった」
「あいつも安全日だって言ってた」
*1 人工妊娠中絶手術が受けられるのは妊娠22週未満(21週6日)まで
参考サイト:日本産婦人科学会
*2 校則によっては妊娠すると退学となることがある!?(そこまで想像が及んでいなかった)
安全日って…?→そんなもの無い
1か月のうち出血のある約1週間、前後での体調の変化だけでも思うようにいかない。そんな中、基礎体温などから周期を推測する方法もある。体の理解は深まるかもしれない。
でも周期が毎月きっちり来る保証もなければ、いつも通りなのかだってわからない。結局のところ100%妊娠しない日はない。
僕のみた8話あらすじ(後半)
女友達が、校則への疑問を教頭に伝える。「妊娠をしないと学校をやめないといけないのか」「休学してまたやりなおすことはできないのか」など直訴した。しかしのらりくらり躱される。女性の教師の助け舟で、場が収まっていった。
学生たちは一切の性教育を受けられていない。安全日がないことも、コンドームでどのくらい否妊できるのかも、頼れる大人がいるのかも、知らない。
妊娠した女の子は進学・就職の道をいきなり失い、「人生終わった」とこぼす。そこで助けになりたい友人たちで集まり、様々な制度を調べ始めた。
通信制の高校、託児所のある高校などを利用すれば、高卒認定をとれる。
養育里親制度というものでは、一度里親に育児を託した後、改めて自分のところで迎えることができる制度……など。
EDスタッフロールにて
「国内での人工中絶は1日当たり440件、うち10代は37件」とありました。
全体の1割は未成年による人工中絶ということになります。
ドラマの中では助けてくれる・支えてくれる人がいたけど、現実にはそうじゃない人もきっと少なくない。すこしでも良いほうに向かえるための制度や選択肢があると、運よくこのドラマを見た中高生は知ることができたのだろうなと思い、良い番組やっているじゃん!と思いました。
おまけのあとがき
「選択肢をもたないこと、選択権がないこと」を私は「貧困」と呼んでいます。しかし「教育・教養」がこの「貧困」には効果的です。
ドラマ今週分の大きなテーマでは、
◆もし絶対安全日なんてものが無いと知れば、妊娠のリスクを考えることができる
◆コンドーム(避妊具)の有用性を正しく認識(これは親・地域も含めて)できれば、一人一つカバンに入れておくということも自然にできる。
という感想を持ちました。
思春期の恥じらいじゃ、(無いかもしれないのに持っていくのは期待しているみたいで恥ずかしい)とか(多少の期待はともかく持って行ったことで相手にやる気満々だと思われたら恥ずかしい)とか、ナイーブな気持ちだってあると思う。でも女性は自分のために持っていていいものだし、男性が持っているのは誠意の証という見方もできる。
大前提は「互いの合意」を得られること。お互いの信頼関係を深めた結果としていつか「合意」があると思う。折角良さげなドラマがやっているのだから、今のティーンエイジャーがドラマを見て、話し合うきっかけになって、信頼関係を築けたならとても素晴らしいな、と思いました。
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