配信山でした

お世話になってます

色々あって最近は仕事以外ほぼほぼ家にいるわけなんですが、今週末はフジロックの配信がありましたね。

僕はここ数年フジロックの一部アクトが配信でも視聴可能になったことについて複雑な気持ちがずっとありまして。これまでは有料でwowowに入っている人が1ヶ月後とかにそれぞれ数曲くらいライブを観れるっていう状況だったのが、ライブ丸々無料で観れるっていうのは時代もあってすごい反響ですよね。

せっかくだしと2年前に久しぶりにフジロックへ行ったのですが、1番の目当ての電気グルーヴは逮捕により出演せず。当日は豪雨の中辛い思いしながらも楽しんだCake、American FootballやDeath Cab For Cutie。今でも思い出されます…色んな意味で忘れられません。その10年前に見たポールウェラーとオアシスもこんな豪雨で、橋が決壊してそん時も電気グルーヴのステージが中止になったような…


配信で視聴した皆様が「現地で辛い思いするより、家でみんなで集まって配信観てる方が正解だった」みたいに言われているのを見ると悲しくなったりして…


正直感染症対策云々以前にそんな気持ちもありつつ、今のずっと家にいるか仕事で耳が空いている状態にはやはり配信でフェスが見れる環境っていうものに、今年こそはありがたい気持ちがありました。これはこの時勢でそれぞれがそれぞれの自宅で観ているという状況ともあって、

自分も世の皆さんと同じ環境で楽しんでいるんだな。「友達がいない人」として観なくて済むんだな…と。そんな思いがありつつ視聴しました。


一応今回ちゃんと観たライブが軽く感想書きます

くるり
HOW TO GOが流れたらもう勝ちって思ったら一曲目。そこからは映画主題歌など馴染みの楽曲から新曲まで様々あって、ラストの奇跡で心が洗われて最高でした。くるりは青春。歌の中の内容のように過ごしたくなってしまう魅力があります。

KID FRESINO
今年リリースの新譜がめちゃくちゃ良くてよく聴いてはいたのですが、今回のライブのバンドセットと野外ライブとの相性が抜群でしたね。素晴らしいステージでした。カネコアヤノとの2マンライブ観たい…


SUMMIT
HIPHOPパーティの最高のグルーヴ、バイブスを感じられるステージでした。贅沢。

tricot
つい最近友人の勧めで「今のtricotいいですよ」とのことなのでよく聴いていたのですがとても良くて…ライブも楽しみにしていましたがちょっと声が出てなかった気がしました。けど熱い演奏は見れた。


カネコアヤノ
レイドバックな優しく音がフジロックの空気にぴったりでした。今年リリースの「よすが」でのより泥臭くフォーキーになった歌い方がとても好きだったのですが、まさにそれを体現したようなステージは最高で、オーセンティックな日本のロックを感じすらしました。


AJICO
まさか2021年にAJICOを見ることができるとは…ラジオで初めて聴いて、そこからは伝説のユニットで。今年サブスク解禁からの再結成に歓喜するとともにまた波動や深緑を聴けるなんて感動しかないです。


envy
個人的に僕の中でベストアクト。今この現状1番聴きたい轟音でした。深川さんが復帰して、よりエモーショナルなリフ回しを感じる熱い新作がリリースされて…それから今回のフジロックまで聴きたりしてこなかったけど、このライブを観ながら色んなことを考えて熱くなりました。


ROVO
ROVOこそ観るのは15年ぶりくらい…それまで何度もタイミングを逃して配信でついに観ることができた。宇宙を感じながらSPICAやCISCOなど馴染みの楽曲で踊り明かした1人の部屋。最高でした

THE SPELLBOUND
中野さんが何かプロジェクトのメンバー募っててコバさんがエントリーしたというところまでで情報止まっていたんですが、蓋開けたらすごかった。ツインドラムの躍動感と圧倒的サウンド。視覚的演出も含めて全てがカッコいい。そしてコバさんにたしかに感じる川島さんの影。初見から衝撃のステージでした。

STUTS
STUTSの素人っぽさがキュートに刺さって、聴きたい曲も聴けて素晴らしかったです。KMCやBIM、Daichi Yamamoto、PUNPEEなど客演も素晴らしかったですね

cero
日本人とは思えない海外のR&Bやファンク、南米の空気感を纏った素晴らしいグルーヴでお酒が進む進む…野外で観たい

青葉市子
昨年リリースの「アダンの風」から世界観を作った最高にゆるやかな世界を作っていました。優しく素晴らしい歌声に癒されて…生で観たい。

秦基博
奥さんが秦基博さんの大ファンで一緒にライブにも数回行ったりライブ映像も多々観てきたので楽しみにしていました。なんせ秦基博をフジロックで観れる日が来るなんて…って感じです。声の立ち上がりが結構つらそうでしたが、ラストの弾き語りでの「朝が来る前に」が最高にソウルフルでしたね…また行きます

羊文学
メジャーデビュー少し前から好きで聴いていたのですが3ピースのシューゲイザーポップとしてはかなり理想的だと思います。誰かも言っていたけど「うわー!先やられた」って思うバンドマン多そうっていう。
演奏力は足りないしコーラスもヨレヨレなんですけどボーカルに芯があって楽曲にも軸がしっかりしてるから伝わってくるんですよね。
絶妙なガレージバンド感。それが担保されつつのポップソングだからこそ好きになっちゃうんですよね…今回は塩塚さんの声が出まくっていたので特に最高でした。


THA BLUE HERB
BOSSの言葉になみだが出ました。O.N.Oさんが来れなかったのは残念でしたが、あの頃の本土に中指を立ててきたBOSSが頭を下げて真っ直ぐに話す姿がね…なんていうか素晴らしいライブでした。日本のラッパーで1番好きです。今も。

GEZAN
昨年リリースの「狂(KLUE)」で明らかに突き抜けたGEZAN。僕もそれまではそこまで聴いていなかったのですが今作で完全にやられました。そんなGEZANがまさかこの世界観からいっさい目減りどころか、さらにら突き抜けたステージを作り上げるとは思いもしなかった。フジロックの歴史に残るアクトだと思いました。


FINALBY( )
山塚さんの作る至高のノイズミュージックでしたね…口をあんぐり観ていた時間も含めてジャックされました。あの球体が母、大きいコーンが父、小さいコーン2つが子どもだそうです。

CHAI
純粋にバンド音楽としてのCHAIも素晴らしいのですが、ネオソウルや電子音楽色を濃くしてからもあくまで4人でステージを成立させ続けているのが本当すごいです。明らかにバンド、アイドル?として骨太すぎる。

電気グルーヴ
おかえり瀧。2年前のこと許さないけどめちゃくちゃいいステージだったしギターを取り入れたのがめちゃくちゃ良かったです。いつか声が出せるフロアで踊り明かしたい

砂原良徳
クールで色気のあるテクノが素晴らしかったです。ラストの粋な選曲も素晴らしく、電気然りメタ5への腹に閉まった思いが垣間見えて感動しました。


こんなところでしょうか。

海外勢もいるフジロックだったら観ていなかったかもしれないが、いつか観たいというアーティストがたくさんおり嬉しかったというのもありますが、それを差し引いてもどのライブも無料で観ていることが申し訳ないくらいに素晴らしいアクトでした。
ナンバーガールは先日マツリセッションも配信チケットで見させていただいたので今回はROVOに集中させてもらいました。

総括すると
やっぱ日本にはすごいバンドがたくさんいる

そして
やっぱ現地で観たい

ただ2年前に久しぶりに行って強く感じたんですが、近年のフジロックの来場者マナーって本当悪いです。全てはあのヘリノックスが開発され、フェスとキャンプがファッション化していったことにあると思います。

だから最近のフジロックを知っている人ほど複雑だったとは思いますが…楽しんで観させててもらった側としては正直言えることは無いです。

ただ音楽のパワーで!とか思わないし、スポーツの力を信じて!も別に思わない。原動力や活力は人それぞれあるし、フェス産業がどうなろうと知ったこっちゃないって人も多いだろうし、地方産業への影響と感染との差引や割合なども考えずにただ目の前で配慮の無い(無く見える)集団を見たことと、そいつらを管理できていないイベントへの嫌悪がある人もいるだろうし。音楽もフェスも好きだからこそ思うことある人もいると思います。
興味がそこまでないジャンルで同じことがあったら嫌悪感を強めていたかもしれないのでとてもわかる。

僕は音楽好きで、YouTubeで観られるので観ました。矢面に立ちながらもライブをしてくれて嬉しいのは確か。ただこれが美談にならないといいな。
って思います。

BOSSの言うとおり、民間が無理を通して風穴を開けようとすることの「終わり」になったらいいなと思います。

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