春闘5.28%賃上げから考えるインフレ時代の備え
著者的ポイント
今後の日本の労働人口と金融資産の状況
今後日本は労働人口が減っていく
日本の個人金融資産の大半は高齢者が持っている
お金はあるが労働者が減るということは、お金の価値は下がり労働者の価値が上がるということ。
そう考えると、今後長期的に賃上げは継続される可能性が高い。
将来の備えと対策
以下ような対策が必要
若い人はより労働者としてのより価値を上げるように努める
現金及び預金の価値は下がっていくためインフレ資産(株式、金、不動産など)の割合を増やしていく
①労働者人口の減少
生産年齢人口(ピンクの棒線)は今後大きく減っていき、高齢者の割合(ピンクの点)が今後さらに大きく上がっていきます。
女性の労働参加や高齢者の労働参加で労働者を確保してきていましたが、女性はすでに他国と比べて大きく差がないほど労働参加しており、今後大きな労働力増加は見込めません。
また、高齢者はボリュームゾーンである団塊世代が後期高齢者に入ってきており、同じく大きな労働力増加は見込めません。
②金融資産の状況
一方で、2014年時点での日本の個人金融資産は1700兆円もあります。
そのうち1000兆円は60歳代以上が保有しています。
③未来はどうなるのか?
お金を持っているのは高齢者だが、働く人が減っていく。
この未来はどうなるのか?
日本におけるお金(円)の価値は減っていく
お金を持っていても働いてくれる人がいなければお金は価値を持ちません。
どういうことか?
例えば、
人口は変わらないのにパンを作れるパン職人が5人いた時と比べてパン職人が1人しかいなくなった未来を考えてみましょう。
この場合、パンの数が少ないため、パンが貴重品になり価格が上がりますのでパン職人の売上が上がることが想像できると思います。
もちろんパンに代替されるお米やパスタなどが余っていればパンの価値は必ずしも上がりませんし、一人のパン職人が作れるパンの数が増えればパンの希少性は上がりませんが、食料全体で考えれば必要な人はいるのに量が減れば価値は上がります。
こう考えると、当たり前ではありますがお金は余っているけど働く人がいないということは働く人の価値が上がることにつながり、インフレとともに給与アップにつながっていくと考えられます。
また、日本全体でみると労働者の生産性を上げていかなければならない(パン職人の例でいえば、1人でたくさんのパンを作れるようにする)ということが大事であることがわかると思います。企業としてもですが、労働者個人としても付加価値の高い労働者になっていくことが大切です。
一方で、お金(円)の価値は下がっていくことになりますので、現金預金のままではまずく、インフレに強い資産の割合を増やしていく必要があります。
インフレに備えて新NISAを活用する
ではインフレに強い資産とは?
主に以下のようなものと言われています。
・株、投資信託
・不動産
・コモディティ(金など)
インフレに備えてインフレに弱い資産であるお金(円)は上記にような資産に移していく必要があります。新NISAはその強い味方だと思います。