新NISAはインフレ対策の令和版定期預金と考える
著者的ポイント
①インフレ対策として新NISAの積立を活用する
・短期売買の「投機」ではインフレ対策にならない
・インフレ対策としてインデックス積立投資を続けることが大切
②価値の下がる”現金”ではなく価値向上が望める”働く資産”を増やす
・投資とは、”現金”ではなくトータルの”資産”を増やすこと。
・価値の下がる現金を増やそうとするのではなく、むしろ働かない現金を減らして価値向上が望める”働く資産”の割合を増やすことが大切。
・”働く資産”とは株式などだけではなく、働いて稼ぐ”自分自身も投資対象の資産”。
インフレ対策としての新NISAの活用
老後に備えるのであれば確定拠出型年金(DC)やiDeCoが優先
老後のお金が心配という理由で新NISAを始める方が多いと思います。間違ってはいませんが、老後に備えるのであれば、まず優先すべきは給料の税制面でも有利になる確定拠出型年金(DC)やiDeCoをまず活用するのが本来の目的に沿います。
確定拠出年金(DC)やiDeCoの詳細説明は他に譲りますが、ポイントは以下
・掛け金が所得から控除されるので給与から引かれる税金自体が減る
・受け取り時に退職控除で税金が優遇される
・受け取れるのは60歳以降。
インフレに備えて新NISAを活用する
デフレの時代からインフレが当たり前になる時代に突入しました。少子高齢化によりインフレが加速していくことも想定しておく必要があります。
なぜインフレが進むと考えるかについては以下の記事を参照。
インフレに備えて新NISAをうまく活用しましょう。(新NISAの詳しい仕組みについては他に譲ります。)
インフレ対策は「投機」ではなくインフレ防衛資産への「投資」
投資というと上がった下がった、儲かった損したというイメージが先行しますが、それは「投資」ではなく「投機」です。
「投機」を行うことを否定はしませんが、インフレはいわゆる複利で進むものです。インフレ対策としては複利で運用できるインフレ防衛資産に資産配分を変えていきましょう。
働かない現金ではなく働く資産を増やす
そもそも投資とは現金を増やすことではなく資産を増やすこと
ついつい円換算で今いくらあるのか?という視点にとらわれてしまいますが、そもそも投資とは現金を増やすことではなく、資産を増やすことです。
目先の円換算の現金金額に目を奪われてはいけません。
現金を減らしてインフレ防衛資産を増やす
現金は働いてくれません(預金金利は雀の涙)。インフレ資産とはインフレに負けずに働いてくれる資産である必要があります。
自身が持つ金融資産のうち、最低でも100-年齢のパーセンテージ(例えば40歳であれば100-40=60%)を目途にして広く分散されたインデックス指数連動の投資信託(いわゆるオルカンやS&P500、TOPIX等)などに資産を移しましょう。
その気になればすぐに現金に換金することも可能なので、令和版定期預金ぐらいのつもりで考えると良いと思います。
株価の短期の上げ下げは誰にも読めない
投資の名著「敗者のゲーム」や「ウォール街のランダム・ウォーカー」によると、
・「現代における最強の投資法は、インデックス投資である」
・どんなに優れた投資家でも、市場への分散投資(=インデックス投資)に勝つことは難しい
と言われています。
未来はわからないものの、少なくとも長期目線では株価が上がることは過去から示されています。長期目線で株価が上がることにベットして行うのならば定期積立で放置。
退屈である投資法ですが、本質を理解すればインフレ対策としては日々の時間も奪われずに行える最強の投資法です。辞めずに続けることができれば最強のインフレ対策になります。
インフレ防衛資産は株式だけでなく自分自身も投資対象
一方で忘れてならないのは働き手である自分自身も立派なインフレ防衛資産です。インフレに伴い賃金も上がっていきます。自己投資を行い稼ぐ能力を維持向上することが大切です。いつまでも稼ぐことができる健康への投資も忘れずに。
価値の下がる「お金」を増やすのではなく価値向上が望める「資産」を増やす
お金の”価値”は変わります。数字上は同じでもインフレするということは価値が下がるということです。
インフレ防衛となる”資産”を増やすことで中長期には価値を保つことができます。
自分自身も立派な資産。歳を取って自身の資産価値が下がらないようにしっかりと投資をすることが大切です。