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女子プロレス観戦記 #09 on 2023.12.08

Ⅰ:じゃじゃ馬トーナメント

じゃじゃ馬トーナメント。センダイガールズプロレスリングが数年に1回ぐらいの間隔で開催するデビュー3年未満の選手によるシングルトーナメント。僕が初めてその存在を知って観戦しに行ったのは2021年開催(決勝は22年1月)の第4回大会からだった。

第4回大会で優勝を予想していた大空ちえ選手(JWP)

あれから2年近く経って第4回大会を振り返るととんでもない大会だったなあと思う。僕が観戦したのは2021年11月23日の1回戦(後楽園大会)、そして2022年1月9日の決勝戦(新宿FACE)。まず、11/23は全参加選手(8名)が集まっての1回戦が4回。全てが白熱の真剣勝負。参加選手の顔ぶれがとにかくすごい。とにかく日本の女子プロレスの若手世代を代表する参加者たちで、仙女以外の選手は全て初見だったような気がする。この時にファンになった大空ちえ選手(JWP)海樹リコ選手(SEAdLINNNG)はその後も所属団体の試合に観戦しに行くようになったし、スターダムが全てではないけれども、その後、宝山愛選手(marvelous)梅咲遙選手(ディアナ)三浦亜美選手(アクトレス・ガールズ)はスターダムのリングに上がっているし、特に三浦亜美選手は「スターダムで映えそうな選手だな!」という予想が大当たりし、今や壮麗亜美選手としてスターダム所属となっている。
つまり何が言いたいかというと、このトーナメントに参加した選手はその後に大成するジンクスがあるということ。仙女さんの審美眼がすごいのはもちろんだけれども。

Ⅱ:優勝予想は「ゆづき」選手だ!

今年のじゃじゃ馬トーナメントの出場選手は以下の通り。
◾️センダイガールズプロレスリング◾️
丸森レア選手
YUNA選手
◾️プレスリングWAVE◾️
田中きずな選手
炎華選手
◾️エボリューション◾️
Chi Chi選手
ZONES選手
◾️Hotシュシュ◾️
ゆづき選手
◾️Alma Libre◾️
鈴木ユラ選手
総勢8名で同世代トップを狙う。今回の参加者で初めて試合を観る選手は、田中きずな選手炎華選手鈴木ユラ選手。今回の中から誰が群雄割拠の同世代から抜きん出るのか?非常に楽しみなのである。
ちなみに僕の優勝予想はHotシュシュゆづき選手。これはもう完全に贔屓なのです。なぜ贔屓するのかというと「デビュー戦」を観ているから!ゆづき選手が観たくてHotシュシュ旗揚げ戦を最前で観たので、この世代での最推しなのです。

デビュー戦のゆづき選手。しかも相手は永遠の初恋の人こと宮崎有妃選手!

ということで、今回はじゃじゃ馬トーナメントにフォーカスして感想戦を繰り広げたいと思います!

Ⅲ:トーナメント1回戦 YUNA vs. 鈴木ユラ

右からYUNA選手、鈴木ユラ選手、パンチ田原レフェリー

今回の参加者の中で一番キャリアが長いのが鈴木ユラ選手。なんと現在、17歳!しかも男女ミックス団体で育った上にブラジリアン柔術、キックボクシングなども経験している実力者!
そして仙女の生え抜きYUNA選手。YUNA選手を観ると仙女の凄みを感じるんですよねー。リング上での姿がとても里村明衣子選手的というか、この選手が仙女を背負うんだろうなあ感がすごい。
今回は鈴木ユラ選手に軍杯が上がるのですが、鈴木選手の「未知数」っぷりが半端なかったです。この中で一番強いのですが一番「幼い」感じが何か得体の知れない凄みを感じるのです。wikiで調べてみても女子プロヲタ的には意外とノーマークな選手なので、この選手、もっと伸びるよなあーと。いっそ、女子プロ団体に移籍してもっと極めてみたらどやろ?

Ⅳ:トーナメント1回戦 ゆづきvs.炎華

今大会・最長身長のゆづき選手と唯一のマスクウーマン炎華選手!

まず最初にゆづき選手の完敗を告げます。あれだけ攻撃を受けて、あれだけの大技を仕掛けて、3カウントとれなかったのは完敗だと思う。WAVEhotシュシュ何が違うんだろう?と考えさせられる試合だった。片や道場を持つ団体と持たない団体。何が違うんだろう。二人とも同じ団体に同期もいる。何が違うんだろう。
炎華選手の圧勝とは言わないけれども粘り勝ちの姿勢は、彼女自身の持っている身体能力や才能を持ってしても叶わない相手に対して、最後のファイトティング・スピリットで差をつける強みなんだと思う。炎華選手、すごい選手だ。炎華選手だけでもお金が取れる、そんな試合だった。
ゆづき選手。決めきれない。とても歯がゆい。今回の大会で一番団体の看板を背負っていたと思う。団体総出での応援とか、他の団体にはなかったし、それだけ団体を代表して挑んでいたのだと思う。
仙女、前回の後楽園大会で「じゃじゃ馬トーナメント」の開催をアナウンスされ、しかもゆづき選手の参戦が発表された時の僕の喜びを持って、僕はゆづき選手にチケット予約をお願いした。今回のメインはゆづき選手だったのだ。僕の観たかったHotシュシュのゆづき選手の試合を観ることができた。それは千春代表やスーパーバイザーの田村様タニーさん団体所属の選手たちのセコンドも込みで、Hotシュシュの物語、つまりゆづき愛を観ることができたいうこと。
だからこそ僕は言いたいのです。ここからだここからがスタートだと。女子プロレスにその名を刻むためにやるべきことが見えてきたのではないか?と。ゆづき選手が日本女子プロレス史に名を刻むためには「絶対的な強さ」が必要だと思う。ああ、今日はゆづき選手か、当たりたくないなあと思わせる凄みが必要だと。
3カウントを取られて起き上がる瞬間、俯いて髪で隠れた瞳から大粒の涙ボロっボロっと流れたのを僕は見逃しはしなかった。だって、最前で目の前だから!もう、こんな涙は見たくないよお!という気持ちになったのでした。良い戦いでした。出し切ったと思う。出し切っても勝てなかったのだから、あとはもっと練習してもっと強くなるだけだ。ゆづき選手の物語、日本を代表する女子プロレスラーになるスタート。この場に立ち会えて女子プロ者として幸せでした。今後も応援します!

ゆづき選手が最初に目をやったのはセコンドの仲間たちと千春代表たちだった。

Ⅴ:トーナメント1回戦 Chi Chi vs. 田中きずな

女子プロカウンターカルチャーと正統を引き継ぐカウンターカルチャーとの戦い!

とにかく、田中きずな選手が素晴らしかった。こんなにもすごい選手なのかと初めて生で観戦して感動しました。天性なんだと思う。もう、試合中、ずうっと田中きずな選手の表情を追ってしまう。今回のトーナメントでビジュアル対決的な意味合いもあるだろうなあという組み合わせなんだけれども、Chi Chi 選手から痛い技を喰った後にニヤリとする感じとか、全部、最高なんですよ!同期対決という特別な状況なので、本来のWAVEのリングでどんな試合をしているのか不明だけれども、これはWAVEに行かなくちゃダメだな!となる試合でした。試合はChi Chi選手が勝利。

Ⅵ:トーナメント1回戦 ZONES vs.丸森レイナ

仙女スパルタカスからの生存者!

今大会の目玉カード。ZONES 選手丸森レイナ選手の一戦。とても新人選手らしい爽やかな一戦となりました。とにかくZONES選手が強いのはよくわかったけれども、丸森選手の方がプロテスト合格からデビューまでの期間が長いのでキャリア的に上。とにかく多彩な選手だなあという印象に。

生肉を食う感じの強さ!ある!ZONES選手!

試合はZONES選手の勝利となったかけれども、将来、この二人が仙女のベルトをかけてメインでやる予感しかない。この二人のタッグとChi Chi 選手RENA選手のタッグ戦が観たいよ、仙女さん!

これぞ女子プロレスな試合でした!ベストバウト!

Ⅶ:トーナメント準決勝 鈴木ユナ vs. 炎華

果敢に攻めるものの…

第一回戦で突如としてファンになった炎華選手。対するは鈴木ユラ選手の準決勝戦。もう鈴木ユラ選手格闘技者としての実力がすごい。意外と異種格闘技戦的な雰囲気があって好試合だと思う。完成されていない才能同士の対決鈴木選手のアンクルホールド炎華選手の踵を粉砕!久しぶりにリング上からマジの「痛い!痛い!」を聞きました!恐るべし17歳!

Ⅷ:トーナメント準決勝 Chi Chi vs. ZONES

レボ女、同門対決!

デビュー1年未満の二人が仙女のメインを飾る。しかも他団体の二人が!これってすごいことだなあと思っての観戦。トーナメント戦とはいえ、メインを飾る意味をよく分かっている二人だなあという試合。まさか、目の前で場外床マット剥がしのDDTをするとはなあ!という。

ついにレスが来たー!ガ━━(゚д゚;)━━ン!!

仙女のメインに相応しい素晴らしい戦いでした。Chi Chi 選手のキレ具合といい、ZONES選手のパワーといい、これがEVO女か!という説得力のある試合。これはファンになるわ。
この前日、群馬にも来ていたみたいで、とにかくフットワークの軽い団体という印象。まだまだいろんな会場で観戦することができそう!里村さんなんか、ZONESをレギュラー参戦させたいだろうなあ。
決勝は鈴木ユラ選手 vs. ZONES選手に決定!

Ⅸ:じゃじゃ馬トーナメントを観る意義

ZONES選手戦での丸森レナ選手

じゃじゃ馬トーナメントを観る意義。それはとてもシンプルなことで参加選手全員を青田刈り的に好きになる絶好のチャンスということ。こんなにもデビュー1年未満の選手が集まる大会って他にないんじゃないだろうか?
僕の年齢もあるとは思うけれども、みんな、自分の子どものような年齢で、彼女たちの年頃には夢を追いかけていた日々とか、努力していた日々とかが、ふわっと甦り、みんな、がんばれー!という気持ちになる。絶対に好きな選手が現れる。2年前のじゃじゃ馬に出場した選手、今、観ると、みんな、強くなって成長していて「あの頃を知る」という感覚がなかなか香ばしいものです。
それとこの大会を開催するという仙女さんのメッセージが女子プロレス界になくてはならないものだと思う。興行的にも成功するフォーマットではあるけれども、次世代のスターをきちんと仙女ファンに紹介するという心意気を強く感じる。僕のようにじゃじゃ馬トーナメントをきっかけにして、他団体の会場に足を運ぶ人も現れるだろうし、業界の活性化に貢献していると思う。
決勝戦は2024年の1月7日。多分、この日には他のじゃじゃ馬戦士の参戦もあると思うので、追加カードを楽しみにしていたいと思う。

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