見出し画像

痛みを分解した

こんにちは。フーテンの鍼灸師すーです。

今日は痛みについて書いていきます。

痛みとはなんぞや?ということで、鍼灸師の視点で考えてみました。


【痛みを表す表現】
ずきずき、びりびり、きりきり、じわじわ、じーん、ずーん、どーん、ちくちく、つーん、ずっきーん、ぴき、どくどく、押しつぶされるような、ひっばられるような、ひっかかれているような、切られているような、締め付けられているような…

痛み、と一言で片づけられないほど多種多様な感覚がありますよね。

また、痛みは「感覚」とともに「感情」が伴うとされています。

「実際に何らかの組織損傷が起こった時、あるいは組織損傷が起こりそうな時、あるいはそのような損傷の際に表現されるような、不快な感覚体験および情動体験」          痛みの定義 国際疼痛学会      


確かに、タンスの角に小指をぶつけて、強烈な痛みとともにタンスに向かって強い怒りが生まれました。怒りという情動体験です。

痛みを感じている時はいつもより感情の幅がぶれやすくなる、そんな側面もあるようです。「もー!歯が痛くてアンタの愚痴なんて聞いてなれないわよ!プンプン!」という感じ、ありますよね。

痛みと感情の流れをあえて書いてみると、

【痛みと感情】
ずきずき痛くて…泣きたくなる
ずーんと痛くて…落ち込む
ちくちく痛くて…イライラする

こんな感じ。うんうん。

感覚 × 感情 = 痛み 

ちょっと無理やりですが、こんな形にまとめられそうです。


次は、痛みについて体の視点からざっくりと書いてみますね。

ご存知の方も多いとは思いますが、痛みは脳で感じてます。

手を怪我して場合、そのダメージは電気信号に変換され、神経→脊髄→脳へと届きます。(すごい仕組みですよね)

画像1

脳は場所によって役割が決まっています。

脳の表層にある「体性感覚野」というところへたどり着くと「手が痛い!」と位置とともに痛みを感じます。そして、脳の真ん中くらいに位置する「大脳辺縁系」にも情報は届き、「嫌だわ…」という感情が呼び起こされます。

こんな感じで、脳に「感覚」と「感情」として認識する仕組みがあるのです。


で、なんでこんなヤヤコシイ話をしているかというと、自分の痛みを表現できることは痛みを治すためにとても重要なのです。

いつからなのか、どんな辛さをかんじているのか、どんな気分なのか、日常のどんな時に辛いのか、嫌なのか、その辛さがあることで出来ないことは何なのか…

治療者は、患者さんのことばから、体の状態を見極めて治療につなげていきます。とくに問題の場所や状態は、痛みの感覚情報からある程度絞っていくことが出来ます。

腕がぴりぴりする→→→皮膚、神経の問題かな?            立ち上がる時、お尻あたりがずーんと痛む→→→筋肉、靭帯の問題かな?

こんな感じです。話だけで分かることも結構あるんです。


こうなると、「感情って治療と関係ないんじゃない?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。実は感情は自律神経の働きに関わっているため「治りやすさ」に大きく関係しています。


そもそも私が行っている鍼灸やマッサージは、体の治す力を高める役割ですので「治りやすさがどの程度なのか」を把握するのが、治療の肝でもあるのです。

ということですので、
「痛くて泣きたいっす。」
「痛いからいつもイライラしちゃってそれがまた、嫌!」
「いつまでも長引くから不安になってきた」
「休みの日に痛み出して、せっかくの休日が…うんざりですわ」

痛みを丸ごと吐き出すことが、より良い治療をするために必要なのです。
言いたいときはジャンジャン言いましょう!

ということで、まとめると

・痛みとは感覚と感情がセットになったものである。
・感情は治る力と大きく関係している。

というお話でした~。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?