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私を古代遺跡に連れてって(前編)|インドネシアのほほん滞在記

週末はどこ行こうかなーと行きつけのカフェでパソコンを開く。現在私が滞在しているのは何千とある島の一つ「ジャワ島」。観光名所をあれこれ探そうにも、それはそれはとても大きい島なので土日で行ける場所は限られている(なにしろ西日本がすっかり重なるくらい大きいのだから)。基本的には車で3〜4時間で行ける場所を探すことにしている。今回見つけたのは「Sukabumi(スカブミ)」という街だ。


先日この旅の終わりの出来事を記事にした。

夫に「週末はスカブミだ!」と伝えると「Gunung Padang(グヌン・パダン)」なる古代遺跡の情報を見つけてくれた。何やら山の頂上にある巨石遺構だという。「古代遺跡」というロマンあふれるワードにヨダレを垂らしながらあれこれ調べ始めた。

残念ながらグヌン・パダンについてわかることはほとんどなかった。というのも、2011年から2014年にかけて大掛かりな発掘調査が行われたものの、色々な意見に分かれており「これだ」という結論には至っていないというのだ。ネット上に溢れる言説はどれも妄想に近いようだ。もちろんみんな大好き(?)『ムー』にも取り上げられており、「古代エジプトより遥かに古いグヌン・パダン遺跡は『世界最古のピラミッド』だ!」と(たいそうな)タイトルがつけられていた。

「Universe Inside You」より


ま、何も確かなことはないけどひとまず行ってみよう!

金曜の夜に出発してスカブミのホテルで一泊。翌日朝食をとったあと車で遺跡へと向かった。1時間半もあれば到着する見込みだ(このときは知る由もない。結局3時間も車に乗る羽目になることを)。
しばらく車を走らせると一気に田園風景が広がった。日本を出てから田んぼを見ていなかった。久しぶりの景色になんだか癒された。ただ田んぼの向こうにはヤシの木やバナナの木が生えていて、「日本みたいだけど絶対日本じゃないな」などと当たり前のことを思った。

車が止まった。
「あれ?道でも間違えたかな」。すると再び車は動き出した。恐ろしくゆっくりと…。進むたびに車体がぐわんぐわんと揺れる。体をまっすぐ保つことができない。オエーーー吐きそうだ。やっとのことで窓の外を見ると…

石が、いや岩がゴロゴロと転がっていた。
もちろん撮影する余裕なんてないので写真はありません。じきに平坦な道に戻るだろうと目を瞑っていたが、ごろごろ道はしばらく続いた。急斜面の坂道を必死に進む。
集落を抜けたあたりで整備された道に出た。結局ゴロゴロ道ですれ違った車は1〜2台だけだった。車を運転してくれたのは現地のドライバーさんだ。
「テリマカシー バニャ…(むちゃくちゃありがとうございます…)」と息も絶え絶えにお礼を言った。普段はインドネシア語でのコミュニケーションがほとんどとれない私だがこのときばかりはドライバーさん・夫・私の間で一体感が生まれた。気がした。

….

さてと。

1時間半で到着するはずがかれこれ2時間半くらい車に乗っているので一旦降りて休憩させてください。

つづきはまた次回書きます。



映画監督兼いわゆる駐在妻です。1年間インドネシアに滞在します。初めてのことばかりで面白すぎるので、忘れたくないので、記録として文章を残すことにしました。
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