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ビオトープ新章:エコトーン(移行帯)と地域の在来植物を楽しむ湿地帯ビオトープ作りを目指すことに

オイカワ丸さん、大童澄瞳さんが書かれた「自宅で湿地帯ビオトープ!」という本を読みました。

私自身もベランダで3年以上ビオトープを管理してきましたが、新たな視点と知識を得られました。すぐさま実践したい気持ちになったので、すぐさま実践することにします。

ビオトープにエコトーン(移行帯)を作りたい

なかでも特に気になったのはエコトーンの概念。「水中と陸地がゆるやかに移行する地帯」のことで、踏みこんだときに足がヌルッと沈み込む湿った場所を指すそうです。

エコトーンがあると何がいいのか?答えは多様性の拡がり。エコトーンの場所では「水中のみに生きる生物」と「陸地のみに生きる生物」だけが存在。しかし、エコトーンがあると「水陸を行き来する生物や植物」が生きられるようになります。例えばカエル。オタマジャクシのときは水中で生活していますが、カエルの姿になると水中と陸地のどちらも行き来しますよね。そんなイメージ。

上述の著者を書かれたオイカワ丸さんのXに、わかりやすい投稿があったので貼っておきます。

この姿に比べると、現在の我が家のビオトープは命の賑わいが薄いように思います。

2024 秋

我が家のビオトープ、過去の姿

実はうちのビオトープにも過去、エコトーンに似たものはありました。

2023/10

写真は去年(2023年)の様子ですが、写真右側が浅瀬で、左側が深くなっています。ただこのときの動機は「エコトーンを作ろう」ではなく、「浅瀬を泳ぐメダカを眺めたい」というもの。その目的自体は達成したのですが、上の睡蓮鉢の全体像にもあるように、様々な植物が繁茂した結果メダカの遊泳スペースと水量がなくなることが気になり、オオカナダモとミソハギを残しビオトープを整理することにしたのが今年です。浅瀬にあった土も掘り起こし、底面は一定の深さになりました。

こうして紆余曲折あって、ビオトープは現在の、なんとも味気ない姿になってというわけです。

2024 秋

これはイカンと手を入れ始めたのがこの秋なのですが、冒頭で紹介した「自宅で湿地帯ビオトープ!」は、今の自分の悩みにぴったりのタイミングで出会えた本でした。

メダカだけを楽しむではなく…

2024.11

今から目指すのは、上述のエコトーンの作成と、在来植物による水景の再現です。

まずはエコトーンですが、以前の失敗を活かし、土を足すのではなく、ビオトープの一部を掘って作ることにしました。こうすることで水量自体は変わらなくて済みます。上の写真の右側が浅瀬、左側が深い落ち込みになっています。

そして在来植物。地元の小川に繁茂している植物を移植することにしました。

ミゾソバ


セリ

ミゾソバとセリです。これまではオオカナダモやルドウィジアといったアクアリウムショップで売られている水草を植えていました。それはそれで悪くないのですが、自分の住む地域の自然を楽しむのも良いなと考えました。地元に川岸にはもっと多くの植物があるようですが、まだフィールド観察の時間が取れず。とりあえずはこれで冬越しを狙おうと思います。


ミソハギは園芸店で購入したものなのですが、3年前のビオトープ立ち上げ当初から植えており愛着もあるため残すこと。毎年夏に花をつけ秋に紅葉と、目を楽しませてくれます。


これまでの3年は「いかにメダカを楽しむか」を考えてきましたが、これから生物の多様性や循環、地域の自然をテーマにしていきたい。その自然のひとつとしてメダカがいる、そんな形を目指します。(メダカも今回ミゾソバやセリを採取した川の出身です)

最後に、適度に人間の手を入れる重要性も本書からの学びでした。私は今までビオトープは「なるべく人の手がかからず維持できること」を正解と考えている部分が少なからずありました。

しかし、実際の自然環境に目を移すと、そもそもそういった自然ですら人の手を入れないとバランスが崩れるものでした。例えば水田の横を流れる水路なんかも放っておけばたちまち植物でいっぱいになって詰まりが起きますし、「池の水全部抜いてみた」なんかも人の手による環境リセットの例でしょう。一度人の手を入れた自然は勝手に適切なバランスを保つのではなく、ある程度コントロールしてこそ環境を維持できたり、発展していくもの。そんな考え方のうえでこれからのビオトープ管理をしていくつもりです。

それにしてもビオトープ、もう4年目ですけど飽きませんねぇ。毎年考えることは違うし、なによりこれを自分だけの小さな庭、自然として管理する楽しさ。鉢の上に自然を再現する盆栽にも通ずるものがあるんじゃないだろうか。「容器に水と土だけ入れて生き物が勝手に飛来するのを待つ」という気長な育て方もあるそうなので、気になった人はぜひ一度ビオトープを試してみてはどうでしょう

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