FigmaやMiroなどのフリーハンドツールの功罪 書き手の快適さと読み手の迷子問題
はじめに
FigmaやMiroなどのフリーハンドのツールは図を書いたりビジュアルでなにかを表現する際にとても便利です。ですが使い方によって読み手にとって高い負荷をかけることになるので僕が思っていることを書いていこうと思います。
書き手にとってのフリーハンドツールの魅力
FigmaやMiroなど、フリーハンドで自由に書けるデザインツールやコラボレーションツールは、書き手にとって非常に魅力的です。
自由なキャンバスで直感的にアイデアを描けるため、思考のスピードに合わせて情報を記録できます。特に、ブレインストーミングやラフなプロトタイプの作成においては、そのスムーズさが大きな武器になります。
複数人で議論する際や、ブレインストーミング、振り返りなどでも共通認識を取りながら見やすく表現できるのでとっても便利なものだと考えています。
読み手の視点:どこから読めばいいのかわからない問題
一方で状況を共有される際にフリーハンドのツールで情報共有が行われ、読み手側になるとどこから読んだらいいかわからない問題が発生します。
(読者は「これはどこから見たらいいんだろうと思ったことはないでしょうか」)
理由はシンプルで、フリーハンドツールには「読み始める場所のルール」が存在しないからです。例えば文章やスライドの場合、左上から右下に読むという共通ルールがあります。これにより、読み手は迷わず内容に集中できます。しかし、フリーハンドツールでは、このルールが破綻することが多々あります。
なぜフリーハンドツールでは迷子が生まれるのか
視覚的な秩序の欠如
フリーハンドツールは書き手が自由に要素を配置できるため、視覚的な秩序が崩れやすいです。重要な情報がどこにあるのか、どの順序で読むべきかが明示されていないケースがよくあります。書き手と読み手の視点の違い
書き手は自分の頭の中の流れに従って情報を整理するため、自分にとっては自然な配置になります。しかし、読み手はその流れを知らないため、適切に情報を解釈できない場合があります。意図しない要素の強調
フリーハンドツールでは、要素の大きさや色の選び方が感覚的になることがあります。その結果、重要でない情報が目立ったり、重要な情報が埋もれたりすることがあります。
書き手としてできる対策
この問題を解決するためには、以下のポイントを意識すると良いでしょう。
フリーハンドツールを補助として使用する
ドキュメントにおいて、全てが表現力が必要になるケースは非常に少なく、できるだけNotionなどのドキュメントツールをメインに使用し、注釈という形で表現力が必要なところのみに抑えることによって、読み手側が迷う理由をできるだけなくすようにします。フリーハンドツールを利用して複数で議論した結果をドキュメントツールで清書する
議論した結果を共有したり、再度読み返した際に意図や結論が把握できるようにドキュメントツールで清書することで議論がどのように着地したかどうか結論などが非常にわかりやすくなります。
清書ができないのであれば、読み方が書いてあるドキュメントが1つあるだけでもあとから読む人はすごく助かるかもしれません。読む順序を意識して配置する
左上から右下の順序で情報を整理し、読み手が自然に目線を移動できるレイアウトを心がけます。明確な区切りを設ける
セクションごとに枠や背景色を使い、どこからどこまでが一つのまとまりかを視覚的に示します。簡潔なタイトルをつける
各エリアやセクションに短くわかりやすいタイトルを設け、読み手が「ここには何が書いてあるのか」を瞬時に理解できるようにします。
まとめ:自由と秩序のバランスを取る
フリーハンドツールの自由度の高さは、書き手にとって大きな利点である一方で、読み手を迷子にしてしまう危険性を孕んでいます。
そもそもフリーハンドのツールをできるだけ使わずに済めばいいと思いつつも書き手としては、秩序を取り入れる工夫をすることで、読み手にとっても快適なドキュメントを作成できるようになります。