グランメゾン東京を見ていた人は知るべき、今年行ってよかったお店1選
13年連続でミシュラン三つ星として掲載された『カンテサンス』に行ってきました。
このお店は2019年のうちにちゃんと紹介しないといけないなと思いまして、紹介させていただきます。
なお、キムタクが主演で高視聴率を獲得した『グランメゾン 東京』の監修店でもあります。
ドラマ中にも僕らが食べさせていただいた料理たちが多数登場するので、ぜひ合わせてご覧ください。
※なお本記事はグランメゾン東京 最終回を見た直後に書いています
カンテサンスについて
カンテサンスは素材・火入れ・味付けに日本一こだわっており、最高に素晴らしいお店です。
それはメニューからも分かります。
メニューは白紙、お任せコースのみ。その日の食材の状態を見極め、最高の状態で提供するお店のこだわりが現れています。
メニューの画像を載せるのでぜひ見てください。
卒業アルバムなみの分厚いメニューをワクワクしながら開くと、そこは白紙という驚異っぷりです。お料理への自信が伺えます。そして料理は軽く期待を超えて一口一口感動させてくるという、日本最高のと言っても過言ではない一大アミューズメントです。
ミシュラン三つ星とは
カンテサンスを説明するにあたり、ミシュラン三つ星とはどういうお店なのかという事から説明する必要があります。
ミシュランガイドについては以下の5つのポイントで評価が決まると明言されています。
1. 素材の質
2. 調理技術の高さと味付けの完成度
3. 独創性
4. コストパフォーマンス
5. 常に安定した料理全体の一貫性
そして、星の意味するところは以下の通りです
一つ星:そのカテゴリーで特においしい料理
二つ星:遠回りしてでも訪れる価値がある素晴らしい料理
三つ星:そのために旅行する価値がある卓越した料理
尚、ミシュランガイド東京2020で三つ星を取ったお店は11軒しかありません。
何軒かミシュランの星を獲得しているお店に行ったことがある人も多いでしょう。僕もその1人ですが、他店と比べてもココは圧倒的なものを感じます。
それが、僕が1選しか書けなかった理由です。
他にもたくさん美味しいお店を巡りましたが、今年をまとめるには1選としか言いようがないほどに圧倒的でした。
料理の紹介
僕がいただいた料理を紹介します。
アーモンドパウダーのサブレとタコのフィンガーフード
ほんのり温かく豊潤なバターが香るサブレとこちらもほんのりと温かいタコを口に入れると、噛んだ瞬間タコの甘みと旨味が口いっぱいに広がります。
噛みごたえや弾力はありつつも固さは一切なく、噛みしめるたび口の中でサブレやひもとうがらしと交わりながらタコの旨味で口が満たされます。
タコ特有の臭みもまったくないため、食べ終えた後は旨味だけが口に残りました。
ひもとうがらしのアクセントもとってもよかったです。
タルティーボのスープ
和牛と数種類の野菜の旨味がバランス良く濃縮された食材の調和を楽しむスープです。
ほんのりバジルなどのスパイスも効いていて、こちらも口に広がる旨味を楽しみながらペロりと無くなってしまいました。
山羊乳のバヴァロア
オリーブオイルと塩が主役のカンテサンス定番の一品です。
ヤギと聞くと食べ慣れない食材ですが、ヤギの臭みは一切なく、牛の様な甘みもあえて言いましょう、ないです。
ただ、食材を引き立てる濃厚でクリーミーなババロアとちょうど良すぎるほのかなヤギのミルクの甘み、そしてオリーブオイルの力強く濃厚な香りとまろやかでバランスの良い塩の味が口から鼻を通りぬけます。
まさにオリーブオイルが主役。調味料単体を料理として成立させる料理に初めて出逢いました。
上に乗ったユリネは、オリーブや塩の豊潤な調和を邪魔しないながら食感にバリエーションを持たせる素晴らしい配役でした。
※グランメゾン東京でもお馴染みの一皿ですね。ドラマで登場するたびにオリーブの豊潤な香りを思い出して、いまだに余韻に浸っています。
以下、岸田シェフが山羊乳のバヴァロアについて紹介しているものを
引用させていただきます。
山羊のバヴァロアは、カンテサンスのオープン当時からずっと出し続けている、いわゆるスペシャリテと呼ばれる一品です。
このお料理は、山羊のミルクを使ってゼラチンでかためているバヴァロアの部分に、マカデミアナッツと百合根が乗っていますが、このお料理で食べていただきたいのはそこではありません。この料理で食べていただきたいのは、お塩とオリーブオイルです。
それを食べてもらうため、バヴァロアやマカデミアナッツ、百合根の食感は、それぞれ個性はあるけれど、味は優しいものばかり。だからこそ、このお料理を食べていただくと、まず最初に感じるのはお塩でありオリーブオイルの香りなんです。
料理は材料が主役であって、そこに調味料で味をつける…という主従関係が本来のスタイルですが、このお料理では主従関係が逆転しています。調味料が主役であり、主材料があくまでも縁の下の力持ちであるということ。その逆転が、すごくおもしろいお料理です。
この料理を思いついたのは、当店の名刺代わりになる料理が作りたいというところからでした。当店の前菜の一番最初に出てくる品であり「これから始まる料理は、こういう味付けでこういう調味料を使っていきます」と、知ってもらうための「アントレ(前菜)」です。フランス語で前菜はアントレと呼びますが、この語源は玄関をさします。これがこのコースの入口になる、店の名刺代わり、という意味を込めています。
このお料理は、一年中出しているメニューで、材料は基本的に一年を通して手に入ります。しかし、ミルクを作る山羊の食事は、季節によって変わっていきます。春は青々とした牧草。冬場になるとそれが乾燥した牧草に。そうするとミルクの味も変わっていきます。
スペシャリテとして毎回出ているお料理ですが、季節によって味の変化を感じてお楽しみいただくことが出来ます。
引用元: https://www.tbs.co.jp/grandmaisontokyo/cuisine/
白子と香箱蟹
こんなにも臭みはなく、クリーミーさと旨味の良いところだけを放つ白子は食べたことありませんでした。
白子のクリーミーさに、香箱蟹の旨味と白子の旨味をさらに引き出すハーブの香り、そしてローストされたナッツのアクセントに食べれば食べるほど逆に食欲がそそられます。
まだ続けます。
カンテサンスでは、全てワインのペアリングをお願いしていました。
どれも風味が豊かで、ワインと合わせてさらに料理の完成度が高まる最高の経験だったのですが、この白子と合わせていただいた白ワインには驚きました。
樽の風味が強く残る辛めの一風クセのあるワインだったのです。
なのに、料理と合わせて飲むと不思議なほどにすっきりとしており、樽の風味までも料理に組み込まれたのです。
お料理単体でももちろん完成度は高いのですが、カンテサンスに行かれる際には、ぜひワインをペアリングしてさらに完成度の高まった料理を体験してください。
和牛ミノのソテー ヴィネグレット風味
香ばしく炙られたミノに酸味のある香草のソースが乗った料理です。
ミノには丁寧に包丁が入れられ、歯応えと噛むたびに溢れだす旨味を楽しむ料理でありながらナイフや歯で簡単に噛み切れるようになっています。
酸味の効いた香草は、香ばしいミノをさらに香ばしく感じさせ、ミノの新しいおいしさを体感させられる料理でした。
ブーダンノワールとリンゴのタルト
ブーダンノワールというのは、豚の血を使った真っ黒なソーセージのことです。
クセの強い印象があったブーダンノワールですが、リンゴのタルトと
合わせることにより、ブーダンノワールの旨味を感じながらも
ブーダンノワール特有の臭みも抑えられていて感動しました。
以下、岸田シェフがタルト ブーダンノワールについて紹介しているものを
引用させていただきます。
これは「カンテサンス」では10年以上前から作られているスペシャリテです。
ブーダンノワールというのは、豚の血を使った真っ黒なソーセージのこと。フランスではすごく伝統的な食べ物ですが、実を言うとフランス人でもブーダンノワールが苦手で食べられないという方がたくさんいらっしゃいます。日本人でもお寿司を食べれないという方がいるように、豚の血を使っているのでそれなりにクセがあって、苦手な方がたくさんいらっしゃる料理でもあります。
なので、フランスではリンゴをソテーしたものと一緒に食べるというのが伝統的な食べ方になっています。クセがあるものなので、フレッシュなものを食べて一度リセットをするような形ですね。
そこで僕はこのブーダンノワールを、「もうちょっと食べやすい食べ方はないか」と思って考案したのがこのお料理です。最初にパイ生地の上にスライスしたりんごを綺麗に並べて焼き上げ、りんごのタルトを作ります。そのりんごのタルトの上にブーダンノワールを全部ほぐしてペースト状にし、左官屋さんのように塗っていきます。そしてそこにちょっとフォアグラも乗せます。ここで何がしたいかと言うと、先ほど言ったようにブーダンノワールは、すごくクセのある食べ物なので、りんごと一緒に食べるんですけれど、ブーダンノワールと交互に食べていくと、人によって量のバランスが出てくるんじゃないかと思いました。
ブーダンばっかり食べてしまうと「クセが強いなあ」と思ってしまったり、りんごばっかり食べてると「甘くて何だか分からない」となってしまいます。僕が考えたブーダンノワールは層になっていて、この比率は、僕が思う完璧な黄金比率になっているんです。
どこから切ろうと比率は常に僕が思う完璧な比率。お客様がどんな食べ方をしても必ず完璧な比率で食べられるというのを目指して作った創作料理です。
引用元: https://www.tbs.co.jp/grandmaisontokyo/cuisine/
クエのソテー マコモダケ添え
魚の火入れについては和食の方が一段上だとずっと思っていたんですが、
このクエを食べた瞬間に僕の勘違いだと気づきました。
低温で火入れがされているので、中の方は生に近いのに、皮はパリパリで
魚本来の旨味を感じながら、香ばしさも兼ね備えていていました。
また、付け合わせのマコモダケについても旨味が凝縮されていて、
クエとマコモダケを一緒に食べていくことで料理が完成されていきました。
蝦夷鹿のステーキ
ジビエ特有のとても野性味溢れた味なのに、まったく臭みはなく赤身のおいしさに身悶えする料理でした。
肉がとっても柔らかいため、調理法を伺ってみるとみると、オーブンで5分焼いて10分冷ますことを何十回も繰り返すことにより、タンパク質が壊れずに旨味だけが凝縮されるとのことでした。
ソースに関してもフランス料理といえばソースがメインと言われ、かつジビエに合わせる場合、臭みを緩和し強い旨味と対抗するようなソースが多いですが、なんと透き通るような薄さ、旨味は凝縮されているにも関わらず、あくまで赤身が主役なのです。
肉にはもちろんソースにも感激させられました。
梨とぶどうのシャーベット
梨のスッキリとした酸味とぶどうの芳醇な香りが合わさり、
風味が豊かな上、旨味も凝縮されていているので、今までの料理の余韻を
残しつつ、口の中をリセットしてくれます。
キャラメリゼされたイチジクとマスカルポーネ
食べた瞬間、幸せが体全体に広がる料理です。
キャラメリゼされたイチジクがクリーミーだけどすっきりとしたマスカルポーネの上に乗っています。
キャラメリゼされたイチジクは甘さもありますが、薄く張ったキャラメルをカリッと噛むと少し酸味も広がり、スッと甘さは消えていきます。それをマスカルポーネのクリームが優しく、甘く包み込む。
いくらでも食べれるんじゃないかと思いました。
栗南瓜のチュロス メープルシロップ
ディズニーランドのチュロスの1000倍うまいチュロスです
食べると栗南瓜のクリームの濃厚な甘みの後にしっとりとバターの香りと
香ばしさが口の中に広がり、
鼻を抜けた後にメープルシロップの優しい甘さを感じました。
メレンゲのアイスクリーム
とてもクリーミーかつ濃厚なアイスクリームです。
メレンゲを砕いた粉を砂糖の代わりに使うことにより、
バニラのような風味にすることができているみたいです。
最初食べると少し塩気があるように感じるのですが、
聞いてみると、塩気は濃度の濃い海水が散布されているそうです
食べていく中で甘さと塩気のバランスがどんどん変わっていき、
アイスなのに非常に楽しませられるデザートでした
以下、岸田シェフがメレンゲのアイスクリームについて紹介しているものを
引用させていただきます。
カンテサンスには2つスペシャリテがあります。
前菜は山羊のバヴァロア。デザートは、メレンゲのアイスクリーム。この2つはカンテサンスでは必ず出る料理です。これもオープンしてから毎日作り続けている一品。
フランスで修行していた頃、僕が驚いたことの1つに、すごく大きなメレンゲのお菓子がフランスの至る場所で売っていたことでした。日本だと小さいメレンゲを焼いたお菓子はありますが、フランスは本当にびっくりするくらい…野球帽くらいの大きさのものが、山積みになって売っています。「フランスの人って一人でこれ食べるの?」と驚いたのを覚えています。というのも、メレンゲの半分は砂糖作っているんです。勉強のために一回食べたことがあるのですが、覚悟はしていましたが、想像以上に甘かった!美味しいものがたくさんあるフランスで、なぜあるのだろうと僕は本当に理解が出来ず、好きになれないものが「メレンゲ」。実は大嫌いな食べ物なんです(笑)。この大嫌いなメレンゲを美味しくすることが出来ないか…というのがこのアイスクリームを作った最初のテーマ。
僕が思う嫌いなものは、改善点がたくさんあるもの。自分が嫌いなものをテーマに料理をつくることが好きです。なぜならそこにはたくさんの伸びしろがあるから。みんなが大好きで昔から愛されているメレンゲのお菓子があり、そこに伸びしろがあるのであれば、僕がそれを改善すれば、今よりもはるかに美味しいものを作ることが可能じゃないかと思いました。
メレンゲには課題がたくさんありました。1つは甘すぎるということ。けれど、焼いた香りは、他にはない、いい香りがします。メレンゲを形成するために、砂糖をたくさん使うことは避けられない、でもこの香りは伝えたい…でも甘さは控えたい。そう考えたとき、僕はこのメレンゲを通常どおりに作ってから、粉々に砕いて、その粉をアイスクリームの生地の中に入れることを思いつきました。アイスクリームには、牛乳や卵も入っていますが、砂糖も当然入ります。そのメレンゲを砕いた粉を砂糖代わりにしました。
アイスクリームの種類は世の中にいっぱいあって、種類は出尽くしています。新しいアイスクリームを作るにはどうすればいいかと考えると、自分が一度作ったお菓子を原材料として使うことで無限の可能性が出て、メレンゲのアイスクリームという、今まで世の中に存在しなかったアイスクリームを作り出すことができました。
嫌いから始まり、いい部分を取り出し、嫌な部分をなくしている。
このアイスクリームが僕、大好きです。
そして、カンテサンスで一番人気があるのは、このアイスです。
メレンゲのアイスはそれで完成しますが、そこに最後にひと手間。
能登のお塩屋さんで、海水を濃縮して5倍くらいになったものを霧吹きにいれて、アイスにかけています。
塩キャラメルやスイカに塩をかけて、塩分をほんのちょっぴり感じると、甘さを際立たせる効果があると思います。僕、塩キャラメルもそんなに好きじゃないのですが(笑)、なぜかというと、お菓子なのに最後までずっと甘じょっぱい塩分を感じ続けるから。塩味は後に残るんです。デザートなのに塩分が残るのは嫌ですよね。
それに対して、スイカに塩をふる行為。あの調理法には意味があり、スイカの中に塩分があるわけじゃなくて、上から振っていることで、最初の一口は塩分をたくさん感じるけれど、二口目、三口目と、塩分は減っていく。最後の後味は甘さだけ。だから、メレンゲのアイスクリームも中に塩を加えるのではなく、できあがったアイスクリームに、霧吹きで塩分をかける。そうすると単調なものではなく、塩分にグラデーションが発生していく。デザートとして、最後は甘さで終わることが出来るんです。そこがすごく大事だと思っています。
引用元: https://www.tbs.co.jp/grandmaisontokyo/cuisine/
ワインについて
今回、ペアリングでお願いしたのですが、最高でした。
すべてのワインが料理との調和を考えられており、
ワインが料理を引き立てたり、
逆に料理がワインを引き立てたりしていました。
僕自身、ワインにあまり詳しくないのですが、
非常に楽しむことができました
あわせて
カンテサンスの岸田シェフはグランメゾン東京というドラマの料理を
監修していて、グランメゾン東京で実際にコースメニューの中で
提供されている料理も一部はカンテサンスで提供されている料理
だったりするので、グランメゾン東京を見ると行きたい気持ちが
高まるかもしれないです。
こちらにグランメゾン東京で出ていた料理を見ることができるので、
よかったら見てみてください
https://www.tbs.co.jp/grandmaisontokyo/
https://www.tbs.co.jp/grandmaisontokyo/cuisine/
最後に
興味ある人もいると思うので、
カンテサンスの予約方法について書いておきます。
電話予約とOMAKASE、一休でのネット予約ができるようです
http://www.quintessence.jp/reservation.html
https://omakase.in/r/qt951856
https://restaurant.ikyu.com/108873/
僕はOMAKASEで予約を取ることができたのですが、
最近は予約が埋まっているので毎朝チェックすると
もしかしたら予約が取れるかもしれないです。
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