面白くて、ヤバい!- ’Freakonomics’(ヤバい経済学)ポッドキャスト
今回はほぼ毎日聴いているポッドキャスト、'Freakonomics'について書きます。'Freakonomics'は「ヤバい経済学」と訳され、本が有名です。同じ名前のポッドキャスト番組を、英語のリスニング対策として聞いているのですが、内容が本当に面白いのです。
もうすぐ500エピソードを迎えるということで、その魅力と活用法を2回に分けて書きます。
1.'Freakonomics'とは?
2005年に大学教授のスティーヴン・D・レヴィットさんと、ジャーナリストだったスティーヴン・J・ダブナーさんが書いた本『ヤバい経済学』(原題:Freakonomics)が始まりです。この本では経済学で日常生活を分析した結果が書かれています。
2.何がヤバいのか?
一番ヤバいのは、彼らの分析では「当たり前として信じられていること」がひっくり返され、しかも数字や理論という客観的な証拠も紹介される点だと思います。その当たり前を信じている人、そこから利益を得ている人にとっては大迷惑だろうな、と想像します。
個人的には少し過激と思われる議論もあるので、どちらが正しいかというよりは、表しか出ていないものの裏を示していると解釈しています。1件でも事例がある、数字が何か別のことを示している、という所を無視せずに掘り下げていくのは、状況をより多面的に理解したり、変化を知る上で重要だと思います。
3.素敵ポイント①
まず様々なトピックについて知れるところです。このポッドキャストのテーマは、'Explore the hidden side of everything' なのですが、政治・経済その他諸々のそれまで明かされることのなかった面が紹介されます。
ホストはスティーヴン・J・ダブナーさんで、その回のトピックに詳しい研究者や経営者などが出演します。共著相手のレヴィットさんは時々ゲストとして出てきます。
私は教育・食べ物・仕事関係の話が好きなのですが、自分の関心のないテーマでも意外に勉強になったりして面白いです。毎日少しずつ聞く方法をとっているので、興味のあるテーマを選んで聞いています。そうしないと続かないからです・・・。
少し話がずれますが、今は有料・無料問わず様々な英語教材があります。ただ日本語で手に入る情報は、日本語で読んだ方がスピードも理解も早いなと思ってしまいます。そして毎日触れるものなので、役に立ったり面白かったりするものが良い、と思っていました。
昔はBBCを聞いていましたが、確かに役に立つ最新の情報が得られるものの、大半が厳しいニュースなのできつかったです・・・。誰がどこで何人殺されて、こういう人権侵害で何とかさんが苦しんでいて・・というのを毎日聞くのはつらい。英語聞くだけでつらいのに。
その点、'Freakonomics'は明るいテーマを選べるし、日本語で出ない情報なので、私の希望にとても合っています。
素敵ポイント②
音声のみならず、英語のスクリプト全文が無料で手に入るところです。BBCを聞いている時は、どうしても聞き取れないところがあってモヤモヤすることが良くありました。ゲストのジョークにホストが朗らかに笑っているのに何言っているか分からない、という悲しい思いを何度もしました・・・。
その点この番組は内容全文が無料で公開されているので、分からないところを確かめられてとても助かります。
素敵ポイント④
これは個人的好みが大きいのですが、ホストのダブナーさんの声と話し方です。ポッドキャストって音声のみなので、実はこれが一番大事なのかもと思います。
共著者のレヴィットさんも素敵な人なのですが、彼がホストを務めた回は、その声や話し方があまり好みでなく、途中で聞くのをやめてしまいました・・・。レヴィットさんは良い人だし、話も面白いのにごめん!と思いつつ、好き嫌いは理屈じゃないのだと実感しました。
ダブナーさんは頭が良いし正直なので、言っていることはきついこともあります。ただ言い方が明るいし、相槌が優しかったりして、全体的に心地よく聞けるのです。ゲストの人の声も関係ありで、話し方が早すぎたり冷たいとこれまた聞くのがつらいので、途中で聞くのを止めたりしています。
以下にダブナーさんのインタビュー記事があります。2014年と古いのですが、彼の人となりが分かります。
「やめる」ことで幸せになる:『ヤバい経済学』の共著者スティーヴン・ダブナーの早寝早起き仕事術 | ライフハッカー[日本版]
4.印象的なエピソード
特に印象的だった1つをご紹介します。その回のタイトルは’ Hello, My Name Is Marijuana Pepsi!’でした。マリワナ・ペプシという実在する女性がゲストです。
言うまでもないですが、マリワナは大麻、ペプシ(コーラ)は飲み物です。そのユニーク過ぎる名前はお母さまが付けられたそうで、彼女はその名前に対する周囲からの反応に苦しんだそうです。
この回の主な内容は彼女の博士論文のテーマである、目立つ名前が生徒の教育に与える影響についてでした。マリワナさんはその名前故に学校で様々な困難を体験したのですが、大人になって先生として勤めている時に、生徒が名前で差別(区別?)されていることを知ります。彼女の調査対象は特に黒人にルーツを持つ名前の生徒です。(この言い方が適切か分からないのですが、’Black name’をそのまま訳しています。)
この話を聞いて、「目立つ」名前をつける親が悪いのか?または「目立つ」名前を受け入れようとしない周りが悪いのか?というところが分からなくなってしまいました。
マリワナ・ペプシという名前を聞いた時、正直親御さんは何を考えているのかと思ってしまいましたが、マリワナさんは「親は悪くない。騒ぐ周りがおかしい、と思う」と仰っていました。お母さんのことを好きなようで、その名前の付け方もお母さんらしいなと思っているようですね。名前という個人的なことについて、どの程度周りが口を出せるのか・・・。個人主義のアメリカ的だなあと思うところもありました。
そして1993年に日本で子どもに「悪魔」と名付けようとした人がいて、ニュースになったことを思い出しました。結局違う名前になったわけですが、この親御さんなりの意図はあったのですよね。
さて、このエピソードの詳細は以下です。2019年に公開されました。
5.おわりに
今回改めて調べてみて、この番組のすごさを知りました。
どのように英語学習に活かしているかは次の機会に書きたいと思います。1つの回を数分ずつ聞き、理解出来なくても気にしない、というゆるい感じで行っているのですが、詳細はまた次回ご紹介したいと思っています。