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妄想が進み過ぎる曲② -『ミス・ブランニュー・デイ』

今回も妄想が進み過ぎて何度も聴いてしまう曲、第2回目です。曲はサザンオールスターズの『ミス・ブランニュー・デイ』。

1.妄想の概要

この曲は、『ミス・ブランニュー・デイ』こと美しい女の人に片思いをしている男の人のモノローグとして捉えていました。女の人は20代前半な感じで、男の人も同世代。小さいころから知っていて、年頃になった彼女の変化に違和感とフラストレーションを感じているイメージです。この曲のイントロも、不穏な感じでいいんですよね。

気になること① 「ほめたいのか、けなしたいのか、どっちなの!?」という点

まあ、どっちもなのでしょうけど、割合としてはどっちが多いのかと考えていました。全体的にたしなめるトーンなのですが、「誰かと似た身なり」で「しなやかさと軽さをはき違えて」て、「粋な努力をただで売」っている女の人が気になって仕方がない。つまりは言葉を変えてけなし続けることで、褒めている感が際立ってくるのです。だから彼は彼女のことをものすごく好きなんじゃないかという気がしてしまうのですよね・・・。

好きな理由は「人目をはばかるにゃ美し過ぎる」外見のせいもあるでしょうけど、その女の人の危なっかしい感じ、男の人がこうあるべきと思う行動をとらないことにも依るのではないかと思ったりします。

案外思い通りになる人であれば、刺激がなくてこれほどまでに気にならないのかも?と深読みしてしまいます。

気になること②「それで、今のあなたは理想的なの?」という点

この主人公の男の人から見れば、この女の人は「本当の自分を捨て」て「教えられたままのしぐさに酔って」いる、主体性がない姿に見えているようです。この男の人にとって、今の女の人は理想的ではないのですよね。

ではこの男の人にとって、今の自分は理想的なのでしょうか?私は今の自分に満足している人は、人のことに口を出さないと捉えています。そのため一曲丸々違う表現で同じ苦言を呈し続ける彼が、今の自分に満足していると思えないのです。

彼の理想は何か?それは美形な彼女が、「本当の自分」とやらを取り戻し、この男の人の好意に気づいてくれることではないかと思うのです。そして彼女と恋人になる・・・。

ただもし彼女が今のままで変わらないけど気になるのだとしたら、行動を変える必要があるのは「彼」ではないかと。傍観して批判するのを止め、彼女に自分の想いを伝える必要があるのではと思ったりするのです。どう伝えるかは分からないけれど、ただ「君は変わるべきだ」と説教しても彼女にうるさがられるだけでしょうね。

彼にとっては間違った方向であれ、自分の求めるものを得るために行動する彼女は、自分の欲望を抑えている彼にとってある種まぶしく映るのかなとも感じました。

2.『ミス・ブランニュー・デイ』の意味は?

ネットで検索すると、色々な方がこの歌に関して解説されていて面白かったです。桑田佳祐さんの直接の言葉が見つからなかったので引用はしませんが、色々な捉え方が出来るのがこの曲の面白さなのかと思います。

私にとってはこの曲は、片思いのモヤモヤや不安定さを絶妙に表していて、「え、この時本当はこの男の人はどう思ってるの?」と気になるので、何回も聴いてしまいます。そして妄想が進み、自分の振り向かない女の人にグダグダ言ってる男の人が可愛いなあーと思ってきたりして。

聴くたびにちょっとずつ色々な感情が芽生えるので、これからもリピートして妄想が進むであろう1曲なのでした。