この一瞬を、誠実に生きる人々の物語 -ミュージカル"WITHOUT YOU"-
今回は、ミュージカル"WITHOUT YOU"についてです。これは、ミュージカル"RENT"の出演者アンソニー・ラップさんの自伝"Without You"を、本人のワンマンミュージカルにしたものです。
演者1人という舞台を初めて見ましたが、90分があっという間で、本当に感動しました。特に印象的だったポイントを、共有します。
・内容紹介
以下のように紹介されています。
来日にあたっての、アンソニーさんのコメントは、以下から読めます。
日本に来ることを楽しみにしてくださっていて、とても嬉しかったです。
・ポイント①歌がものすごく沁みる
まず、とにかく全ての歌が心に入ってくる、という点が驚きでした。
”RENT”内の歌、そしてこの"WITHOUT YOU"の歌、とたくさん歌われるのですが、全て歌詞が胸に響いて、切なくなったり、気持ちがあたたかくなったりしました。
他の人が歌っていた歌でも、アンソニーさんが歌うと彼のものになってしまう気がしました。この理由は、まず声が抜群に良いこと、歌がうまいこと、感情の入れ方のバランスが良いことかなあと思うのですが・・・理屈抜きで、ずっと歌声を楽しめました。
・ポイント②メリハリのある展開
一人で90分、ダンスがあるわけではないのですが、飽きることがありませんでした。それは小さいながらも、舞台の進み方にメリハリがあったからだと思います。
机を真ん中に動かしてその上に載ったり、椅子を端に持っていって語ったり、スタンドマイクを真ん中に持ってきて歌ったり・・・。
小さな動きがあるので、目が飽きませんでした。そして各歌に合わせて、歌い方、ライト、音楽の強弱が変わっていて、一幕一幕のハイライトを見ている感じになりました。
・ポイント③全力のパフォーマンス
前の席が取れたので、アンソニーさんの表情までくっきり見えました。
この舞台は、"RENT"を生み出したジョナサンさん、そしてアンソニーさんのお母様が亡くなる前後について書かれています。アンソニーさんにとっては、とてもつらい思い出です。
それを全力で、まるでその痛みを今感じているかのように、歌い、語るアンソニーさん。時に涙を流しながらの、叫ぶような歌に、放心状態になりました。
最後は明るく"Seasons of love"が歌われて、アンソニーさんの笑顔を見れて、ほっとしました。
・Meet&Greetで更に感動
今回は、VIP席にアップグレードし、アンソニーさんとMeet&Greetに参加し、写真を撮れました。
"RENT"は一番好きなミュージカルなので、奮発してこの席を予約しました。アンソニーさんは一人ひとりに優しく話しかけてくれて、サインを求められたら快く対応してくれました。
自分の番では、緊張しすぎてお礼しか言えませんでしたが、お会いできて本当に感動しました。こんな人間的にも素敵な人の出る作品を好きになれて、その人の歌を間近に聞けて、話ができるなんてと、幸せを噛み締めました。
写真は一生大切にします!
・おわりに
”RENT”のジョナサンさんと、アンソニーさんには共通点がある気がしています。それは周りの人を大切にすること、そして革新的であることです。
俳優さんが自伝をワンマンショーにする、ということはあまりないことですす。そもそもご著書"Without you"では、"RENT"やご家族について以外に、自らの性志向について、機微に触れる内容も書かれています。それは、自分と同じ悩みを持つ人のヒントになれば、と思っているからかなとも感じました。
アンソニーさんは今、同性のパートナーさんと2人のお子さんと暮らしているそうです。幸せそうで、私まで嬉しくなりました。
"RENT"で"No day but today"という歌詞が出てきますが、私も今日を一生懸命に生きよう、と思えました。
アンソニーさん、ありがとうございました!