ココロカガヤキ人生100年③「やめる」は「逃げる」だが、「見渡す」でもある
何かをやめることは、その場から逃げることではあるのですが、やめることで今までの世界を離れ、別の世界を広く見渡し、自分に合った生き方を選ぶ大切な力でもあり、これからの人生100年時代にますます大切になってくるスキルだということをお届けします。
「やめる」ということは、今やっている仕事や部活動などの活動をストップすることですが、実は、何かをはじめるための立派なスタートなのです。
このタイトルを思いついたのは、「やめる練習」でお馴染みの野本響子さんの本「日本人は『やめる練習』がたりてない」の帯に書いてあった「星野ルネ」さんの次の言葉を参考にさせてもらいました。
”やめる”と”逃げる”が、同じに見えてしまう社会にあって、”やめる”を”見渡す”に変えてくれる本-星野ルネ
この言葉は、野本さんの本の内容を的確にまとめた言葉だなと思います。帯を捨てなくて良かったと思いました。
つまり、日本社会は、仕事でもなんでも辞めづらい社会で、その理由としては、やめることが逃げることだと思われているからだということです。
仕事に我慢できなくて、根性がないからやめるんだと思われるから逆にやめられないということが起きている社会であると私も思います。
でも、やめることは、他にいいものがないかなあ、自分に合うものがないかなあと「見渡す」こと、探すことなのです。やめることは、トライアル&エラーの大事な部分。
それなのに、一緒に働いている人が辞めたいというとついつい引き留めてしまいがちですよね。もうちょっと頑張ってみたらとか、今はつらいけどこれを乗り越えたら、楽しくなるよなんて言ってしまいがちです。
野本さんはそんな日本を「我慢の練習」をするところと言っています。確かに、「やめずにもう少し我慢してみたら」なんて言います。日本は、「続けること」が美徳の社会なのです。
それによって、良い面もあって、プロフェッショナルが育つ社会でもあるんですね。続けているわけですから、腕に磨きがかかわるわけです。
でも、やめたいと言っている人は、新しい世界を見渡して、自分に合うものを探したいと言っているのに引き留めて、やめずにいることは、本当にその人の幸せになっているのでしょうか?
むしろ、背中をポンと押してあげる方がいい時代になっているのかも。
それが人生100年時代。
人生100年時代は、100歳まで生きるプランを立てる時代です。その時代で大切なのは、違うと思ったらやめて、変える力。自分で変化を起こす力。失敗しても立ち上がる力です。
それなのに、学校では進路選択を間違えないように指導して、生徒が就職してやめないでいるとホッとするみたいな感じだと思います。でも、知識として進路を教えるのと、実際に体験してみて、判断するのは違いますよね。
そこで大事なのは、違うと思ったときにやめる力。やめる練習。やめてから、次の仕事を探す力。
進路選択を間違えないようにするのに多くの時間を取るあまり、間違えたときにどうするかを教えていないように感じます。
私の趣味は、スキーです。小さいときにはまったのですが、スキーで最初に習うのが、転ぶ練習です。どうやって上手に転ぶのか。おしりから転ぶのがケガをしない上手な転び方。
そして、転んだら、どうやって立ち上がるか。立ち上がる練習をします。倒れたときに山側にスキーがあったら、谷側にスキーを移動して、それから手やストックを使って立ち上がる。
スキーで最初に習うのが、転ぶ練習、立ち上がる練習です。
仕事でも、きっとやめる練習、次の仕事に就く練習が必要なのではないでしょうか。
人生でも生き方を変える練習、別の生き方を選ぶ練習が大事。その技術があれば、人生100年時代、急な坂やこぶ斜面で転んでも立ち上がって、自分の人生で自分が思うターンができるのではないでしょうか?
そして最後のまとめは、やはり、やめて「逃げるは恥だが役に立つ」になっちゃうのでしょうか。(笑)(すみません。ドラマとは関係はありません。)
以上、あなたのココロにカガヤキを。ココロカガヤキ研究所でした。クスっと笑っていただいたらうれしいです。笑顔がココロのカガヤキです。
(参考文献)
野本さん、面白い本や記事をいつもありがとうございます!今回、参考にさせていただきました。ありがとうございました。