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スイカ割りの体験にあった大人の優しさ

もうすぐ夏休みですね

子供の頃、私は団地に住んでいました

横浜市磯子区の汐見台団地というところです

Wikipediaで調べたところ60年前に
入居が開始された団地のようです

この街の大部分が住宅団地で
私が子供の頃は、大手企業の社宅も多くありました

60年前にできたこの団地
当時としては画期的だったと思いますが
電線を地中に配線した電柱の無い街でした

私は、父親の勤める会社の社宅に住んでいましたが
10数棟あった、父の会社の社宅でも
私が住む2406棟は、とても仲の良い棟でした

子供向けの行事の一つに
夏休みの直前に行う

カレーパーティー & スイカ割り

がありました

参加は、小学生以下
ご飯をよそったお皿を持参して
担当の家庭が作ってくれたカレーをかけてもらう

小学生が学年を超え、幼稚園の子たちも一緒に
外でカレーを食べる

その後で、スイカ割りをして
割る用とは別に用意された冷えたスイカを食べる

そんな行事だったと思います

カレーを食べて、少し時間を置いたら
お待ちかねのスイカ割りです

スイカ割りは年齢の小さい子から
行っていた記憶があります

私が小学生になる前に参加した時のことです

スイカ割りの自分の番になり
カラーバット(プラスチックのバット)を持ち
目隠しをされて、その場で何回か回転させられ
準備をします
(もしかしたら回転は免除だったかも)

そして、スイカに向かって歩き始めます

「3歩前」

「1歩前」

など、大人たちが声をかけてくれます

その声の通りに進みます

そして、もうスイカに近いだろうと言う時に

「もうちょっと右」

と言われたのです

その時の私は、右と左が
すぐに判別できなかったのです

その場でまごまごしていたら
あるお父さんがこんなことを言ったのです

「イトー●ーカドーの方」

その掛け声で、私は右に体を向けることができました

イトー●ーカドーの方 とはどういう事か

それは、イトー●ーカドーに
車で買い物に行く際は
アパートから道路に出る際、右折するのです

本当にイトー●ーカドーが右側にあったのかは
知りません

でも、当時の私の認識として
イトー●ーカドーの方は右だったのです

スイカ割りをしている方向は分かった上でです

私がわかるように伝えてくれたこの言葉

私の目線で考えてくれた言葉だったんだなと
大人になって改めて気づきました

 相手がわかる表現が大切

そんなの当たり前だって思いつつ
咄嗟の場面では、

 ”相手は分かってくれているはず”

と思ってしまうこともあるなと
改めて感じています

もしも、幼稚園児の私が

「右だよ右!」

と何度も言われていたら

もしかしたら
泣き出してしまっていたかもしれません

大人になると

 ”相手は経験があるから知っているはず”

 ”一般常識だからわかるよね”

など、相手も自分と同じだと思い込んでしまう
そんなこともあるかもしれません

もしも伝わらないなら

 ”別の表現で伝えてみる”

このような対応も相手のためを思うと
大切な対応なのかなと思います

「本当に相手のために言っているのか」

改めて意識してみることが
大切なのかもしれません

P.S.
この文章を書いていて
もし、当時左に剥く必要があったら
あのお父さんはなんて言ってくれたんだろう?
と考えました

きっと
「イリクストアーの方」
と言ってくれたと思います

※ イリクストアーは街の中心部にあった
 スーパーです


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