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幸福になれる職業選択術とは?

キャリアの後悔は人生の後悔

2012年にコーネル大学が1500人の老人に「人生で最も後悔したことは?」と尋ねたところ、一番多かったのはキャリア選択への未練の言葉でした。(1)

日本の場合は「仕事を第一にしすぎた」や「働きすぎてプライベートをなくした」といった答えを返す老人が多く、仕事と生き方が密接に結びついた日本人と呼べるでしょう。

その他にも、「友人を大事にしなかった」、「自分の感情を偽って行動した」などがありましたが、職業選びの後悔には遠く及ばないそうです。

『死ぬ瞬間の5つの後悔』という本では、著書の方が多くの方を看取ってきた中で、人間の後悔は主に5つになると言われております。

1,自分に正直な人生を生きればよかった

2,働きすぎなければよかった

3,思い切って自分の気持ちを伝えればよかった

4,友人との連絡を取り続ければよかった

5,幸せをあきらめなければよかった

この5つの後悔のうち、2つ目にはそのままの職業に関する後悔がありますが、職業選択をミスると他の部分にも影響してくるとは思いませんか?

周りや親に流されてしまい、誰かの理想を演じたことで、理想の職業に就けなかったり、多忙に追われ家族や友人を犠牲にしてまで仕事に打ち込んでしまう。

そんな風に、老人たちも人生の終盤になってもなお、自らのキャリア選択を悔やみ続けていたのです。

今回は、なぜ人はキャリア選択をミスってしまうのか。自分の将来を左右する大事なことに対して、高い確率で判断を誤ってしまうのかを鈴木祐さんの『科学的な適職』とともに紹介できればと思います。

就職・転職の失敗の七割が「視野狭窄」

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「視野狭窄」とは、物事の一面しか注目できなくなり、その他の可能性を全く考えられなくなってしまうことです。

ハーバードビジネススクールが視野狭窄の4つの定番パターンを教えてくれています。

①お金に釣られる
給料アップに惹かれて転職を決め、それだけしか考えられなくなってしまう。

②逃げで職を決める
現在の仕事に不満が募り、自分の成長などのためではなく逃避するために職場を変える。

③自身がありすぎる、またはなさすぎる
自己評価がやたら高いせいでミスる、自己評価が低いせいで挑戦などをしなくなってしまう。

④下調べをしっかりしなかった
日本人にありがちですが、受け身になってしまい、「業績はどのように査定していますか?」や「仕事の裁量権はどれくらい確保されていますか?」などの質問などが聴けなかったそう。

視野狭窄の解決策はシンプルで、もっともっと仕事選びを考え抜くこと。

人間の脳は職業選択に向いていない

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人間の脳が職業選択に向いていない理由は大きく2つあるといいます。

①人類の脳には、職業を選ぶための「プログラム」が備わっていない。

これは、進化心理学的な考えにはなりますが、職業を自ら選択できるようになったのはいつの時代からでしょうか。

今でこそ当たり前に多くの人が、こんな仕事をしてみたい、将来的にはキャリアを積んで〇〇に転職したいなど、と自分自身の人生を描くことのできる世の中になりましたが、2000年前はどうでしょうか?

進化心理学では2000年前と現代の人の脳は対して変わらないとされており、2000年前の人々は職業に悩むことがあったでしょうか。

お金も無い世の中で、狩に出かけ、植物を採取し、その日の食料を得て生きていく。この時代に職業選択の有無はなかったのです。

江戸時時代には、世襲制の仕組みに従って親の仕事を継ぐしかなく、中世ヨーロッパに生まれれば、かなりの確率で農奴として一生を終えていたはずです。

人類史の大半において、人間が職業を選択する場面などは、存在しなかったのです。

「高校卒業して就職するべきか、大学に行くべきか」、「子供の頃に夢に見たミュージシャンを目指すべきか」、「子育てすることを考えると地元に戻るべきか」、「都会に住むと感染症に感染しやすいか」などなど。

このような現代的な悩みに私たちの脳は適応していないため、大量の選択肢を前にした多くは不安や混乱の感情に襲われます。

②人類の脳には、適職選びを間違った方向に導くバグが存在している。

ここでいうバグとは、偏見、思い込み、思考の歪み、不合理性など、人間の脳には生得的なエラーが存在し、大事な場面で同じような過ちを犯すようにできているそう。どうりで、皆職業選択での後悔が多いわけです。

例えば、「憧れの会社に入ったまではよかったが、時間が経つうちに『もっといい仕事があるのではないか?』と思えてきた」

どんなに夢見た仕事に就こうが、長期間にわたって同じ喜びが続くはずがありません。にも関わらず、大抵の人は夢がかなった時の感情を高く見積もります。

これらのポイントを踏まえて、初めて適職選びをできるようになるわけです。

今回紹介している「科学的な敵職」では、仕事の意思決定の制度を高め、正しいキャリアを選びとる確率を上げ、最終的に「人生の後悔」を限界まで減らすことを目的としています。

・後悔の少ない意思決定をするにはどうしたらいいのか?
・私たちに本当の喜びをもたらす働き方とは何か?
・「人生の選択」という正解のない悩みにどうやって答えを出せばいいのか?

この本で言うところの「適職」とは、幸福が最大化される仕事とされています。

後悔しやすい職業選択をしがちな人の7つの特徴

この7つの特徴には「ハッ!」となってしまう人も多いのではないでしょうか。

①好きを仕事にする
「私は人と関わるのが好きなので、ホテル業を選びました。」、「音楽が好きなので、音楽業界に就職しました。」などなど。

科学が証明したのは、自分の好きなことじゃないとでも大丈夫ということ。もっと言うと、好きを仕事にしてる人はやばいかも。。。

②給料の多さで選ぶ
皆さんもお金欲しいですよね。これは言われてみると、そんな感じしませんか。
お金って人生の幸福度に影響してくるのでしょうか?

③業界や職種で選ぶ
AI時代に伸びる業界に入る、これから伸びる業種に入る。こんな言葉よく聞きますよね。では、果たしてその未来は当たっているのでしょうか。

2020年にはオリンピックがあるから、〇〇業界が儲かるぞ!

現在2020年4月ですが、オリンピックで儲かると言われていたホテル業界などはどうでしょうか。オリンピックが中止になり、外出自粛によりバタバタ潰れていますね。

本当に未来予測ができるなら、投資家やった方が儲かりますよ。(笑)

④仕事の楽さで選ぶ
誰でもきつい仕事はしたくないですよね。しかしながら楽すぎる仕事も幸福度の低下をもたらすとわかっています。
本書では、ハードワークで体を壊す人、大量の仕事をこなすことで逆に幸せになれる人の理由について語られています。

⑤性格テストで選ぶ
今の大学生は就活期間に性格テストやっていたりするのではないでしょうか。
有名なテストが科学的に効果があるのか否か書かれております。

⑥直感で選ぶ
イスラエルの大学では「人間の直感は90%当たる」などと言われていたりします。しかしながら、職業選択の場面ではそれは果たして有効なのか。

7つの特徴をお伝えしましたが、ここまで読んでくれた方には「どうすればいいんだ、、、、、」となっているかと思います。

そんな方にオススメなのが、鈴木祐さんの「科学的適職」なのです。

果たして、適職とはいったいなんなのでしょうかね。

※参考文献



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