編集部ピックアップ『なぜか噂の大島ヒカリ料理教室』
ステキ編集部の高橋です。
さて、今週からピックアップの形態が少し変わりまして、毎週火曜日に一部作品を入れ替える形で運用していきます!
ピックアップした作品については、こちらでおすすめポイントなどを話していきますよ!
今回はこちらの作品!
塚田浩司さんの『なぜか噂の大島ヒカリ料理教室』です!
作品紹介
料理の数だけ人間ドラマがある。 大島ヒカリ料理教室は全国をさすらう料理教室。
この料理教室は、どういうわけか予約が取れないほどの人気があるのだが、これまた、どういうわけか悩んでいる人ばかりが集まる。
依頼者の悩みを講師の大島ヒカリが、料理の力で知らず知らずのうちに解決しているのかも?
(作品紹介文より引用)
料理教室が主題かと思いきや、ボクシングと和菓子がメイン?
第一章では、地方の和菓子屋さんの息子が主役。元カノがボクシング世界チャンピオンで、凱旋試合で町に戻ってくるというところから物語が始まる。
町を挙げて世界チャンピオンの応援をしているのに、主人公だけはぶすっとした感じで、なにやら未練がある様子?
料理教室がタイトルの作品の最初が、和菓子屋さんとボクシング世界チャンピオンの恋物語。というのが、まず面白い発想ですよね!
二人が別れてしまった理由も、未練が残ってしまった理由も、何だかせつない。どうにかならないかなー! とモヤモヤしているところに、現れるのが『大島ヒカリの料理教室』!
そうか! ドラえもん的な立ち位置なのか! ヒカリ先生まさかのつるつるだし! と思って魔法のような料理を期待していたら、教えてもらったモンブランはとっても美味しそう!! 美味しそうなんだけども!
二人の思い出の料理はどう考えても和菓子。でも、モンブラン教えてって言ったのは主人公だし、ヒカリ先生もそりゃモンブラン教えるわけで。
あれれ? と思っていると、ヒカリ先生、ズバッといきます。至極真っ当、かつストレートにズバッといきます。
読んでいて思いました。ヒカリ先生、良いキャラクターだ。
とにかく、ストーリーもキャラクターもとっても丁寧で面白い!
あとモンブラン食べたいです!
読みやすく、丁寧な文章が織りなす没入感
塚田浩司さんの作品は、ショートショートが多いみたい? で、私もいくつか読ませて頂きましたが、どれもプロットの骨太感があるんですよね。
この作品も比較的長編ではあるけど、その構成力が生きています。また、文章も一文が短めで癖がないため読みやすいです。
つまり、読者の思考を止めてしまうような難しい文が少ないからこそ、没入して読むことができるのかなと。
物語は、全五章に分かれていますから、まずは一章の和菓子屋の息子編を是非、読んでみてください!
作品URL
https://sutekibungei.com/novels/335a8e61-87cd-4c02-ae09-2e9c337a27fe
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