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履歴書の筆圧

今月の私の履歴書は、本当に面白かった。今月は毎日、人生でできることの幅や、感情の残し方があるのだということを感じた。今年がうるう年だったので、一日多く読めたこの文章とお別れしなければいけないことがつらい。

私の履歴書には様々なタイプのものがある。人生訓を何とか次世代に伝えようとするものや、あるメッセージをなかなか一貫しないストーリーの中で敢えて表現しようとするもの、自分に才能はないけれど色んな人に支えられてきた、といったものまで。ただ正直、毎日律儀にこれを読み通すほど、社会人の朝は余裕がない。

そのような中、今月のライフストーリーは、毎朝他の事物などどうでもいいくらい、真っ先に目に飛び込んでくる筆圧と、思いの強さがあった。

代を継がれてからの部分が本番ではある。そのあたりはぜひ、日経電子版で追っていただきたい。だが継ぐまでの、伝統と人生のはざまを描いた葛藤が本当に面白かった。上記はその始まりにある、溺れる体験。描写が強い。葛藤は、乗り越えると忘れられるようなこともままあるが、このきめの細かさで記せるほど頭の中に留まっていることに、その深さを知らされる。

こちらが一番、心に残った回。数十年も経った後に、心の動きを色っぽく描けるのは、凄い。あらゆる瞬間に何かを見つけようとする集中力と期待は、なかなかいきなり作れるものでもないので、自分にも周囲にも、そのような場を作れていけるといいな、と感じている。


#COMEMO #NIKKEI

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