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中国の新しいインターネット構想

FT報道で、ファーウェイと中国情報通信省が、先端技術活用を可能とするインターネットのプロトコル(New IPと呼ばれる)を国連の国際電気通信連合に提言したことが取り上げられています。

China and Huawei propose reinvention of the internet
https://www.ft.com/content/c78be2cf-a1a1-40b1-8ab7-904d7095e0f2

報道内では現状、ロシアとサウジアラビアが賛同を示している中で、一方で政府による細かな市民の監視を行う懸念から西側諸国の間での懸念が当然のように発生しています。インターネットの在り方について、自由で無政府的なものと、政府による規制・統制が図られるもの、という正面から異なる二つのビジョンがぶつかっています。

FTが入手したプレゼン資料では、先端技術の例としてホログラムや自動運転車、クラウド化された産業IoT、3D型コミュニケーション等が取り上げられており、現状の2030年において求められる世界から逆算した構成が必要としています。

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(出所)FT独自入手資料より抜粋

ファーウェイはNew IPは技術活用に向けた提言であり、(政府が)何か新しい統制手段を持つ方向性は一切ないとしています。一方で、民間会社のOxford Information Labsが準備中とされるレポートでは、このフレームワークがインターネットの基盤レベルにおいて人々の細かな監視を可能とすることを指摘していく見込みです。

TCP/IP等の設計は半世紀前の産物ではあり、現在の衛星が活用されたり、閉ざされたコミュニケーションネットワークとの間で、パケットを分割した通信には不都合がある旨が今回の指摘の背景にはあります。(私の素人理解では)戦争をイメージして、通信を生き残らせるための設計は、ある相手を指定して大量の通信を行うあり方とのミスマッチがありそうな連想が働きます。FT記事の最後には、New IPのプレゼン時にプレゼンターが、新しいネットワークには中央における情報遮断の機能が付される、という発言もされており、このあたりは統制と中立性という、相反する軸の中で今後も大きな議論を呼びそうです。

(これまた素人意見)このトピックは、少し前に見られた、ブロックチェーンのパブリック型/プライベート型のあり方における議論の相似形にも感じられます。ネットワークが利用者の意図通りに運用されるインセンティブ構造を何によって担保するのか、という観点もあれば、自主規制が機能しないじゃないか、という観点も含めて、単に中国の提言というよりは遥かに遠大な問いであるともいえます。

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