『その怪文書を読みましたか』考察編
【警告】ネタバレしかありません‼️
(レポ編は雰囲気が伝わる程度に抑えたので、そちらからお読み下さい。)
また、“選ばれ”てしまっても責任は取れません。
まず、100点を超える怪文書の中には今回の展示の開催意図に関わる内容と、そうでない野良の(?)怪文書があると思われます。
前者では、一連の怪文書に隠された真実が徐々に明らかにされていきます。
後者は作品として、実際に行って“味わう”のが正解の楽しみ方だと思います。
考察
①「妖精ともの会」は、怪文書を生み出す人々を探している。
今回の展示で度々登場する「妖精さん」というワード、中盤で出てきたこの団体が関係しそうです。
彼らは何度も、妖精さんだけでなく、「通訳ができる方」を探しています。
それは何故か。
渋谷のバス停に吊り下げられていたという冊子(展示13)を見ると、
つまり、怪文書を生み出すような世間的には“頭のおかしい”人々が、彼らにとっては妖精さんのお言葉を代弁してくれる「通訳」として必要な存在なのです。
事実、妖精ともの会は、怪文書を家の壁に貼り出したり、インターネットに書き込んだりした人達に当選通知を送っています。
変な貼り紙で有名だった、とある民家(以降民家さんと呼ぶ)にも
上から無理矢理、貼られていたり。
怪文書を何らかの形で発信している人に目をつけているっぽいですね…
②通訳候補の精神を崩壊させる
通訳の素質がある人々を妖精さんの声が“聞こえる”段階にまで育てあげるためには、彼らを精神的に追い詰める必要があります。
その手段として、
・郵便受けに手紙を投入する
・人(アルバイト)を家の前に立たせる
・戸を叩く
・電話をかける
といった方法が取られていると考えられます。
思い返せば、展示にはおかしな人の妄想と呼ぶにはやけに具体的な被害を訴えている怪文書が多々ありました。
また、家の前に人が立っているという被害に関して、展示15①動画では変わったアルバイトが募集されています。
・渋谷区の民家のそばに立つだけ
・中の人が気付くか150分経ったら終わり
・変装道具を渡される
→民家さんを追い詰めた人は、妖精ともの会が雇ったアルバイト??
③精神の参った候補たちは、次第に耳元で声が聞こえるようになる
展示も後半になると、しつこく続く電話によって、怪文書メーカー達が追い詰められていく様子が分かります。
展示16→民家さんが電話や声に怯えている様子
同一人物と思われる怪文書メーカー達の訴えを追っていくと、手紙から始まり→監視してくる人が現れ→電話→声が聞こえるようになる、というステップを踏んでいるように思えます。
次々起こる「怖いこと」が現実なのか、妄想なのか、第三者の我々には(もしかしたら本人にも)区別がつけられません。
④展示会はなぜ開かれた…?
怪文書の訴えが、頭のおかしな人の被害妄想ではなく、妖精ともの会が目的の為に実際に行っていたストーカー行為だとしたら…
まで考察が進むと、明るいパンフレットが余計怖いですね…
ところで、マイラボ渋谷はイベントスペースなので、備え付けのキッチンなどが一部剥き出しになっていましたね。そこに付箋が…
→この展示会の運営者の中に妖精ともの会の人間がいる…?
クライマックスです。
展示18: シェア禁止内容
→梨さんの元にも〇〇〇〇が…
その下に見覚えのあるピンクの紙が貼られている。
書いてある電話番号にかけてみました。
【この度は選ばれて下さりありがとうございましたーーーーーー(ここからは是非実際に行かれて番号を控え、聞いてみてください。“妖精さんの声”も聴けますよ)】
さて、私も彼女の声を聞いたことでが原因かもしれませんが、耳元で声が声が声が声が
あ わかった
※補足
野良の怪文書の中に、2chっぽいスレの切り抜きがあります。
これらは、妖精ともの会の人々が隣や上の部屋を抑え着実に洗脳を進めている、或いは、「おめでとうございます」と言われた時点で大分洗脳されており上の部屋の声はもはや幻聴である、と解釈できそうです。
また机の上にはぐるぐる巻きにされた電話が。
15②ビデオレターの息子・ひろのぶがこの電話の持ち主で、掛かってくる電話に怯えて使えなくしたと考えると、「最近電話に出てくれない」理由が通る!
民家さんも電話をかけてこないでくれと懇願していました。(息子=民家さんの可能性もある)
その他の関連しそうな怪文書は以下↓
展示会内での考察終わり
【答え合わせ】妖精ともの会サイト
妖精ともの会と検索すると、なかなか味わい深いフォーマットのHPが見つかりました。
あーあ。
梨さんはやっぱり会の手先になってしまったんだ!!!!
そういえば、これら全てが梨さんのコレクションなのか??と疑問でした。
2015年にscp財団に登録した梨さんが、2005年の掲示板を??年齢は明かしていないが、一人の人間が十数年集めても、これ程の数を収集出来るとは思えない。となると、本当は平成9年に発足した怪文書コレクティング集団、妖精ともの会のものなのではないか。
当たり!^ ^
また十二番さん(=民家さん?)という方が衰弱しているそうです。
つまり、今回の展示会の開催意図は、
・一般人の共感者集めと
・十二番さんの代わりとなる新たな人材の発掘
だった訳ですね。
思い返せば、展示会パンフレットや〈ごあいさつ〉において梨さんは「支離滅裂/根拠のない文を書き連ねた怪文書は、これまで人々に好奇の目を向けられたり、遠ざけられたりしてきたが、本当にそれで良いのであろうか」という内容を、下線まで付けて強調していました。
これは怪文書の生み手を変人と差別するのではなく、妖精さんの通訳としてお迎えし、その言葉に注目せよ、という妖精ともの会の“教え”と通ずるものです。
我々は入室時、いやそれ以前(展示会HPやビラで目にして)から妖精ともの会の意図通りの見方をさせられていたのかもしれない…!
冷蔵庫の付箋といい、ワークショップといい、拡散を何度もお願いされることいい、
この展示会自体が布教と発掘の手段であった
ことを裏付けます。
また、HPには候補者というページがあるので飛んでみました。
きゃっ
恐らく展示会に行って#その怪文書を読みましたかで拡散した者を候補者リストに入れており、ここからさらに18下のピンクの紙の番号に電話した者が“選ばれ”る感じですね。
私は選ばれてしまいました。こわいこわい
公式Twitterさんにも注目
さて、何回か登場するこの絵↓
机の上の人形に似てる気がする、、
妖精さんの偶像でしょうか。
なんか公式Twitterさんも追い詰められてるし。
そうそう、公式さんといえば、このツイート。
最近は家に電話をかけるとかわざわざしなくても、Airdropでイヤホンジャックできるみたいです。26年もやってると妖精ともの会も進化しますね。
細かいことですがこれも気になりました。
お手に触れないで…?お手を触れないで、では??「お手に取って」と言うことはあっても「お手に触れる」とは言わない気がするので、これは梨さんの言葉が壊れ始めているという解釈でいいのでしょうか。
感想
監視・幻聴と書かれているとその人自身が“おかしい”と決めつけてしまいがち。それを逆手に取って現実での加害を繰り返し、精神崩壊を進めていく手口に意表を突かれました。まあ、壊れた先で妖精さんの声が聴こえるのだとしたら、妖精ともの会的には神聖たる「通訳」の完成なのでしょうが。
映画『ミッドサマー』にも障害者の少年が「曇りのない目で世界を見て、お告げを絵にしてくれる」存在として大切にされていたことを思い出します。
今まであたおか面白コンテンツとして怪文書を消費してきた我々にとって、ハッとさせられる真相でしたね。
そして妖精ともの会の狙い通りsnsで拡散し、考察記事まで書き、電話して…まんまとヤバい宗教団体の布教に加担してしまいました。この「急に当事者にされる」感覚、流石梨さん!癖になる面白さでした。
まだまだ考察の余地はありそうです。折り鶴とか、怪文書ワークショップの正解とか、顔が同じ人が複数人いたり…(ご意見下さい)
皆さんも是非あの部屋に行って、ウマイ空気を吸って来てください!