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#73:思考の箍(タガ)を外す
※少し不穏当なことも書くので、心の弱り気味の方は申し訳ないですがご遠慮ください。
箍(タガ)とは、木桶の枠組みを固定する輪のことだが、イメージつくだろうか。老舗の醤油樽や味噌樽、醸造所にある木の酒樽がイメージできたら、それを固定している輪が箍だ。いや、何も箍を解説したかった訳ではないが…。
普段の思考は、ある一定の制約や前提を置いている。意識せずとも、箍を嵌めている。それは効率的かつ安全面でも理にかなっている。箍が緩むと、大概ロクなことにはならない。
但し、意図的に箍を外してみると、ある意味、思考が解き放たれる。たまに敢えて外してみることに効能があるように思う。
レベル1:逆方向
ふとした瞬間に、逆方向の電車に乗る空想はしたことがないだろうか。学生時代、もしくは、社会人になって、学校や会社に行く時など。
まあサボりたい時、何だか理由は分からぬが行きたくない時など、向かいのホームにいる自分を空想する。多くは自分のホームに電車が来た瞬間に空想が途切れるのだが。最近、そういうことすら想像しない自分は、少し箍がキツく締まり過ぎではないか、と疑ったりもする。
昔は、家の近くに新幹線の高架があり、空想では良く新幹線に乗って色んなところへ行った。在来線よりも距離もスピードも段違いなので、あっという間に遠くへ飛んでいける。
新幹線が近くに走ってると空想生活は豊かだ。
在来線だとついつい乗り換えとか、つまらないことを考えてしまう。今住んでいる駅が終点からひと駅隣であり、会社と逆方向に乗車するとすぐ終着駅についてしまい興醒めする。それに比べ、新幹線に乗車駅とか関係なくふと乗ってしまえば、日本のあらゆる所へ行ってしまう。
話は蛇行するが、とにかく今日行くべき学校や会社は忘れて飛び乗った結果、気付くとそこは金沢の温泉かもしれないし、もしくは広島のお好み焼き屋かもしれない。良い感じに緩まる。
そう考えると、リモートワークは良いようで、逆方向の電車にすら乗れない。(蛇行ついでに脱線)
それはさておき、最終的には寂れた温泉街で旅館に雇われて淡々と日々を過ごすことになる。素性を明かすこともなく、世間話もあまりしないことから少し怪しまれながらも、周りが詮索に飽きるまでただ黙々と働く。
……。そんな辺りまで存分に彷徨うと、「あーつまんない、会社行こっ」と戻ってくる。
レベル2:空中浮遊
次は宙に浮く思考実験。
まず現実路線では空飛ぶジェットスーツだ。
上記の通り、ご存知かどうかは分からないが、人はもう飛べる。タケコプターではないが、飛行機やヘリコプターがなくても良い。
このジェットスーツを身につけて、自分のマンションの屋上や近所公園から空にテイクオフ。
東京郊外の長閑な風景を満喫したら、都心に向かい、高層ビルや首都高が複雑に乱立する景色を楽しむ。物珍しいため、飛んでいるこちらを指差す人たちもいるだろうか。動画撮られたらバズるかなー。
このスーツが5000万するとか、かなりの筋トレが必要とかはとりあえず無視して飛んでいる。でもその事実が頭に入ってると、空想の入り込み方としては少しイマイチな感じになる。
しかし本当に昔は飛べた。夢の中なのか、近所や学校の周りを2〜3階の高度でゆるりと浮いていた。あの浮遊感をそのうち取り戻せるといいなーっと、タガを外してぼんやり考える。
ジェットスーツみたいなスピードは出ないものの、天気の良い春の日は昼寝しつつ、ぷかぷか空を漂うのも良い。雲に妙な親近感をもつ。
…詩人か、と呟いて我に返る。
レベル3:変身
カフカ的な話である。
もうここまで来ると、現実世界に戻る橋が既に消えかかってるかもしれない。今日これから、しっかりと日常がある人は、千尋とハクとともに現実世界の橋を戻った方が良い。
ただ虫にはあまりならない。犬や猫には比較的入りやすい。例外的に、夏の終わりの蝉になることが多い。マンションの廊下などでよく見かけるからかもしれない。
まあ自ら箍を外して、(空想内で)何らか変身することを仕掛けているので、驚きはしない。さすがに確信的に想いを馳せないと、ここまではいかない。夏の暑さのせいかもしれない。
蝉の最期は、マンションの高さから地面に落ちていく。(この辺りがちょっと具体的には話しにくいが)その急降下と陽炎で揺れる夏の空気が混ざりあって、時空が歪む。まるでカルピスの原液に、ビー玉を落としたような。
……、だいたいこれはいつも寝落ちしてる。夏の夕方、当て所もないことを思い巡らせ、寝汗をかいて起きる。妙に気怠い。
タガを緩める
だから何なのか、、。まあそう思われたとしても仕方ない。
しかし、緩んだ後の頭は意外とスッキリしていることが多い。大抵は、煮詰まった挙句、現実逃避として箍を緩めてふわふわ逃げ出すのだが、戻ってくる時、一緒にそれまでのモヤモヤを置いて帰ってくることが多い。
まあ余りに突拍子もないことまで考えるので、細かい現実を突き詰めてマジメに考えるのが馬鹿らしくはなる、からかもしれない。
あとたまに、あーこうすれば良いのかとまあまあのことを思い付くこともある。本当たまに。
長く書いたのに、あまり役立つとは思えず…。一方で随分危うい感じで、誰得感が凄いがまあ書いてしまった。夏が近いからかもしれない。
長文お読みいただきありがとうございます😭
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