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エネルギーシステムと建築との関係を考える(これまでとは変わりつつある状況)

エネルギー問題に関して、2021年現在のメインストリームは、地球の温暖化を防止するためにやらなければならない問題という認識が一般的である。

にもかかわず、将来、例えば10年後の建築業界がエネルギーに対してどんな取り組みをしているのかなど、全く想像できない。こういう領域はすごく珍しいのではないだろうか。。。。

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なぜか?

いくつか理由がありそうだが羅列してみると

①政策による影響を受ける:太陽光発電を促進するための買取制度ができると一気に世の中の流れがそちらに傾くということが起こる。

②突発のイベントへの対応が優先される:今回のCOVID-19や災害(地震や洪水など)が起こった時に、そちらの方が人命に関わるという認識があるため(実際は温暖化により長期的には人類全体の寿命にかかるのだが・・・)、エネルギー/環境対応は後回しになる。例えば、窓を開けながら、エアコンをガンガンかけるなどはそういった例になる。

③生活者や建築業者にとって、積極的にやる理由が見いだせない:儲からない、コストがかかる、けれどもやらなければならないという事なので、必要最低限のことだけしかやりたくないというモチベーションになる。これは資本主義の中では当然の話である。

これらまだまだ挙げたらキリがないが、現在の状況から大きく変わる動きには成りづらいという力学が働いているのである。つまり、将来が想像できないというのは、将来の可能性が沢山あってどうなるか分からないのではなくて、「今と変わる将来像がそもそも描けない」というのが今の状況なのである。色々妄想することはできるが、どれも誰もやりたがらないシーンなのである。。。。

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けれども、最近この状況が変わりつつあるのではないかと私は感じている。

それは生活者側の変化と、企業側の変化である。

生活者側の変化は、グレタ・トゥーンベリさんに代表される様に環境に優しくないものは買わない、使わないという人が出て来ているということである。彼女は決して特殊な人ではなくて、私の周りでも絶対にペットボトル買わないとか、ビニールパックのものも出来るだけ買わないようにしているという人が何人かいる。つまり、環境配慮したものが「売れる」時代に成りつつあるのではないかと思っている。

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また企業側の変化は、再生可能エネルギー会社やEV(電気自動車)関連会社などの株価が世界中で軒並み急騰しているということである。これは投資家が将来性をリアルに感じている証拠であり、いよいよ世の中がそちらに動き出そうとしているのではないかと思っている。

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この様に、これまで「仕方がない」「やりたくないけど」「やらなきゃ」というモチベーションだったところが、やると良いことがある、積極的にやろうという状況にまさに今成りつつあるのである。こうなると、世の中は一気に動くのではないだろうか?これまでの様に、国からの補助金を当てにしてというだけでなく、それに加えて投資マネーも入り、更には売れる様になっていくのだと思う。

そうなると、突発的なイベントに対しても、いったんエネルギー問題は置いておいてとはならない。やらざるを得ないことが2つあるから、どちらを優先するかという話になるのであって、やりたいこと(エネルギー対応)と、やらざるを得ないこと(突発的なイベント対応)はバッティングしない。やりたいことが優先されて、やらざるを得ないことをどう効率的にやるかを考えるという思考になるはずである。つまり、エネルギー対応は常にデフォルトになっていくのである。

この様な変わりつつある状況において、今まさに建築業界にもチャンスがあると思われるので、それがどんなものなのか具体的に考えていきたいと思う。


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