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脱スクラップ&ビルドに必要なことは何か?日本の勝ち筋を考える!

現在の建築業界は、新築依存で、古くなったものは廃棄され、常に新しいものが造られていくシステム(スクラップ&ビルド)がベースとなり、それらに強みをもち、得意とするステークホルダーによって構成されている。

SDGsの視点から、ここを変えていく必要があるのだが、その兆しは一向に見えてこないという状況である。

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どうしたら、このどうにもならない状況を変えていけるのだろうか?

また、どうすれば変えていけるのだろうか?

本気で考えなければならない時期に来ている。

このスクラップ&ビルドではない世界というのは、どの様なものなのか?

このイメージが実は具体的に描けていない!これこそが最大の課題である!

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では、この世界はどんなものなのか?

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※ここから妄想入ります・・・

まず建物の構造については何百年も持つシステムにすべきだと思っている。

50年(一応、100年というモノもあるが)しか! 持たないから、目に見えて劣化が進行していくし、近い将来でいつかは価値がゼロになるという計算になり、売るときの方が大幅に価値が減少してしまう。

しかし

これが何百年も持つというのであれば話は変わってくる!

何百年も持つものが、20年使われた時に売り出されたら、価格はいくらになるのか?新築時と変わらない価値を感じてくれる人は沢山いるはずだし、インフレしていたりしたら価格は上がることにもなるだろう。

長持ちするものなので、購入時の価格は今よりも高くなるかもしれないが、買う側の心理としたら、費やしたお金が無駄にならないので、今よりもハードルが下がるのではないだろうか。

そして、間取りは、何百年の使用を想定して、どの様な人が住んでも、どんな使い方でも出来るような汎用的なものになる。もしくは、その様な変化に容易に対応できるフレキシブルなシステムの導入が必要になってくる。

そこに住む人は、ずっと同じ場所に住みながら、ライフスタイルの変化(例えば家族が増えたり、減ったり、そこで商いをする様になったり、体が不自由になったり)に合わせて住まいを上手く使いこなしていくことになるだろう。もしくは、その時の自分の暮らし方にあった住まいを、地域の中から探して住み替えるといったことが可能になっている。

そして、この先何百年もそこに存在し続けることが前提となるので、個々の建物がバラバラのデザインで建てられてしまうことを防がなければならないので、現在では考えられないくらいの超々長期ビジョンで都市計画をデザインしなければならなくなる。恐らく、その地域の土地や気候や人々の気質や文化などを鑑みて最適なものを考えていくことになるであろう。

その土地に昔から存在する建物や街づくりにかなり近いものにはなると思うが、それに現在の制約条件(例えば、人口構成や交通網や商工業地域など)を加味して多少のアレンジがされたものになるのではないかと思う。

これは私の妄想ではあるが、この様な世界観(vidion)を描くことが、スクラップ&ビルドからの脱却には必要となる。

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そして、これを実現するには、多様なステークホルダーが自らを変えていく、もしくは革新を起こしていく必要があると考えている。

例えば、マテリアルに関わるステークホルダー(材料メーカーや設備・機器メーカーなど)。これまでは10〜50年使えれば良いと考えていたのが、永久に使えるものが求められる。1年中完走している地中海沿岸や砂漠地域であれば石や煉瓦で良いが、ここは温暖多湿の日本である。そこで何百年も持つものとは何なのか?「木」が有力だが、単に木を使うのなら今と変わらない。奈良時代の木造建築物が残っているのは、構造材が風通しが良いところにあり、更に炭などによる被覆により虫や菌を寄せ付けないという条件があったからである。過去の建築を同じ手法で長持ちさせるのか、それとも全く異なるやり方で、テクノロジーの力を借りて、半永久な構造を成立させるのか、ここに革新が必要になる。

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またデザインに関わる建築会社(ゼネコンやハウスメーカーなど)にも革新が求められる。例えば、木造住宅を、これまでのやり方で作っていては、長く見積もって100年しか持たない。現在とは比較にならないくらいの構造体の不朽性能が求められる。けれども、現在は室内で圧倒的に湿度が高い(つまり快適な)暮らしをしている。この快適性を維持しながら、この湿度が構造部には影響を与えず、逆に構想部は常に乾燥しているという状態を作らなければならない。例えば、外部構造体は現し(あらわし)にして、その中に水分を逃がさない閉鎖空間を作る(いわば house in house)など、現在とは全く異なる建築デザインが必要になる。それ以外にも、接着剤は使って良いのか、釘は使って良いのか、プラスチックは良いのか、など先のマテリアル側とも連携しながら、最適システムを作っていく必要があるだろう。

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そして、社会システムに関しても、現在のシステムを大きく変革しなければならない。これは法規を含む行政側のシステムの話であり、ここが一番重要である。けれども、行政側はある程度の見込みがないと動き出せない。(本当は真っ先に目標を示してもらいところではあるが、この件では特に難しいだろう)

つまり、先の2つのステークホルダーが、何百年も存在し続けるスクラップ&ビルド不要な建物のモデルケースを生み出し、行政側を納得させることが出来れば、彼らは動き始めることができるようになる(と期待したい)。

これらにより

脱スクラップ&ビルドを目指して、あらゆるステークホルダーが一体となって、日本の新たな建築システムの構築が実現されることになる!

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そして

最後にそこに生活する私たちの価値観が変わっていく。建築とは一度立てたら未来永劫存在するものだ、価値は落ちずに物価と共にどんどん上がっていく。自分の生活に合わなくなったら、中を少し変えたり、近くに住み替えていこう。街は地域ごとに特色があり、いろんな街に出かけることが楽しくなる。こんな世界が実現できたら、なんて素敵なんだろうと勝手にワクワクしてしまう。

是非とも、このキッカケとなる活動を始めて行けたらと強く願っている!

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