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かけっこで、道を譲っていた
小学2、3年生くらいの時、運動会に応援に来た家族や親戚が、かけっこから戻ったわたしを笑いながら迎えた。
あんた、競争なのになにやってんのー?頑張って追い越されないようにしなさいよー笑
何に笑われてるのかピンとこないまま、何となく自分は何かしら変な事をしたんだろうと思い、えへへ、と適当に返事をした。
みんながかけっこのトラックでもみくちゃになった時、わたしはそれに耐えられず、前には出ずに道を譲ってビリになった。
ただ単に足が遅いだけでなく、はいどうぞわたしは1抜けますというような雰囲気でその塊から抜け出したのが、どうやら可笑しかったらしい。
その日からなのか、元々の性格なのか、それを指摘された事がキッカケなのか、今となっては分からないが、わたしは競争がとても苦手だ。
わたしは何も得意なことが無いので、負けるのが分かっているし、そもそも誰かに敵意を向けるのも向けられるのも苦痛だし、ライバルと呼べる人も今までいた事がない。
土俵に上がるのを避けている。チャレンジ精神も皆無。負けるが勝ち。いや、勝たなくてもいいけど。
そんな感じで生きているのに、もうすでに最下位に何の不満もなく(というか諦めて)鎮座しているというのに、こんなわたし相手にわざわざ勝ちにくる人が居る。
普段は自分が底辺に居ることを忘れていられるのに、負かしに来ようとする人がいると、自分のポジションを思い出してしまうので、とても辛い。
諦めてるとかいう割には、しっかり気持ちを乱されてしまうのだ。情けない。
わたしはわたしよ、という様な強さも持ち合わせていない。
天は二物を与えず、というが、きっと神さまは、うっかりわたしにはひとつも与えないまま世に出してしまったに違いない。
放って置いて、負けでいいから。もうダメなやつだって知ってるから。やめて、思い知らせないで。わたしごときに戦い挑んでも、得るもの無いよ。必死でそのオーラを出して、サンドバッグになっても、まだ許してもらえない。
やり返さないから、ダメなのかな。だからずっとターゲットにされ続けるのかな。わたしに勝って、一瞬いい気分になれるから。
時々思う。もしかしたら、わたしは誰よりも負けず嫌いで、完璧主義で、勝つ事が全てで、参加する事に意義がある、なんて到底思えなくて、野心の塊なんじゃないか、って。
勝てない事実を突きつけられる事を何よりも恐れているせいで、スタートラインに立つ事を拒否し続けて来たんじゃないか、って。
今日もその事に気付かないフリをして、人並みに出来そうな事も、頭1つ抜けてないと意味ないからとすぐに諦めて、何にも挑戦しない。何も持っていない自分で居る方が楽だから。
そんな深層心理が、実はあるんじゃないか、って。
……。
なーんてね!
そんなに難しいこと考えられる頭も持っていないんです。ハナホジ。
下界で飲むインスタントコーヒーが、今日も美味しいなぁ。