従業員参加のコーポレートガバナンス?!~改訂版G20/OECD コーポレート・ガバナンス原則を読んでみました①
日経ビジネス(web)に載っていた松田 千恵子先生の記事で、「G20/OECDコーポレートガバナンス原則」の改訂があったことを知りました。
企業統治分野における唯一の国際基準(注1)であり、今回は約10 年ぶりの改訂。改訂の主なポイントは、「サステナビリティとレジリエンス」について新たな章を設けた点なのだそうです。
これは気になる…!
ということで、さっそくOECDのホームページで原文を読んでみました。
新設の第6章「VI. Sustainability and resilience」のポイントはおおむね松田先生が挙げられた通りなのですが、ステークホルダーとの関係について言及している「VI.D.」の中で
VI.D.3. Mechanisms for employee participation should be permitted to develop.
が個人的に気になりました。
コーポレートガバナンスへの「従業員参加(employee participation)」の仕組みが発展するよう認めるべきである、という提言、これは斬新です…!
従業員参加の仕組みの例としては、
取締役会への従業員代表の参加(employee representation on boards)
従業員評議会のような、特定の重要な決定において従業員の視点を考慮する仕組み(governance processes such as works councils that consider employee viewpoints in certain key decisions)
の2点が挙げられていました。
私自身はこれって斬新!と思ってしまったのですが、OECDはそんなことないよ、と説明しています。
国際条約だって国内規範だって、従業員の情報提供、協議、交渉の権利を認めているじゃないかと。ああ、確かに…。
改訂版G20/OECD コーポレート・ガバナンス原則、まだ他の部分は読むことができていないので、引き続き読んでいき、何か面白い(?)ことがあればまたご報告しますね!
以上、サステナビリティ分野のnote更新1000日連続への挑戦・52日目(Day52) でした。また明日も更新頑張ります!
(注1)出典:金融庁 総合政策局 総務課 国際室 国際企画調整官 深見 健太
課長補佐 金江 麻耶「G20/OECD コーポレート・ガバナンス原則の改訂ポイント」(2023.10.10 金融財政事情 掲載)