911手記【追悼日を今年も迎えて: (21年目)】#911は終わっていない
911手記【追悼日を今年も迎えて: (21年目)】#911は終わっていない. /////. ーー 21年前の朝、オフィス(ジェトロ)への出勤準備をしながら、NY1 Newsから流れた映像に「あれ？ツインで事故？えー？あの細い棟に飛行機がぶつかった？」最初はそんな驚きだった。
● 1 機目の飛行機が、8:46AMにWTC北棟に、そのあと17分後の9:03AMに、2機目がWTC南棟に突っ込んだ。この時点で直感的に「ただの事故ではない」胸騒ぎを覚える。
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今年も・・２本の青い光棟(トリビュート・イン・ライト)が天を照らす追悼日。(あの日のことを忘れてはいけない記憶として綴ります)
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【現在の感想・補足】
911は、とても悲惨なテロでしたが、今もその負の連鎖が続いている。昨年のアフガン事実、そして今年2022年は、ロシアのウクライナ侵攻という戦争が起こっている。
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現在のNYグランド・ゼロは当時の飛散(悲惨)さはなく、綺麗に復興している。
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アメリカの底チカラ(ＮＹ911跡地復興）、当時のツインタワー(WTC)に代わる、ワンワールドトレードセンターも記念館も建設されている。
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今、このWTCテロ事件を悲惨な記憶として、ただ悲しむということではなく、誰を咎めるということに焦点をあてるということではなく、もっと隣人や出逢った人に対して、「思いやりに満ちた世界平和」とは何か、
貴方の隣にいる人が誰であれ、愛と慈悲をもって接することができているか、人としての心の大切さに気付いているか、
「「人」その人 個人が、問題でどう悪いのではなく、現在こういう経済構造と社会環境を作った人間の驕りと歪み。
そういうことをこの21年前の米国同時多発テロ事件から感じ取って欲しいということを・・・次世代にも気付いてほしいと願う2022年。
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・2022年2月末: ロシアがウクライナ侵攻
・この戦争はまだ7ヶ月経った今でも続いている
♯2021年8月: タリバンがアフガニスタンを制圧
♯911の戦いは終わっていなかった。
♯911は終わっていない
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●【911手記】
21年前の2001年9月11日の空は、秋晴れの雲一つない綺麗な青空だった。そんなことを今でもとてもよく覚えてる。
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あの日の朝、妙な胸騒ぎを覚えながら通常通りオフィス(NYロックフェラービルの44階)に出勤。
すぐに、南側ダウンタウンが全望できるオフィス大窓にWTC棟の様子を見に行ったら、所内の職員全員が集まって涙ながらにダウンタウンのWTCワールドトレードセンターを見ていた。。。
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JETRO内オフィスの電話は鳴りっぱなし。
日本の各報道メディア局からの電話問い合わせで 事実確認とWTCに入ってる日系企業のリストがほしいという問い合わせが多数だった。。
(NY日本総領事館と共にその対応に追われた朝)
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当時まだロックフェラービル(49th st & 6th Avenue) にあったジェトロNYのオフィス(ダウンタウン側)の窓から、崩れていくＮＹ世界ワールドトレードセンター(双子・北棟南棟)を何もできずに見ながら・・・
ラジオから当時のブッシュ大統領の「テロ」という声明をただただ聞いていた朝。
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あの911の翌日から1か月間以上、
在ＮＹ日本総領事館と協働で、ＮＹヒルトンホテルの会議室を貸切り、日本人の1人1人の生存＆安否確認を開始した。
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日夜24時間の交代勤務体制で職員が総出勤で行方不明になった日本人の消息確認を追いかけていた。
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「どうしたらいいの？」と対策本部ホットラインに泣きながら 電話をしてきてくれる日本人が後を絶たず、1日中24時間、電話が鳴っていた。
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今ではもう21年前の記憶になるけれど、あの１か月間は忘れられない日となった。
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●無力感：
【米国多発テロ日本政府対策NY本部として (領事館/JETRO)】
電話を取るなり怒鳴りつけてくる人もいた。
不安げに心配でイライラするどうしようもない気持ちを、ただ誰にでも良いから、ぶつけたいのだろうと思われる感情だけが、ただ電話の向こうから伝わってきた。
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WTCの周辺ダウンタウンにあったお店を一瞬になくした人、
家族が見つからない人、
全部無くしてこれからどうしたらいいのかと泣く人、
ただただ、何かにいら立ちと不安を感じて怒る人、
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いろいろな人たちの悲怒の感情を電話口で受け取りながら、受け取る自分も返す言葉なく涙していた。
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電話の向こうの声に静かに相槌を打ちながら、ずっと相手の高ぶった感情がおさまるまで、相手の話にただ同調し聞き続ける。
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しばらくすると電話の向こうの人の気持ちもようやく落ち着いてくる。
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そして最後にはお礼を言われる。
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「誰にこの感情をぶつけていいのか分からない。聞いてくれてありがとう。大変ですね、お疲れさまです」と。
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「あの日」から1カ月以上、そんな毎日の繰り返したった。
どうしようもなく無力感に襲われ続ける毎日だった。
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●こうした知らない人との電話でのやりとりが1か月間ほど続いいてた。
受け取る側の私達にも日々の疲労感と焦燥感が増していく。
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行方不明になった全員の日本人の安否を確認することは不可能だった。
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特に当時のWTC85階にオフィスのあった旧富士銀行の方々。。12名の犠牲者。
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ビルの中にいた当時の旧富士銀行の行員の方の中には、飛行機が突っ込んだことがテロだと知らずに(WTCビル内での情報が遮断されていたため事態をキャッチできずに）、オフィスに戻った行員の方もいた。
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その中の1人は、以前にジェトロに来訪されミーティングでお会いした方だった。
後で聞いたところ、その方は、残っている社員がいないかどうか、確認するために、わざわざオフィスに戻ったという。とても責任感の強い人だった。
涙ながらに訃報を受け取った。
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行方不明になった旧富士銀行の人達をはじめ、WTCにいた方は消息すら分からずじまい。。。
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そして、飛行機がWTCを直撃してから 実際に北棟と南棟のツインタワーが倒壊するまでわずか １時間～1時間半。
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タワーは横や斜めに倒壊すのではなく、上から縦(下)に真っ直ぐに沈むように崩れていったのも良く覚えている。
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そして、21年たった今でも・・・
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この日のマンハッタン内でダウンタウンからの煙がミッドタウンまで流れてきて、モノが燃える匂いが充満してたのを・・・思い出す。
モノがタイヤのゴムが燃える匂いが一番記憶に残っている。
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この日の街中に鳴り響いたサイレンの音よりも、街中のモノが燃える 「きな臭い匂い」がとても思い出される。。。
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鉄鋼やゴムの燃える匂いが蔓延していた街。
***最後に*********
●あの日、電話で会話したお爺さんの声をいつも思い出す
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あの時、電話でお孫さんのご心配をされたご年配のお爺さんは、もう亡くなられているのかもしれない。。。
あれからのお爺さんの人生が穏やかだったことを願いつつ。
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それぞれにこの21年を経て、新たに幸せな毎日を過ごしていることを祈る毎年2022年の今日911。
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●今は
同じ場所に ワンワールドトレードセンター一棟と911記念館が建てられている。
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私はまだあの崩れる 瞬間を思い出す「WTC跡地に建てられた911の記念館」の中に入れていない。
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無意識だけど避けてるのかもしれない。
当日のことを思い出して、電話の向こうで泣きながら怒っていた人達の声を思い出す。やり切れなくなる。
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写真・・・
① 今日＝毎年911ＮＹは、青い2本の光(トリビュート・イン・ライト)を天に向けて追悼式典を行う
(朝からライブTV報道されています)
② 当時の ２本のツインワールドトレードセンター
③ 同じ場所に復興再建した ワンワールドトレードセンターと911記念館
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あの日を経験した人達は、決してあの街中に鳴り響いていた消防車サイレンの音とゴムの燃える匂いを忘れない。
だからもう毎年同じ手記になるけど、この日に繰り返し伝えている当時の記憶。
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それぞれがそれぞれの場所で、経験した911の当日。21年経った今でも、それぞれの思いで過ごしてると思う朝。
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目を逸らさず、封印せず 次世代に伝えていかなければならないという気持ちになる今日。
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●「負の連鎖は怒りを伝播する」
そして ９１１が発端となって昨年にアフガニスタン紛争が勃発。
2021/8/15 :タリバン勢力に屈したアフガニスタン民主政府が事実上 崩壊。
タリバンがアフガンを掌握し、政権を樹立すると宣言。
この21年 アメリカは何をやっていたのか？！
今 アフガンに残された女性や子供達が今、この瞬間にも、さらに貧困化し食べ物もなく、食糧危機に陥っている。
アメリカは 21年かけて アフガニスタンに報復したのか？
負の連鎖を引き起こす。
そして
2022年2月には ロシアによるウクライナ侵攻(戦争)。まだ9月の今でも続いている。
いつまで争いを続けるのか？！
これこそ「お金中心の資本主義構造」の歪みではないか。「人間ファースト幸福主義のプラスサム資本構造」へのアップサイクル移行に進めるのはいつか？！
歴史をきちんと伝えなければ、また風化した頃に「911の悲劇」が起こる。
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どうか今あなたの前にいる繋がって生きている人を大切に。
「生まれてきてくれてありがとう」
「出逢ってくれてありがとう」と言葉で伝えてあげてください。
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今日が、今が、当たり前の毎日ではないことを気づくという瞬間に・・
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「生きていることに感謝する」
「生かされていることに感謝し、そして世界で何がおこっているのか、自分に何ができるか考える」
を伝えていければと思います。
亡くなった知人友人のご冥福を祈ります。
ご遺族の方々と共に黙祷を捧げます。
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NY同時多発テロの日をマンハッタンで経験した者としての「あの日の手記」長文を、最後まで読んで下さってありがとうございました。
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PS：元気かな
911の朝、同じ空の向こうに思いを飛ばしてみた。
昨年のコロナから今も生きていてくれてありがとう。
Always love you.
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