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「集う」リレーコラム① - 小林やばこ -

今月のテーマは「集う」。
なかなか難しいテーマだ。

人は基本的に集って生きている。会社もそうだし、家族もそうだし、友達も、コミュニティも、地域もそうだ。だからいろんなものが当てはまる、とても広いテーマ。

何を書こうか迷っていた中で、ふと浮かんできた人がいる。それは広告代理店時代の大好きな元上司、「集」という字が名前に入っている集田さん(仮)だ。

初めて会ったのは営業からマーケティングに移ったころで、入社してあまり時間も経っていないころだ。集田さんはデザイナーだったので、一緒に仕事をするまでは部署も違ったし、名前に「集まる」という字が入っているのは珍しいなという程度。あんまり仕事の実績も知らなくて、いつもニコニコしている方という印象だった。

ただ初めて一緒に仕事をした時、ガラリと変わった。

うーん、この言葉は美しくないよね。
この戦略めちゃくちゃ美しいじゃない!

集田さんはよく「美しい」という言葉を使った。

デザイナーでもあったので、広告のデザインに対して美しいという言葉を使うのはわかるのだけれど、言葉や戦略といったビジュアルではないものに対して、本気で美しいとい言葉を使っている人を生で見て、衝撃を受けた記憶がある。

そして、集田さんは部下からものすごい慕われている人だった。特に褒めて伸ばすのがとても上手かった。まずはその広い懐で提案を受け止める。その上でこの方がいいんじゃないか、という逆提案をしてくれる。

体育会系のような会社だったからこそ、まるで海外の人と話しているかのような気持ち良さがあって、働くのがとても楽しかった。信頼とはこうやって作るんだなと学んだ。

僕は再び集田さんと働くことはなく辞めてしまったのだけれど、その後、僕の親しい人たちは集田さんの部に集まっていった。非常に生き生きとしているのがFacebookからも伝わってきて、それだけは今でもちょっと羨ましい。

集まるとは「人々がある目的をもってある場所に集まる」ことだ。集田さんはこの人と一緒にいたいなと思わせてくれる、つまりは集まる目的として存在できている数少ない人だなと思う。

自分が上司になった時、集田さんのようにいられるか、人が集まる人でいられるか、きっと心の片隅で考え続けてしまうだろう。

それが僕にとっての一番の「集う」の思い出である。

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最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。次週は副部長のサチコさんのコラムです!また引き続き、ご愛読くださると嬉しいです。

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