[気候変動]要約:地球の未来のため僕が決断したこと
おはようございます!susken(@sustaina_ken)です。
マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏が書いた気候変動に関する本です。書店で何気なく目に止まり、読み始めたのですが、気候変動に興味のある方、関わる方なら必読の一冊だと思いましたので、今回は本書の要約をさせていただきます。
■こんな方にオススメ!
気候変動に関心を持ち始めたが何から調べていいかわからない方
気候変動問題の今をファクトベースで理解されたい方
気候変動問題への具体的な対策について本気で考えたい方
■本書を推す理由
本書は、ビル・ゲイツ氏が本気で気候変動問題を解決するために書いた提案書のような本である
多くの専門家に話を聞き、まとめられた本書は気候変動の現状をファクトから多面的に分析し状況整理している
ファクトをもとにしながら、科学技術を駆使してどのようにしたら解決出来るか考え抜かれている
科学技術を土台にしながらも専門的すぎない平易な言葉で書かれている稀有な本である
気候変動問題を解決するために予め知っておいてほしいことをわかりやすくまとめている
私は学生時代から気候変動に関心があったため、気候変動に関する色々な本を読みましたが、その多くの本は科学者が書いているため、読むだけで疲れていました。読み終えたけど、わかったことは全体のほんの一部ということも多々ありました。
しかし、本書は技術者でもありビジネスマンでもあるビル・ゲイツ氏が書いたからなのか、最新の研究結果をわかりやすくまとめ、自分ごとにしやすいように噛み砕き、本書を通じて読者がどんなアクションをしてほしいかまで、本当にわかりやすくまとまっています。
ですので、気候変動の今を知る意味で素晴らしい良書だと思います!
今回は、本書の中から第3章の”気候について論じるときの五つの問い”をピックアップします。多くの学びが得られること間違いないので、興味を持たれた方は是非、手にとって見てください!
■気候について論じるときの五つの問い
ビル・ゲイツ氏が整理した気候について考える際の問いは以下の5つです。
510億トンのうちのどれだけなのか
セメントはどうするつもりか
どれだけの電力なのか
どれだけの空間が必要か
費用はいくらかかるのか
■詳細
□510億トンのうちのどれだけなのか
510億トンとは、地球の大気中に増える温室効果ガスの総量です。
気候変動の話になると、その話ごとに異なる表現が用いられることに気づくと思います。例えば、「このプロジェクトによる二酸化炭素排出量の削減は、東京都1週間分の電力消費に伴う二酸化炭素排出量に匹敵します」と言われたり、「東京ドーム10個分の植林と同じ効果です」と言われても、『???』となってしまうわけです。
イメージしてもらいやすくするためにしているのだと思いますが、結果として相対的な比較が困難になってしまっています。
そこで、510億トンを用います。
分母として510億トンを固定することで、異なるアクションの話であっても『今の話は510億トンの0.1%相当の話か』と相対評価が出来るようになります。
□セメントはどうするつもりか
この問いの意味は、電気や自動車といったイメージの湧きやすい原因だけに目を向けるのではなく、”排出量の多い主要な活動を包括的に削減できる手法を考えよう”というメッセージです。
本書では主要な活動5つを次のようにまとめています。
電気自動車に乗り換えても、その電源が石炭火力をベースにしているとせっかくの効果が薄れてしまいます。この問いを持つことで常に包括的な視点を取り戻すことが出来ます。
□どれだけの電力なのか
電気について考えるときに用いる問いです。本書ではその参考値として次の5つの指標を用意してくれています。
上記指標があれば電力供給の何%を満たす量の話をしているのか大まかに把握することが出来るようになります。
(ちなみに、本書では自然エネルギーのデメリットである供給の不安定さについても言及しています。自然エネルギーをもとにする場合、最大発電量の30%として考えるのが良いと述べています。)
□どれだけの空間が必要か
自然エネルギーを確保して結果、あたり一面、太陽光パネル。。となる将来に納得できるでしょうか。この問題に関連する話が電力を得るために必要な面積という考えです。本書では参考値として次の6つの指標を提示しています。
私自身もエネルギーの話になると一足飛びに自然エネルギーのことを考えていたのですが、ここまでの発電容量に違いがあることを知ると今まで化石燃料や原子力に頼っていた理由も納得してしましいました(さらに化石燃料であれば安価)。ただ、そこで思考停止しては意味がないので、この現状を踏まえてどうするかを考える必要があるという意味で大変重要な指標だと思いました。
□費用はいくらかかるのか
本書では、
グリーン・プレミアム=(環境負荷の0または少ない技術にかかる費用)ー(従来の環境負荷の技術にかかる費用)
と定義し、このグリーン・プレミアムをベースに議論をしてほしい。と提案しています。
さらに本書では、このグリーン・プレミアムを活用方法にも言及しています。最も優先順位の高いことは、”グリーン・プレミアムが少ないまたは0以下のもの”。これは価格以外が障壁になっている可能性が高いので、その障壁を調べて対応していくと良いと述べています。
一方でグリーン・プレミアムが高すぎるところは、研究開発資金・投資家・発明家を割り振りイノベーションを促すことを提案しています。
いかがでしたでしょうか。
上記内容は12章あるうちの重要な1章を中心に記載しました。正直、私はこの内容だけでも本書を買ってよかったと思います。しかし、これと同じくらいの情報量がその他11章もあります(笑)
なんとなく本書をオススメする理由が伝わったでしょうか(^o^;
(ちなみに11章のうち5章は上記5つの問いの詳細です)
たまたま手にとった一人ではありますが、気候変動に関心を持っている人も持っていない人も昨日と異なる一歩になれたら幸いです。
長文を読んでいただき有難うございました。
ではでは本日も素敵な一日になりますように。
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