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クロード・モネ 晩年の《睡蓮の池》 〜 アートの聖地巡礼(米国とフランス)
米国のアートの聖地のひとつ、シカゴ美術研究所で「もう一度みたい作品」の中で、クロード・モネの名品を紹介している。
今日は、《睡蓮の池》(1917-19)。
モネは、二度目の妻と長男を失った悲しみや、目の病(白内障といわれている)で失意の底にいた。しかも時は、第一次世界大戦(1914- 1918)。
それでも、この頃(1915年)から、モネは、最後の力を振り絞って、自宅にスタジオを建て、庭を改造し、現在フランス・パリにあるオランジェリー美術館に所蔵されている《睡蓮》の大作(1915−1926)に挑む。そして、このプロジェクトの過程で、制作された小さな作品群19点中の1点がこのシカゴ美術研究所所蔵の《睡蓮の池》だ(*1)。
正直いって、池全体に緑の藻がかかっているようだ。藻の向こう側に見える睡蓮の池が、いつものモネの色彩だ。色と光を操る魔術師のようだったモネ。辛かったと思う。ところが、モネは、これで終わらない。
このシカゴ美術研究所所蔵の《睡蓮の池》をみていると、パリのオランジェリー美術館の壁一面のモネの《睡蓮》を思い出し、モネが、あの大作を描き上げたことが奇跡のように思えてくる(*2)。
途中、目の治療の効果もあったのかもしれないが、それでもモネがどんな思いで、あの別世界のような空間を作り上げたのか、もう一度パリへ行って、モネの《睡蓮》の前で想像してみたい。
そんなことを、またシカゴで思ってみたいなと思う一品。
NOTE:
*1.シカゴ美術研究所所蔵、クロード・モネ《睡蓮の池》(1917-19)の参考資料及び画像は、シカゴ美術研究所の以下の公式サイトより引用。同作品は、クリエイティブ・コモンズ・ゼロ(CC0)の作品。
*2.フランス・パリ、オランジェリー美術館の以下の公式サイトで、モネの《睡蓮》のヴァーチャルツアーが出来る。仏版と英語版は、こちら(文字化けしている場合、お許しを)。
ご参考までに。