行動(アクション)を起こさせる必要性【VTuberで学ぶマーケティング論】
ども。WEBマーケターのスシテンコ(@sushitenko)です。
今回の【VTuberで学ぶマーケティング論】では「集めた人に行動を起こさせる必要性」について、解説していこうかと思います。
前回の記事では「人が集まれば価値が生まれる」ことを紹介しました。
しかし、価値を生み出すには集めた人に行動を起こさせる必要があります。
実は、単に人を集めるだけでは、意味がないのです。
「人を集めているだけの状態」というのは、わかりやすく例えるなら「駅前の有名チェーンのコンビニに、何も商品が置いてない」ようなもの。
商品が置いてない駅前のコンビニ、どんなに立地が良くても、わざわざ入りたいとは思いませんよね?
マーケティングで成果を出している企業、あるいは個人は、すべからく「人を集めた後に行動を起こさせる仕掛け」を用意しています。
コンビニであれば、レジを置いて清算する場所を設けたり、棚に商品を並べて値札をつけるなど…。
読者の中に「そんなこと、当たり前じゃないの?」と思った方、いませんか?
実はこれ、どこのお店もやっている「当たり前の営業努力」であって、やらなければ商品が売れなくなってしまうのです。
(「清算場所がないので購入手続きが出来ない」「値段がわからないので消費者側が購入に踏み切れない」などの理由により)
しかし悲しいことに、マーケティングの基本を知らない人は、そんな”当たり前”のことに気づけずに、集めた人に行動を起こさせることなく機会を逃しています。
VTuberで考えてみましょう。
フォローしてもらえたにも関わらず「何をしている人なのか?」「どんな情報を発信しているのか?」「どこで活動しているのか?」などの「行動につなげるための仕掛け」がなければ、フォロワー数がどれだけ増えても価値は生まれないのです。
そんなわけで、今回の【VTuberで学ぶマーケティング論】は「集めた人に行動(アクション)を起こさせる必要性」について、解説してまいります。
人を集めた後に行動を起こさせる必要性とは?
前回の記事では、ざっくりと「とりあえず人を集めればどうにかなる=集客」についてご紹介してきました。
※前回の記事を読まれていない方は、以下の記事を読めばより一層今回の記事の理解が深まるはずですので、ご一読ください。
「人を集めればどうにかなる!」というのは事実ではありますが、実際のところは「人を集める”だけ”ではどうにもならない」のも、また一つの事実です。
今回の記事でテーマに掲げている通り「集めた人に行動を起こさせる」ことが必要になるのです。
これを現在のVTuber界の状況で考えてみましょう。
現在、VTuber界で「人を集めている」コンテンツは、おおむね以下の通り。
・2016年に登場したパイオニアVTuber|キズナアイ、VTuber四天王など
・企業勢VTuber|いわゆる「箱推し」に期待できる専属VTuber
・物申す系・ゴシップ系VTuber|炎上・トレンドネタは数字を集めやすい
※上記に該当しないVTuberでも人を集めているコンテンツはたくさんありますが、とくに目に見えて数字の伸びやすいVTuberを重点的に紹介。
これらのコンテンツは、2016年以降のVTuberバブルの追い風もあり「とりあえず人を集める=チャンネル登録者数やツイッターフォロワー数を増やす」という戦略では、大成功を納めています。
一方で、VTuberの目的として「楽しんでもらう」「自動広告や投げ銭機能で収益を得る」以上のものがなかったため、現状では頭打ち感が漂っているのも、無視できない事実でしょう。
(じゃなければ、無名の人間が書いた「VTuberに対する絶望と失望|私がVTuberを始めた理由と今後の方針」なんて記事は、まずバズらなかったはず)
行動を起こしてもらうためのステップを意識しよう
前項では「集めた人に行動を起こさせる必要」について紹介してきました。
ですが、多くの方は「”行動”とは具体的に何?」と思われているはずです。
マーケティングにおいては「商品(サービス)を売る=お金を稼ぐ」が「集めた人に起こさせたい行動」に設定されます。
では、集めた人に対していきなり物を売りつければいいかと言えば、そういう話でもないのです。
VTuberで考えてみましょう。
たとえば、いきなりキズナアイが脈絡もなく関係のない商品を売り出したり、VTuberの動画を見ている時にまったく興味がない広告が表示されても、多くの人はその広告に関心を持つどころか、その広告にネガティブな印象を持つこともあることでしょう。
そのため、マーケティングにおいては「集めた人に行動を起こしてもらうために、いくつかのステップを踏んでもらう」のが鉄則です。
これは、マーケティング(販売)・広告業界では当たり前に知られている原則ですが、会社の規模や事業内容によっては各ステップが分散されていることも多いため、一部の業務範囲にしか関わっていない人も多いのではないでしょうか。
そのため、マーケティングを体系的に理解して「自分が今、どのステップに関わっているか?」を知っておくことで、仕事や作業内容の目的をより理解することが大事になって来るわけです。
極論を言えば、この「集めた人に行動を促すためのステップづくり」が、マーケティングの真骨頂であり、実力を試される部分でもあります。
(実は「人を集める”だけ”」なら、比較的簡単に出来るので…)
このステップづくりは、それぞれの置かれた状況や目的、売りたいもの、知って欲しいサービスなどにより、具体的な方法も正解も変わってきます。
つまり「誰でもすぐに実践できて、同じ効果の得られる知識(=マニュアル)」が、マーケティング職には存在しないのです。
ただ、おおむね「どこの業界や職場でも普遍的に通用する理論や法則」は存在しますので、いくつかご紹介いたします。
有名なのは「AIDMAの法則」でしょう。
AIDMAの法則では、消費者がある商品を知って購入に至るまでに次のような段階があるとされる。
Attention(注意)
Interest(関心)
Desire(欲求)
Memory(記憶)
Action(行動)
インターネット時代に合わせて、大手広告代理店・電通が2005年に提唱した「AISAS理論」も有名。
ネットでの購買行動のプロセスモデルとしてAIDMAに対比されるものとして日本の広告代理店の電通等によりAISAS(エーサス、アイサス)というモデルが提唱された。
Attention(注意)
Interest(関心)
Search(検索)
Action(行動、購入)
Share(共有、商品評価をネット上で共有しあう)
最近では、インフルエンサーのけんすう氏が提唱する「DRESS」は、よりSNSマーケティング時代に則した理論かもしれません。
・Discovery(発見)
・Response(反応、共感)
・Experience(体験)
・Story(物語化)
・Share(共有)
どの理論・法則にも共通して言えるのは、
「まずは知ってもらう」
「興味や関心を引く」
「欲望を刺激する」
「行動してもらう」
…という段階を踏む必要があること。
いくつかのステップを踏むことで、初めてマーケティングの最終目標である「行動してもらう」につながるわけですね。
このステップを無視して、集めた人にいきなり「行動しろ!」「この商品を買え!」と言っても、中々行動してもらえないのは当たり前なのです。
VTuberで言えば「フォローしてくれ」「チャンネル登録してくれ」「RTして拡散してくれ」「配信を見に来てくれ」「投げ銭してくれ」で考えてみればわかりやすいでしょう。
思うように成果が出ていない人は、何らかの「行動を起こさせるためのステップ」が欠けているはずですので、自分のマーケティング戦略を見直す必要が出てきます。
行動を促すための仕掛けを意識しよう
ここまでお読みになれば、
「人が集めた後に行動を起こさせる必要がある」
「行動を起こさせるためにはステップを踏む必要がある」
この二つのマーケティングの原則は、おわかりいただけたかと思います。
では、具体的に集めた人に行動を起こしてもらうには、どうすればいいのでしょうか?
答えは「行動を促すための”仕掛け”」を作ることです。
マーケティングのところは「誰かに直接頭を下げたりお願いすることなく、他人を動かせる」ことです。
日常のシーンで考えてみましょう。
お店で何かを購入する時。
ソーシャルゲームで課金する時。
YouTubeで動画を再生してチャンネル登録する時。
誰かに「これを買ってください!」と頼まれずとも、多くの人は自分の意志で行動することがほとんどだと思います。
日常的に「当たり前」だと思っている消費行動も、多くの場合は「誰かが仕掛けた仕組み」によって、集めた人に自然に行動を起こすように出来ているのです。
お店で何かを購入する際、私たちは常識を疑うことなく、ごく自然に「買いたい物を選んで、レジで精算する」という行動を行ってます。
これは何もお店の話だけではなく、日常のあらゆるシーンに「集めた人に行動を起こしてもらうための仕組み」が仕掛けられています。
今回の記事では具体的な例や方法の紹介は省きますが、マーケティングにおいては「ありとあらゆる手段を用いて、人に行動を促す」ための方法が用いられていますので、自分の力で見つけ出してみてください。
まとめ:人を集めた後は行動を促すことが大事
以上、今回は「人を集めた後に行動を起こしてもらう必要性」について、詳しくご紹介いたしました。
インターネットの登場で、誰もが有名人やインフルエンサーになれる時代になったように感じますが、実は「人を集めても行動を促せなければ、真の影響力は得られない」のです。
逆に言えば「人の数はそこまで集めなくても、人に行動を促す能力さえあれば、影響力は得られる」とも言い換えられます。
マーケティングでは、
「人を集める」
「行動を促す」
…という、二つの大きな目的に沿って行われるものです。
どちらか片方が欠けていては、結果が伴わないのは当たり前です。
VTuber、あるいはVTuberに関わる方も、今一度「人を集めた後に、行動を促すことが出来ているか?」を見直してみてください。
課題:VTuberは集客後の目的意識が欠けている!?
今回、私がこの記事を書いたのは「VTuberは人の集まるコンテンツにも関わらジ、集客後の目的意識がまったく見えてこない企業(個人)が多いから」という理由があるからです。
(多くのVTuberのゴール地点が「企業所属→その企業も集客後の展開を考えているか疑問」「自動広告収益を得る(広告最適化は考えていない)「投げ銭(ファンの善意に依存)」なので、当然と言えば当然なのですが…)
前回の記事で「とりあえず人を集める方法はマスマーケティングの考え方」と紹介した理由も、今回の記事で見えてきたのではないでしょうか?
残念ながら、VTuberは市場全体で見ればまだまだニッチでマニアックなコンテンツで「とりあえず人だけ集めておけばOK」というマスマーケティング手法は、あまり効果的ではありません。
ところが、あまりマーケティングについて理解がない方は、目につきやすい「マスマーケティング的な手法」ばかりを、マーケティングの正解だと考えがちです。
(広告代理店勤務クラスの社員ですら「数さえとっておけばいい」というマーケティング認識の人が、ざらによくいるレベルです)
本来、マーケティングには正解も答えもありません。
あるとしたら「見込みのある客を集めて、その人々が欲しいモノを売る」という、至ってシンプルな原則だけです。
もしVTuberの方で数字を集めたにも関わらず、伸び悩んでいると思ったら、今回の記事を参考に、マーケティングについてより理解を深めていただければ幸いです。
VTuberスシテンコは、今後もVTuber界に必要だと思う情報をTwitterやnoteにて発信していく予定ですので、よろしかったらこの機会にフォロワーしていただけますと幸いです。
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