人が集まれば自然に価値は生まれる【VTuberで学ぶマーケティング論】
ども!スシテンコ(@sushitenko)です!
「数字を伸ばしたいけど思うように伸びない…」
「数字はあるけど収益を上げるための手段がわからない…」
「数字にとらわれたくない…」
私が個人VTuber関連の方と話したり、ツイッターを追う中で、よく聞くのが「数字に関する悩み」です。
その際、私がよく話題に出しているのが「マーケティング」のお話。
「マーケティングとは何?」と疑問の方に、わかりやすく概念を説明するなら、Wikipediaに記載されている通り、
「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」
…と、ご理解していただければ、まず間違いありません。
問題は「マーケティングと言われても、具体的に何をすればいいかわからない…」という方が多いところでしょうか。
私自身、マーケティングを一から学んだわけではなく、実践の中で感覚的に理解しているだけですので、他人にレクチャーするには少々自信がありません。
ただ逆に言えば、感覚さえ理解してしまえば専門用語を理解できずともそれなりに成果を出せるとも言えるはずです。
そこで、私がVTuber界…とくに個人勢の意見や課題をリサーチする中で、必要だと感じた「マーケティングの基本的な考え方」を「VTuberで学ぶマーケティング論」と称し、シリーズ構成でご紹介していきます。
第1回目はマーケティングの基本となる「人を集める=集客」について解説して参ります。
※シリーズ構成の予定ですので、今回は「人を集める=集客」のみに重点を置いた解説になります。
マーケティングの基本は「人を集める=集客」
マーケティングの基本原則は「人を集める=集客」にあると言えます。
極論「人すら集めてしまえば、金になる」というのが、マーケティングの真理と言ってしまってもいいでしょう。
現実のわかりやすい例で言えば、
・TVCMを使った宣伝
・都市部の人通りの多い繫華街に出店
・有名ブランドの力を活用する
…などが「とりあえず人を集めてしまえばなんとかなる」という方針に沿っています。
ネットが普及した昨今でも、テレビメディアが多大な影響力を持つのは「数の暴力で広告効果を上げて集客出来る」からです。
視聴率の高い番組でCMを流せば、それだけで多くの人に商品(あるいは会社名)を知ってもらい、お店に人を集めるためのきっかけにすることが可能となります。
また、都市部の駅付近の店舗は人通りが多いため、必然的に来客数が増えることになります。
有名ブランドの活用事例で言えば、コンビニのフランチャイズ契約がわかりやすく、有名店舗のロゴを掲げるだけで一定の集客が見込めます。
これらの「とにかく人を集める」という方針は「マスマーケティング」の考え方です。
この方法は「莫大な資金力(広告費・都市部の出店費)」さえ用意してしまえば数字と知名度の暴力で人を集めることが可能な、言わば「強者の集客方法」です。
VTuber界の事例で言えば「有名企業所属でデビューした新人が短期間で爆発的にフォロワー数が伸びる」をイメージしてもらえれば、わかりやすいかもしれません。
VTuber界でも「数字が大事(フォロワー数・チャンネル登録者数)」と言われているのは、マスマーケティング的考え方に基づくもので、単純に「集めた人が多ければ多いほど、自分(または商品)を知ってもらう機会が増える」という原理に基づいていると言えるでしょう。
なぜ、人を集める必要があるのか?
ここで読者に一度しっかり考えて欲しいのが「なぜ、人を集める必要があるのか?」ということです。
VTuberとして活動されている方に限らず、多くの方が前述のマスマーケティングのような「とにかく人を集めればいい=数字さえ稼げればいい」と考えがちです。
前述の通り「マスマーケティング=強者の戦略」ですので、個人単位はもとより、ベンチャー企業や中小企業クラスでも再現性には欠きます。
そこで重要となるのが、哲学的な思考法を活用し「なぜ、人を集める必要があるのか?」としっかり考え抜くことなのです。
これは人によっては、答えが変わってくるはずです。
ただ、おおむねの方向性としては「どんなに良い物を作っても、人に知ってもらえなければ意味がない」からではないでしょうか。
VTuberであれば、自分が作ったコンテンツ(=売り物)を出来るだけ多くの人に見てもらいたいはずです。
逆に「自分のコンテンツの良さを理解してくれる人だけに見てもらえればいい」「同じ興味・関心のある仲間を集めたい」という方もいるはずです。
このような「なぜ、人を集めなければいけないのか?」という目的がハッキリすればするほど「集める人の属性や興味・関心」を絞ることができ、言わば「狙いを定めた集客方法(≒数字を増やさずに済む方法)」を採用することが可能となります。
(狙いを定めた集客方法に関しては、後日詳しく別記事でまとめる予定)
ちなみに、YouTubeの収益化ラインの「チャンネル登録者数1000以上」という指標もマスマーケティング的な考え方に基づくものだとすると、VTuberがマスマーケティング的な数字至上主義になってしまうのも、仕方のない流れかもしれません。
人が集まれば自然に価値は生まれる
話を元に戻しましょう。
マーケティング的に考えると「とにかく人さえ集めてしまえば、何かしらの価値が生まれる」のです。
極端な話、何の役にも立たない商品のCMをゴールデンタイムに流したとして、多くの人は「なんかCMで流れてるから、すごい商品なんだろう」と思ってしまいます。
誰がどう考えても「こりゃ売れねえだろ…」と思う商品も、広告戦略次第では「価値がある」ものとなるのです。
VTuberで例えるなら、企業所属でファン数の多いVTuberが「この商品いいよ!」とセールスしたり、あるいは企業とコラボすれば、それだけで価値が生まれ、一定の購買は見込めるわけです。
よりわかりやすく言えば「既存の商品にキャラの絵が付いただけオタク層の購買意欲が上がる」という、あの現象に期待できます。
もちろん、そのVTuberのイメージに合わない商品を強引に紹介したり、ファンを無視した方法であれば、両者の価値を損ねる結果になりかねない点には注意する必要があります。
VTuberは人が集まりやすい文化である
なぜ、今回マーケティングの話として「人を集める=集客」をテーマに選んだかと言うと「VTuberは人が集まりやすい文化だから」です。
このあたりは、VTuberとして何かしらの活動を行っている方の意見を聞く限り、多くの人が理由として挙げております。
実際、ツイッターアカウントにてVTuberと名乗っておくだけで、相互フォローに期待でき、効率よくフォロワー数やチャンネル登録者数を稼ぐことが出来ます。
(2018年参入勢の話を聞いた限り、当時はもっと「VTuberと言うだけで数字が伸びる」という状況にあったみたいです)
ただ、ここで生じる問題としては「VTuberと名乗っている者の間で、目的が違うためにすれ違いが生まれる」という点です。
とくに「友達が欲しいから=コミュニケーションを求めている層」と「売り物やスキルを売るためにVTuberを広報ツールとして活用している層」とでは、天と地ほどの認識の差があります。
横のつながりが強いVTuber界では、アンチが増えるとコラボ時の心理的な弊害となりやすいというデメリットが目立ち、そもそも「お友達を作るためのVTuber方針」で伸びている人もかなりの数存在します。
私のような「マーケティング戦略=打算や損得勘定」を前面に押し出す人間は、異端者扱いされて嫌われてやすい点はデメリットです。
それでも、SNSでのフォロワー数格差の問題を踏まえると「VTuberと名乗ることで活動初期の数字獲得の効率化を図れる」という点は、VTuberとして活動することの最大のメリットかもしれません。
また、数字が増えれば一定数で「自分と利害が合う人」「活動方針が重なる人」「同じ課題意識のある人」が出てきますので、そういった方と効率よくつながれる点もVTuberとして数字を獲得する際のメリットだと言えます。
まとめ|人を集めさえすれば何かの価値は生まれる
今回、このテーマを書いた理由としては「VTuberに何かしらのマーケティング効果を期待して参入してきた人」が多いと感じたからです。
一つだけ覚えておいて欲しいことは「マスマーケティング戦略=強者の戦略は、個人VTuberだと通用しない部分も多い」ということです。
VTuberブームによる集客効果や拡散力だけを見ている人は、マスマーケティング的な考え方に囚われているようにも感じます。
今回は「人を集めれば何かしらの価値は生まれる」ということまで解説しましたが、次回以降には「具体的に価値を生み出す方法」についても解説していく予定です。
いずれにせよ、現段階でVTuberとして活動をされている方は、大なり小なりマーケティング意識はあるはずですので、今回ご紹介したことを参考に、自分に合った活動方針を見つけ出してみてください。
課題|VTuberの顧客層の行動意欲の低さ=広告効果の低さ
現状、VTuber界に頭打ち感や閉塞感が漂っているのは「人を集めるだけ集めたのはいいが、売る物がないor売り方がわからない」という、マーケティング視点が欠けていることがひとつの原因だと考えております。
また、その結果として「集まった人が無料でコンテンツを消費するだけの存在になりがち=行動意欲が低い・広告効果が低い」となってしまっているのではないでしょうか。
いずれにせよ、私が一個人としてVTuberの発展に貢献できることは「マーケティング知識を共有することで、VTuberの広報力やセールス力を向上させる」ぐらいしかありません。
今後もnoteの記事やツイッターで、VTuber界の課題やマーケティング知識を発信していく予定ですので、気になる方はフォローして頂けると助かります。
【VTuberで学ぶマーケティング論】
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