個人VTuberがこの先生きのこるために意識しておくべき、ただ一つのこと
「こういう個人VTuberは伸びる・伸びない」など、様々な情報が錯綜して「結局、自分は何をすればいいんだ…」と迷走している方は少なくないと思います。
私自身、その一人で、Vとしては試行錯誤中、やりたいことが見えていない状態です。
ただ、その中でも「意識しておくべきたった一つのこと」が見てきたので、今回、皆様にお伝えしていきます。
前々回、Vi-Cross内の記事にて、まゆにゃあさんに執筆いただいた「VTuber世代」に関して、私からも分析・考察等交えて書きたいと思います。
まゆにゃあさんの記事による世代分けに照らし合わせれば、私は「第三世代」に該当する位置付けなります。
ちなみに、私が頻繫に交流している方も「第三世代」に該当する方が多く、活動している時期によって「同期」的な感覚があるかもしれません。
個人的に懇意にしていただいている「バーチャル商人アキナ」さん、同時期に活動を開始されていた「エニル」さんなども、第三世代に含まれるかと思います。
まゆにゃあさんの記事によれば、第三世代について悲観的な意見が目立ちます。
ある程度方向性にまとまりのあった0~1世代とは異なり、
音を立てて瓦解した方向性や価値観の2世代とも異なるVTuber、
これが3世代である。所謂、やる気のない勢、エンジョイ勢、
Vと絡みたいからとりあえずV名乗ってる勢は大半ここに含まれている。
悪意に悪意を足したような言い方をすれば、
VTuberやる気はないけどVTuberと絡みたいから一応名称だけ
付けとくみたいな、何したいのかわからん勢、
とりあえず流行ってるから始めたとかいう中身虚無勢などの、
いわゆるエンジョイ勢の問題も大いにある。
そしてエンジョイ勢の数が増えすぎた結果
市場が飽和し、存在がかすれる、存在が埋もれる、
伸び悩む個人VTuberが多数発生。
メンタル崩壊でやめていく者も連日出てくる。
実際、この時期にVTuberを名乗っていた私が書いた例の記事がバズった背景から見ても、2019年の第三世代に関してあったのは「閉塞感」だったのではないでしょうか。
ですが、最近になって第三世代である個人VTuberの活動が小さな芽を生み出していることを思うと、まゆにゃあさんの記事について、私からポジティブな話も交えなければと思います。
結論から言えば、第三世代である個人VTuberが行っていることは「新たな成功モデル(勝ちパターン)の確立」にこそあると考えています。
早い話が「見た目の良いアバターとそれっぽいコンテンツさえ用意しておけば勝手に伸びた第二世代」までの成功パターンが一切通用しなくなっただけなわけです。
また、「成功」の定義を画一的な「登録者1万人越えでネットで話題になる」「企業に属する」だけで捉えてしまうと、すでに個人VTuberの成功ハードルは異様なまでに高いものとなっております。
加えて、第二世代の企業VTuberの相次ぐ引退や瓦解も踏まえますと、必ずしも数字を獲得して有名になることが成功とも言い切れません。
そのような状況下で、これから個人VTuberはどのように活動していくべきなのでしょうか?
Vi-Cross7月の活動を総括する意味でも、
「個人VTuber(あるいは応援しているサポーター)はこれからどうするべきか?」
というテーマでお送りしたいと思います。
個人VTuberが生き残るためには「勝つこと」を諦める
身も蓋もない結論を言うと「個人VTuberが生き残るためにはまずは勝つことを諦める」ことが大事だと思っています。
ここで言う「勝つこと」の定義は、
・収益化を達成する
・VTuberとして生計を立てる
・たくさんのフォロワーを稼いで人気者になる
・企業所属で有名Vになる
など「漠然としたVの成功モデル」を指すと考えてもらっても良いでしょう。
そもそもで言えば、現状の個人VTuber勢の多くが「勝つこと(収益化、生計を立てること)」を目標としていません。
(目標にしてるにしても、中長期スパンになる上、副業として取り組んでいる人も多い)
ですので、VTuberあるいはVRアバターとして活動するのであれば、まずは「勝つこと」の定義を見直す必要があります。
現段階で、個人VTuberとしての先行者利益がほぼなくなっている以上は、以下のような「ハードルの低い勝つこと」を目的にした方がよいでしょう。
・収益化を目指すのではなく、継続的な投稿を目指す
・収入源・生計を立てる手段はV以外に用意
・フォロワーを稼ぐことよりは、自分と趣味・志向の合う仲間を探す
・企業所属を絶対視せず、個人だからこそ出来ることを行う
このような「ハードルの低い勝つこと」は爆発的な成功にはなりえませんが、何かしらを積み上げる際には決して無駄にはならない手段です。
厳密に言えば「負けないこと」が大事になるのです。
冒頭でご紹介した、まゆにゃあさんの記事に紹介されている第2世代の失敗要因として、私が考えているのは「継続性を無視し、ラッキーチャンスに便乗しただけの無茶な運営」という要因です。
というのも「この企業VTuberがすごい!」と言われた後、私が運営法人や事業内容を見てみると「おいおいおいおい」となる会社が非常に多かったので素。
すなわち「企業V=成功」という謎の前提だったり「有名だから安定しているだろう」というファンの思考停止があったわけです。
さらに言えば、V界隈で「有識者」としてポジションを取っていた人ですら「VTuberを運営している多くの会社の経営や収入源に問題がある」と指摘する人は少なく、鳴神裁のような感情論煽りの物申す系が人気を博することからしても、本質的な問題が浮き彫りになってくるかと思います。
(もっとも、この問題に対しては、私の方が「異常」であり、一般勤めの正社員でも自社の決算状況や経営に関してまったく興味も理解もない人が多いと知り、自身の認識を改めざるを得なくなった)
話が逸れてしまいましたが、第二世代の失敗から学ぶに「無茶な運営や過剰な人気獲得による一時的な成功は勝利とは言えない」となるわけです。
仮に、バズ手法やマーケティング手法を駆使したり、あるいは潤沢な資金やコネを活用して、瞬間風速的に有名になって数字を獲得できたとしても、活動が継続できなければ「負け」になります。
よって、今、個人VTuberが意識すべき最大項目は「一旦、勝つことを諦め、負けないこと」だと言えるのです。
ちなみに、当企画「Vi-Cross」も、初めに「無理なく長期で継続できる」ことを最重要事項として、実際の進行面について計画しました。
ファンやサポーターを「信者」でなく「味方」に変える者が生き残れる
次に考えなくてはならないのが「個人VTuberのファン・サポーター(リスナー)」についてです。
個人の時代と言われる今「どれだけ多くのファンやサポーターを得て満足させられるか?」も非常に重要な課題となってきていると言えます。
ただ、これに関してはVTuberに関しては非常に複雑でややこしい問題が散見され、これはウルリム・ムワクさんのVTuberファンの解説記事で何度も紹介されている通りです。
上記の記事にある通り、私個人は「反転アンチは取るに足らない存在」だとして切り捨て対象と考えていますが(そもそも私自身が万人受けする情報・コンテンツ発信者ではない)、リスナー寄りのウルリム・ムワクさんからすればそれはまったくファン理解が足りていないとのことです。
ちなみに先日、以下のツイートに反響を頂きました。
個人VTuberとして数字を獲得する方法論として「リスナーに仲間意識を植え付ける→コミュニティ形成」という手段は、成功モデルを見ても有効だとわかります。
ただ、この手法に関しては「味方」と言うよりは「信者」に近い性質を持ちます。
信者だからこそ、相手が今までと違うことを言い出すと「反転アンチ」と化すわけです。
たとえば「私はリアルの生活も貧乏でVTuberでなんとか生計を立てることに成功した。VTuberに感謝している」と言っている人間が、実際は金持ちでVTuberは副業で収入は微々たるもの、本当はVTuberに大した思い入れもない人間だとするなら、途端に信者の共感は崩れてしまいます。
その例として「烏丸咲→ウノアキラ」の方向性転換…ともすれば、以前の自分とそのファンを否定する方針が反感を買って登録者が減った事例はわかりやすい現象かもしれません。
(個人的にウノアキラ氏の転身は共感できる部分もあったが、Vリスナー層に最大限の配慮をするのであれば、烏丸咲と分離したチャンネル・ブランドで行う方が本人・視聴者的には良かったと思う)
リスナーを「信者」とするのか「味方」とするのかは、人それぞれではありますが、反転アンチ化のリスク、または依存されるだけされて搾取されてしまうリスクを考えると「信者よりは味方が多い方が良い」と考える方が、長期的な生存力は高いはずでしょう。
※.もっとも、VTuberを応援している人の中には「信者と味方って何が違うの?」という方もいらっしゃるかと思いますが、今回はその話は割愛したいと思います。
なぜ「信者より味方が良いのか?」と言うと、現状の個人VTuberは「リスナーVTuber」と呼ばれる、ファン・リスナーでありプレイヤー(クリエイター・演者)でもある微妙な立ち位置の存在が増えているからです。
その際、「信者を増やす」という方法を使っていると、コラボや連携の際に障害になりやすかったり、前述の「味方を増やす手法」において対立構造を生み出すことになりやすいからです。
もちろん、個人VTuberとして宗教教祖になりたいのであれば信者を増やすことをオススメしますが、他に目的があり、とくに個人V同士で連携を取りたいと願うなら「信者ではなく味方」を増やすことを意識した方がいいでしょう。
また、純粋なリスナー・フォロワーにしても、信者ではなく味方としての距離を維持することで、他の配信者やコンテンツとも相互補完しやすくなるため、将来的に「ファンの質が良い」と判断され、コラボのしやすさや企業案件の掴みやすさにつながるはずです。
(信者は、頼んでもない攻撃始め出し、勝手に対立構造を生み出す傾向にあるので…)
まとめ:個人VTuberとしての大成功は諦めよう
以上のように、私個人の私見としましては「個人VTuberとして大成功するのはまず無理」というのが、ここ一年で導き出した結論です。
実際、すでに「適当に思いついた企画やる」「なんか面白そうな奴に絡みに行く」程度のSNS的な使い方しかしてないあたり、もはや数字を伸ばす気はまったくありません。
もし仮に「生活が困窮していてVTuberとして成功しないと後がない…」なんて相談されようものなら「いや、素直に働けよ…。職務経歴書の書き方教えて、転職先紹介するから…」とアドバイスするぐらいには、現実主義者です。
(病気持ちだとか年齢がどうとか言われても知らん)
また、最近の私のツイートを見てる方はお気づきでしょうが「自分の求めてるものがバーチャルにないとわかったら、躊躇なくリアルの方に重きを置く」ような人間ですので、バーチャルに固執する気もありません。
仮にそれで「バーチャルにリアルの話を持ちだすんじゃねえ!」と言われようものなら「うるせーーーーーーーーだったらロールプレイングやりきれよ!!!!お前のキャラ設定ブレブレだろ、リアル隠しきれてねえのはどっちだよ??」となるので、もはやバーチャルもリアルもどっちでもいい。どちらも完全には切り離せない。つーか、リアルの話する気ねえなら隠し通せ。弱み見せるな。
そんなわけで、バーチャルに過剰な期待をせず、無理なく今の自分にできることをやっていこうという、単純なお話でした。
そんな感じで「バーチャルで生きる」をテーマに、今後もVi-Crossにて情報発信を行っていきますので、フォローをお忘れなく。
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