「寿司の描写」をプロのライターと比較して気づいた、『寿司=5+1「感」の法則』
いつもお世話になっております。私、寿司リーマンと申します。
↓以前、こんな記事を書きました↓
この記事の要旨をざっくりまとめると、
寿司はアートだよ。
デザインの本質は、人格を与えることだよ。
寿司というアートを擬人化したり、自分の言葉で語る、描写していくと面白いよ。
一流の寿司を食べ歩くことで、自然とセンスが磨かれて仕事にも通じる学びが得られるよ。
ということを書きました。
今回の記事では、
これまで食べ歩いてきた中で、見た目も味も記憶に残っている6つの寿司をピックアップして、知り合いのプロライターの方に描写していただき、私と比較をしてみました。
その上で、最後に気づいたことをまとめました。
皆さんも、ぜひ以下の6つの写真を見て、
どんな見た目か?
どんな味がしそうか?
などと考えながら、読んでみてください。
寿司リーマンから無理難題を言い渡された。
食べてもいない寿司の写真をみて文章で表現して欲しいというのだ。
いきなり送られてきた6枚の寿司の写真。ほほお、これが高級寿司か。
私はその写真を見て、きっと何万円もする寿司を、思いきり想像する。
【お題①】ブリ
寿司リーマン
氷見産。なんというフォルムだ。稀代の建築家が手がけた近代建築物のよう。味はKING OF ぶり。分厚くてもちもち。脂が素晴らしい。佐渡産のマグロのような酸味がある個体よりも食べやすい印象を受けた。
プロライターnahoさん
それはまるで肉のような見た目をしている。テカテカしている赤みと、きっと口に入れたらとろける白い脂身。マグロでしょうか、ブリでしょうか。詳しくは分からないけれど、下の脂身は少しあぶっているようにも見える。ちなみに、シャリは見えない。醤油につけて食べるのもいいけれど、大将は「ぜひ塩で」と言ってきた。ははん、素材の甘みを引き出すやつね。
口に入れると、いや、正確に言えば舌の上に乗せるやいなや、それは溶け出した。噛んでいないのに、舌の熱で、寿司が、溶けた。寿司は飲み物。そんなことを思った。
【お題②】コハダ
寿司リーマン
天草のコハダ。大将が心を込めて握るすぎたフォルム。ガツンとキリッとデカく握られるスペシャリテはもはや神の領域。日本一パンチ力のある力強い江戸前寿司だ。
プロライターnahoさん
光物の寿司を食べられるようになったのは、大人になってからだ。しめ鯖、コハダあたり。あの青臭さが逆にたまらないと感じるようになった。しかしまぁここの寿司を「青臭い」なんて言ったら怒られるんだろうな。ネタの真ん中に切れ目がある。これはなぜだろう。味を染み込ませるためだろうか?それとも装飾?意図は定かではないけれど、なんとなくエロい。寿司にエロスを感じたのは初めてだが、まじまじと見れば見るほど、この光物の寿司が私を誘惑をしてくる気がする。いやぁ、大人の寿司ですねぇ。
【お題③】大トロ
寿司リーマン
艶艶艶やか。先っぽのくるりんとした部分がこの女性のチャームポイント。どれだけの男たちを虜にしてきたのだろうかと思わずにはいられない、銀座の伝説のホステスのよう。味ももちろん、上品で甘い脂にくらくらしてしまいそうだ。
プロライターnahoさん
大トロでしょうか、それとも松坂牛でしょうか。つやつやした赤みに、ほどよい量のさし。これも口の中で溶けちゃう寿司なのでしょう。通常の寿司よりも少し小ぶりに見えるのもかわいいな。その謙虚さが好感度をあげるよね。「俺は大トロだぜ、どーん!」っていう寿司ではなくて、「あ....わ、私ですか?一応大トロやってますっ」的なひとくちサイズ。何貫でも食べて応援したくなるよ。
【お題④】ボタンエビ
寿司リーマン
北海道。渡辺直美的フォルム。いや、ベイマックスだろうか。口に入れた瞬間のエアバッグ感。噛むほどに広がるねっとりとした甘み。素晴らしい。
プロライターnahoさん
エビ!これはきっとエビ!卵が青いんだよね!見た目はなんとなくグロテスクというか、なんで青!?っていう感じだけれどさ!ちょっと苦みもあるのに、コクがあって、美味しいんだよね!卵を支えるエビはたっぷり醤油が染み込んでて、卵の苦味とコク、エビのしょっぱさ、甘みが口いっぱいに広がりそうな一品。そこら辺の100円回転寿司のエビとは訳が違うやつです。
【お題⑤】赤貝
寿司リーマン
寿司栄のアイコン的ネタ。フラワーフォルムの赤貝。芸術的なアート作品。寿司栄イズム。芸術家で例えるなら、岡本太郎。好きです。
プロライターnahoさん
まるでスイーツのよう。「カボチャを使った秋の新作スイーツです」って言われたら、そうなのかなって思っちゃうレベルですが、寿司なんでしょう?あれかな、ホヤガイですか。ホヤホヤ。ホヤも大人になってから食べられるようになったやつだなぁ。海のパイナップル。パイナップルってなんやねんって思うんだけど、しょっぱさ・苦味・甘みのバランスがこれ以上ないというぐらい絶妙で、ぷりぷりの食感もたまらないんですよね。......寿司はアートだと寿司リーマンは言っていたけれど、確かにこの写真はそうだなと思う。そんな一品。
【お題⑥】トロとウニ
寿司リーマン
存在感抜群。まるでオーストラリアのエアーズロック、あるいはスリランカのシギリアロックのような自然の世界遺産絶景のようなフォルム。一口で頬張るとトロもウニもジュースのようにすーっと溶けて流れていく。
プロライターnahoさん
出たー!ウニと牛肉を一緒に食べちゃう、お金持ちの食べ物だ!ウニ牛でしたっけ?なんか、一時期、映える食事として流行りましたよね。「絶対おいしいじゃん」と思いながらも、食ったことのない庶民が私です。新鮮なウニの甘味、シャリの熱で少し溶け出した牛肉の脂身が一緒になって、口の中に幸福感もたらしてくれるやつ。シャリも他の寿司に比べて多めだよね?「ご飯もしっかり味わっていただきたくて」。そういう大将のこだわりを感じますよ。は〜美味しそう〜〜!
気づいたこと
今回、私寿司リーマンとプロライターnahoさんの描写を比較して気づいたことをまとめます。
そもそも前提として、2人の大きな違いは、
実際に食べているか、食べていないか
ということ。
寿司リーマンは上記6つの寿司をリアルに食べたうで、nahoさんは写真だけで、それぞれ描写をしました。
当たり前ですが、実際に食べた方が、よりバリエーション豊かに表現できます。
…とはいえ、さすがプロのライターさんの描写はさすがでした。読んでいて面白い描写でした。次回は、nahoさんと一緒に寿司を食べた上で描写し合いたいですね笑
その上で振り返ってみて、
「寿司は五感をフル回転させると最大限美味い」
ということに、改めて気づかされました。
寿司は、5+1「感」で味わうべし
寿司という食べ物は5つの感覚を組み合わせて、1つの感情を生み出すことができる、尊い食べ物なのです。
第1の感覚「視覚」→フォルム、見た目の美しさ
第2の感覚「触覚」→持った時、口に入れた時の触感、食感
第3・4の感覚「嗅覚」「味覚」→食感、香り、味
第5の感覚「聴覚」→ネタの産地や仕込みなど、大将のこだわりやストーリー
これら5つの感覚、
すなわち「五感」が複雑に絡み合うことで「美味さ」が引き上がっていくのです。
そして、その五感が、
第6の「感」、
「感動」に変化するのです。
寿司を最大限味わうには、「五感」を最大限研ぎ澄ます。
それが「感動」になる。
寿司は5+1「感」で味わう食べ物です。
一流の寿司屋では、この、
『5+1「感」の法則』が成り立っているのです。
これから一流の寿司屋に行った際には、改めて、自分の五感を研ぎ澄ませて、集中して寿司と真剣勝負をしたいと思います。
今後とも、寿司リーマンをよろしくお願いいたします。
フォロー、いいね、コメント等いただけますと嬉しいです。
今回ご協力いただいた
【プロライターnahoさん】
慶應義塾大学→朝日新聞社で記者として活躍→現在はフリーライターとして独立し、様々な記事の取材や執筆を行なっている。
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これまで巡った全国の一流の寿司屋を掲載しています。
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寿司リーマン活動での気づきをつぶやいています。
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