2020年の陸上中長距離種目の好記録続出について分析するのは大変興味深い。その③
「2020年の陸上中長距離種目の好記録続出について分析するのは大変興味深い。その②」でも「今年は高校生5000m13分台ランナーが20人は出る」と書いたように(10月の記事)、今年の長距離種目の現場では明らかに記録に好影響をもたらすような何らかのバイアスがかかっていて、長距離種目の好記録が続出している。
【↓要チェック...!!】
(日曜日の福岡国際マラソンでサブ2:09が2人でれば、今年のマラソンサブ2:09が20人の大台に乗る)
今年は競歩でも好記録が多く出ているものの、その他の陸上競技の種目ではこういった好記録が続出し続ける傾向は特に見られていない。
今日の日本選手権では男女10000mでともに日本新が生まれた 👏👏
女子10000m優勝者の新谷仁美が30:20.44で従来の日本記録を28秒更新。
男子10000m優勝者の相澤晃が27:18.75で従来の日本記録を10秒更新。
新谷は1950m以降、単独走でこの記録を出したわけだから、圧巻の記録ではある。さらに、男子は優勝した相澤だけでなく、2位の伊藤、3位の田村までが揃って日本記録を更新し、その前に行われた組と合わせて18人が27分台で走った。
今日は女子5000mを除いて、ハイペースのレースが多く、走った選手たちの気迫がテレビの画面越しから伝わってきた(女子5000mも最後の優勝争いは見応えがあった)。
今日はおおむねどの種目でも自己新率が高かったことから、それぞれで見応えのあるレースが展開されたと思う。
また、これまでハイペースだと思われていたようなペースが、このように好記録を出す選手が増えることによって、今後選手たちのメンタルの障壁が取り払われていくことは間違い無い、と感じた。
それは、これから先に行われる都大路の1区、箱根駅伝でも同じことが起こるだろう(気象条件が悪くならない限り)。つまり、好記録は長距離種目でこれからも間違いなく出続ける(東京五輪後に世界陸連のシューズレギュレーションが変更されるのでは、という噂はあるが...)。
最近は、駅伝を見ていても、トラックレースを見ていても、本当に後半まで粘っている選手が増えたように思う。
というか、何かのバイアスがかかっていて、それが精神的なものなのか、バイメカ的な変化なのか、日頃のトレーニングによるものなのか(それら全てが複合的に重なり合っているとは思うけど)、今後の検証がもっと必要だと感じた。
私が思うのは、バイメカ的に明らかに最近の長距離選手の走動作に変化があるように思うので(ストライドが伸びているとか、中間疾走時のランニングエコノミーが高い状態を保てているとか...)、今後の学会等での研究の報告や、研究論文などをチェックしていきたいと思っている。
最近の長距離選手は特に中間疾走時の走動作が昔に比べてどんどんよくなってきていると感じているので、今後も長距離種目では好記録への期待が持てるのではないかと思う。
今日のレースを見た感じだと、男子では日本人選手のハーフ60分切りはもう間近にあり、男子マラソン2:04台も近い存在だと感じている(シューズのレギュレーションが変更されない限りは将来的には日本人男子選手のハーフ58分台とマラソン2:03台まではイメージできる)。
また、トラックでも日本人選手の男子10000m26分台と、女子10000mの29分台がイメージできた。ただ、日本人選手がそれらの記録を達成した時点で、アフリカ勢がさらに記録を伸ばしているのではないか、というのが私の見解である(5000m12:30切り、10000m25分台、ハーフ57:30切り、マラソン公認大会サブ2など)。
まずは、東京五輪で日本代表選手が世界大会でどこまで勝負できるのかが純粋に楽しみである。
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