イナダの低温調理で寒ブリに向けたウォーミングアップを!
タイトルはなんのこっちゃって感じかもしれませんが、ブリは出世魚で冬に旬を迎えるので、それまでにベストの設定温度と時間をイナダ(ブリの幼魚)で見極めようと言うコンセプトです。
ちなみに、利き腕を怪我して料理がままならない状況なので、低温調理ならばいけるのでは?と感じて行ってみたところ、確かに大変楽でした。
これは、バリアフリーの調理法としてもポテンシャルがある!と感じましたよ。
なお、ブリは地域によって呼び名とパターンが大きく異なり面白いので、のっけから脱線してご紹介します。
関東
ワカシ(15~30cm)→イナダ(30~50cm)→ワラサ(50~60cm)→ブリ(60cm〜)
関西
ワカナ(〜20cm)→ツバス(20~40cm)→ハマチ(40~60cm)→メジロ(60~80cm)→ブリ(80cm〜)
北陸(能登)
ツバイソ(〜10cm)→ツバス(〜20cm)→コズクラ(20~30cm)→ハマチ(30cm~40cm)→フクラギ(40~60cm)→ガンド(60~80cm)→ブリ(80cm〜)
北陸は代表的なブランド産地だけあり、呼び名が非常に多く、各フェーズで愛されてるんだなあと実感しますね。幸せ者だな、北陸のブリ!
イナダ(ブリ)のタンパク質組成と適切な設定温度について
ブリは筋原線維タンパク質が豊富なので、「50℃以上で徐々に硬くなる」性質を考慮します。
BONIQ公式では70℃で設定されていますが、これは【照り焼き】だからですね。ある程度身を凝縮する前提であればこの温度帯が良いのでしょう。
ただ、今回僕が目指したのは「いかにも低温調理らしい」テクスチャーです。なので、繊維が凝固し始める50℃で設定しました。
【イナダの低温調理】の調理についての詳細
【低温調理機の設定と使用する調味料】
設定温度:50℃
設定時間:25分
調味料:太白胡麻油
ワカメのソース:生ワカメ、出汁醤油、バター
【調理の手順】
1. イナダの表裏に塩を振り、20分〜30分脱水する
2. 同時にワカメをミルサーでピュレにする
3. イナダを太白胡麻油適量とともに真空パックにする。油を入れることで、お魚がパックにくっつかないので便利です
4. 低温調理開始、完成の5分前にソースを作成。溶かしたバターにワカメのピュレを投入して、少し(1〜2分)熱を通した後に出汁醤油を入れて、とろみが出て一体感が高まれば完成
5. 低温調理を行ったイナダにソースを掛けて、出来上がり
ピュレを作るときは、大容量ならばフープロで対応可能ですが、少量の場合はミルサーが圧倒的に便利です。
実食!【イナダの低温調理、ワカメのソース】
イナダは美しくカットすることなく、ドーンと盛り付けました。利き腕を使えないし、レストランではないので(笑) 添えてあるのは冬瓜です。
味わいとしてはコンフィのような仕上がりで、魅力的な切れだと感じました。ワカメのソースとの相性が抜群で、ワカメの旨味を実感し、軽い酸味のある稲田とバターの相性も良い感じです。
ただ、注意点としては血合い。低温調理のみだと、人によっては血合いが生々しくて料理としての魅力を下げる可能性があります。よって、血合い面は軽くソテーするか炙ると、料理としての魅力を高められると感じました。
ブリの旬になったら改良版を作ってみたいと思います。乞うご期待!
低温調理に関心のある方は、【低温調理器についてのブログ記事】をご参照ください。