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さっぱり分からない夫の好み
「なんか、さっぱりしたものがいいかな…」
お昼ごはん何にする?と、在宅勤務中の夫に尋ねたらこんな返事が。
そうだよね。夏も近づいてきてなんだか蒸すし、朝も食べてないしね。わかる、わか…
わからない。わからないんだ…夫よ…。
結婚してから、この「さっぱりした」という言葉に翻弄され続けています。多分、夫は知る由もないでしょう。
これまでは、「さっぱりって何?ご飯?麺?」など質問を重ねたり、「◯◯と△△ならあるけど、どれがいい?」と選択肢を狭めたりして何とかやってきました。
しかし、この「さっぱりしたもの」は、「肉」の次にリクエストが多い。何でもいいよ、より具体的ですが、いかんせん「さっぱりした」というのは人それぞれ。考える内に一体どれがさっぱりしているんだっけ…と混乱してしまいます、酢かける?
今は亡き祖母が「さっぱりしたもの食べたいわね、コロッケとかグラタン」とよく言っていたのを思い出してしまいます。どれの何がさっぱりしてるの?
以前、夫に「例えばどんなの?」と聞くと、「うーん…麻婆豆腐とか?」と言われて、辿り着けないと落ち込んだことがあります。
夫は優しいので、何を出しても文句を言いません。包丁が怖くて使えないという自炊における弱点もあり、ほぼ出された通りに食べます。生春巻きを用意した時も、私がタレを添え忘れた為、離席した隙にそのまま食べていました。そのことを指摘すると「……でも、味あったよ?」との返事。
悲しい。
優しくていい人だからこそ、出来ればリクエストに応えたい。悲しみをガソリンにして、私が結婚3年目を迎えるここで終止符を打ちたい。夫の求める「さっぱりした料理」を解き明かしたいと思ったのです。
「何が食べたい?」
「さっぱりしたも…
「(スッ…)そういうと思って」
「これだよ!まさにこれ!」
究極はこの流れ。目指そう、マックの提供時間。
万が一、夏に向けてさっぱりしたレシピを探して辿り着いてしまった方には申し訳ないですが、多分なんの参考にもなりません。
なぜ、夫の「さっぱりしたもの」がわからないのか
育ってきた環境が違うから…と、セロリる前に。
まず、このリクエストの難しい点は、大きく考えて3つあると考えました。
①「さっぱり」基準は人それぞれ
②さっぱりを求める原因が日によって異なる
③さっぱりを重視し過ぎると物足りない恐れがある
さて、まず①のさっぱり基準を考える前に、そもそも何をもってさっぱりと言うのだろうか。国語辞典で索いてみます。
2 いやみのないさま。また、しつこくないさま。あっさり。「さっぱり(と)した味」 出典:デジタル大辞泉(小学館)
なるほど。しつこくないというの、しっくりきますね。あっさりもね。でも、あっさりはさっぱりとはニュアンスが違うと言うか。料理の場合、そんな感じします。了解です。
では、改めてひとつずつ考えていきます。
①「さっぱり」基準は人それぞれ
夫といえ、元は他人。また、祖母のコロッケ・グラタンの例からもわかるように、何をさっぱりとするかは人それぞれです。祖母のは迷宮入り。
そこで、さっぱりの要素を大きく4つにわけました。味・食感・見た目・食後の様子です。後述します。
・味がさっぱり
酸味を加えるのが有力です。薬味を多めにするのも手かもしれません。大葉やレモン、梅などが思い浮かびます。
あと、ラーメンで言えば、味噌より醤油。醤油より塩のように、あまり複雑に感じない、最短距離で届く味が想起されます。
・食感がさっぱり
噛み切りにくい肉やまとわりつくソースなどは避けましょう。シャキシャキ、サクッなどの歯切れのいい感じが良さそう。刺身のツマとか、冷麺とかツルツルという喉越しの良さもいいですね。煮る・揚げる方面では無さそう。
冷たさも大変効果的であると言えます。
冷たくて酸味のあるもの、これが私の想像するさっぱりなのですが…麻婆豆腐??めちゃくちゃ白米がすすむ、こってり方面のスペシャリストでは??
・見た目がさっぱり
氷を添えた麺類は、ベストオブさっぱり。シソやレタスなどの明るい緑とトマトのような赤が2:1くらいで入っていれば、眼前でサマーパーティー。目に爽やか。
色は、薄いほどいい。アクセントもあると尚良い。茶色い料理はめっぽう美味しいですが、こういうときには席を譲るべきでしょう。
経験も大きく影響します。食べたことがあれば、一目で味の想像がつきます。未知のものがさっぱりしてるかなんてわかりません。そうか、夫が思い浮かべているのは食べたことのある料理のはず…。ということは、料理名が思い浮かんでいるのでは。。。
意外なところで鋭さが発揮されました。
・食後の感じがさっぱり
胃に優しく。量も控えめに。
負担のないように、食材を細かくしたり、消化が良いように柔らかくしたり。そもそも消化の良いものを選ぶとか。これは知識の地層も問われてくるので、俺とお前のバトルです。ただ、カツカレーは対極にあることはわかる。量は腹7分目くらいが良さそうです。
以上が、考えられる主な要素です。どこに重きを置くかが、その人の「さっぱり観」を左右するため、共有するのが難しいのです。
……ここまでですでに長いですが!!続きます。
②さっぱりを求める原因が日によって異なる
なぜさっぱりがいいのか、ヒアリングが出来ればチョロいもんですが、言った本人もわかっていない時もあるでしょう。人間なので。
なので、その日の天候や時間はどうか。前回の食事はなんだったか。今日の具合はどうかな?顔色や体調悪くないかな?などの観察を……って、もう親よ、そんなん…。親ではないのよ…むっず!!!パートナーのジレンマ…
とはいえ、省みるとそういう外的な要因や体質などめちゃくちゃ影響すると思うので、考えた方が良いのは確かです。我が家の場合、夫はストレスで食欲不振になるけど、私は一切食欲が欠けたことがないという、そもそもの問題もあるのですが。よく見るしか……。
③さっぱりを重視し過ぎると物足りない恐れがある
前述しましたが、こういうときに大盛りは不向きです。正規の量の6〜7分目を目安にしたいところです。
そのため、野菜サラダにサラダチキン、というようなヘルシーランチにした場合、食べ慣れていない夫は「前菜?」と思い、主食を待ちわびてしまう可能性が大です。家事をほぼやらない代わりに、文句も一切言わないというスタイルを貫く彼は、「これだけ?」なんて言いません。ただただ待ち続けてしまうか、時間が来たらごちそうさま、と理解して仕事部屋に帰ってしまいます。
夫は満足してくれたのだろうか…。こっそりチョコパイを3個くらい食べちゃうんじゃないか。私も不安になってしまいます。
また、こちらから「これだけですけど!」と喧嘩腰になったり、「すみません、今日これだけなんです」と卑屈な言い方で不穏なランチタイムにしたりするのは避けたい。
さっぱりとは言ったけどさ…と相手に思わせたらそこで試合終了です。その塩梅がめちゃくちゃ難しい。
そんなこんなが絡まり合って、夫のさっぱりが分からないのだと思います。
私の考えるさっぱりメニュー
以上の難しさの中で気付いた、味・食感・見た目も留意しつつ、夫が食べたことがあるもの(尚且つ苦手じゃないもの)でさっぱりしたいときに食べたいメニューを3つ考えました。
1.サラダそば
2.冷しゃぶ
3.塩ラーメン
やはり冷たいのが強いでしょう。名前に冷入ってるもんね。これはダイレクトにさっぱり。
過去に麻婆豆腐が食べられたのなら、豚肉好きな夫は冷しゃぶもいけるだろうと。冷しゃぶを出した時は「最高じゃん!」とテンションも上がったので間違いないでしょう。
念のため、保険をかけて温かいメニューも入れました。石橋を叩いて壊すタイプの私です、策士ですね。
このさっぱり三兄弟を掲げ、満を辞して夫に直撃しました。
遂に夫に聞いてみた
上でピーチクパーチク言ってた時間を夫との会話に充てればいいのでは、と思ったあなた。正しいかも。
でも、考えていると夫のことを想う時間が増えていいものでした。この時はこうだった、あれは嫌いだっけ、とか色々思い出して。事前に考えているので、尋問にもなりません。日々のリモートワークでお疲れの夫もハッピー。いよいよ、これまでの謎を解き明かす為に夫と向き合います。
「あの…あなたがよく言うさっぱりしたご飯って何?考えてみたんだけど…」
「あぁ、俺がよく言うやつね。
えっとね…
あれ、俺、さっぱりって言うかな?
あっさり系とは言うけど…」
そう言われるとそう!!!!誰!?勝手に変換したの…私です!!!!!
しかもさっぱりとあっさりの境界線、マッキーの太い方で引くタイプじゃん〜〜〜「俺的にはさっぱりとあっさりは違うんだけど」が続くじゃん〜〜〜国語辞典は一緒だって言ってたよ〜〜〜上で云々言ってたの徒労〜〜〜いや、めちゃくちゃ価値ある〜〜〜!!!
とりあえずわかったことは、夫の話をちゃんと聞くべき。良いことがわかったな〜。そんな結婚3年目の初夏の話でした。
✳︎おまけ
答えてくれた夫のあっさり系の食事についてメモ(結構分かった)
※ツイストドーナツのことめちゃくちゃ褒めてた ※私が提案したのは、8,9,10位の面々。理解、足りず。※頭痛は普通に心配なので、病院に行って欲しい。