StakeNetの紹介:インテリジェントなSolana LSTのための自己持続型プロトコル(23年10月27日)
本記事はJitoのブログ記事 Introducing StakeNet: A self-sustaining protocol for intelligent Solana LSTs(2023年10月27日)の日本語訳になります。
本記事は情報提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。暗号資産への投資は価格変動のリスクなど多大なリスクを伴います。投資の最終決定はご自身の判断で行ってください。
JitoSOLとSolanaのリキッドステーキングの台頭
SolanaにおけるMEV報酬付きリキッドステーキングのリーダーとして、JitoSOLは一年前のローンチ以来、かなりの注目と関心を集めています。過去一年間で、JitoSOLのTVLは4.2M SOLに増加し、わずか過去一か月間でSOLベースで80%増加しました。この最近の成長により、JitoはTVLでSolanaの第2位のプロトコルとなりました。
現在、JitoSOL流通量の30%以上がSolanaのいくつかの主要なプラットフォームにて利用されており、Solana DeFiの未来を形作る上で中心的な役割を果たしています。DeFiへのLSTの統合は、Solanaのすべてのリキッドステーキングトークンで見られる傾向ですが、Solana LSTの設計上の欠陥は、DeFi全体のランドスケープを危険にさらす可能性があります。
Solana LSTs Are Not DeFi
リキッドステーキングの可能性にもかかわらず、Solana LSTは本当の意味での分散化に欠けています。主な問題は、各ステークプールが管理のために中央集権的なキーペアとサーバーに依存していることに起因し、真のDeFiのコア原則を損なっています。
これは、DeFiの精神に反するだけでなく多くのリスクをもたらします。潜在的な検閲、ハッキング、シャットダウンなど、現在のシステムは大規模なLSTの普及を念頭に置いて構築されてはいません。注目すべき例は、LidoのstSOLが第2位のLSTであり、Solana DeFiの重要なプレーヤーであるにもかかわらず撤退すると表明したことです。リキッドステーキングプロトコル内の中央集権問題は、実際問題と表面化されました。
Jitoはこの問題を数か月前には認識しており、革新的なソリューションであるJito StakeNetを先駆的に開発するに至りました。
Jito StakeNet: 永続的なステークプールを実現する基盤
StakeNetは、インテリジェントなステークプールを運営するための自己持続型、透明性、分散型を伴ったプロトコルです。StakeNetにより、JitoSOLは永続的にSolana DeFiの中心的な役割を果たすことができるタイムレスなプロトコルになります。
StakeNetの中核は、キーパーとオンチェーンプログラムのネットワークです。その2つの主要なコンポーネントは次のとおりです。
Validator History Program: このプログラムは、ネットワーク上のすべてのバリデーターの3年間の履歴を保存することができます。このデータは現在、投票クレジット、コミッション、MEVコミッション、バリデーターバージョン、クライアントタイプを含んでおり、将来拡張も可能な設計になっています。透明性を持ちつつ過去のアクションに対して暗号学的に検証された記録を提供することにより、ユーザーとオンチェーンプログラムの両方がバリデーターの動作に関する情報に基づいた決定を行うことが可能になります。
Steward Program: スチュワードは、オンチェーンバリデーター履歴を活用して、各バリデーターのスコアとステーク委任量を計算します。キーパーセットは、ステークがベストバリデーターに委任されることを保証するために、ステートマシンの実行を調整します。この自律システムは永続的に稼働し続け、検証履歴データに基づいてステークを委任するためのより透明で効率的なメカニズムを可能にします。
StakeNetを使用すると、プロトコルはステークプール操作を完全に分散化して、永続的に稼働し続けることができます。プロトコルは、オンチェーンガバナンスを活用して、パラメータやステートマシン動作を透明性を持って変更することができ、管理のための中央集権的なオペレーターに依存する必要はありません。
StakeNetはリキッドステーキングの未来であると考えています。私たちは、JitoSOLのStakeNetへの移行に多大なる期待をしており、コミュニティはそれぞれStakeNet周りのデザインスペースを探索していただければ幸いです。オープンソースのプロトコルによって支えられたStakeNetのインテリジェントな設計は、MEV駆動の報酬を通じて競争力のあるSolanaステーキング収益を保証しながら、プロトコルの永続的な自律性を維持します。
今後に関して
リキッドステーキングは間違いなく、Solana DeFiの未来において重要な役割を果たします。StakeNetにより、未来はより透明で安全で自律的で、かつ分散化されていきます。近い将来StakeNetをオープンソース化していきます。
以下は、JitoのコントリビューターであるLucasとZanoによる、2023年10月31日アムステルダムのBreakpointメインステージでのStakeNetに関する講演です。