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JitoSOL誕生:Solana初のMEV報酬付きステーキングデリバティブ(22年11月1日)

本記事はJitoのブログ記事 Introducing JitoSOL: Solana’s 1st MEV-Powered Staking Derivative(2022年11月1日)の日本語訳になります。
本記事は情報提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。暗号資産への投資は価格変動のリスクなど多大なリスクを伴います。投資の最終決定はご自身の判断で行ってください。


Jito財団はSolana史上初となるMEV報酬が付与されるリキッドステーキングデリバティブ「JitoSOL」をローンチできることを大変嬉しく思います。 JitoSOL保有者はネットワークの安全性を高めつつ、ステーキング報酬に加えてMEV収益も獲得することができます。

JitoSOLとは?

JitoSOLは、Solana上で利用できるリキッドステーキングデリバティブです。ユーザーは自分のSOLをJitoSOLと交換、保有することでSOLの流動性とDeFi(分散型金融)での利用機会を維持しながら、ステーキングによる利息を獲得することができます。さらにJitoSOLはSolanaでのトランザクション実行順序に起因する利益機会「MEV」からも追加報酬を得られるというユニークな特徴を持っています。

jito.networkがライブになり、SOL保有者は誰でも簡単にJitoSOLに変換できます。JitoSOLはJupiterなど分散型取引所 (DEX) で他のトークンと交換することができ、また、Jitoのウェブサイトであれば2-3日のクールダウン期間の後、スリッページなしでSOLへの換金も可能です。

JitoSOLの利回りは定期的に配布されるものではなく、トークンの価格自体に反映されます。ローンチ当初は1 JitoSOL = 1 SOL ですが、報酬が蓄積されるにつれてJitoSOLの価格は上昇します (例: 1 JitoSOL = 1.05 SOL)。この価格上昇により、JitoSOLをどのように保管していても全てのJitoSOL保有者に利回りが還元される仕組みになっています。

さらに、JitoSOLは以下で説明するMEV報酬からも報酬を得ることができます。

MEVとは?

MEV (Maximum Extractable Value: 最大抽出可能価値) とは、トランザクションの実行順序に起因して発生する利益機会のことです。例えば、Orca (分散型取引所) で大規模なスワップが行われた場合、プール内の価格がRaydiumや Serumよりも下がる可能性があります。トレーダーはこの価格差を利用して利益を得ようと競う、これがMEVの一種であるアービトラージ取引となります。

別の例としては、Solend (レンディングプラットフォーム) で大口の口座が清算 (強制売却) される可能性があります。この場合、ボットが競ってこの口座をできるだけ早く清算しようとします。このような清算による利益もMEVの一種です。

Jito財団は、MEVの悪影響を最小化し、利益を公平に分配し、透明性を高めるために設立されました。Jitoは、MEV抽出のための競争市場を作るように設計されたオープンソースのバリデータークライアントを公開しました。このクライアントはブロックごとに存在するMEVを獲得する権利のためのオークションを可能にします。トレーダーは入札を行い、各ブロックで最高額を入札した者が利用可能なMEVを獲得できます。

この仕組みは、ネットワークに2つの利点をもたらします。

1つ目は、バリデーターがオークションの勝者から得た報酬の大部分を、JitoSOLのようなステーカーに還元することです。これにより、ステーキングを行い、Solanaネットワークの安全性を高めるためのインセンティブが向上します。

2つ目は、構造化された入札プロセスと、落札者への確約されたトランザクション実行順序により、ボットによるスパム行為を削減することです。Jito-Solanaバリデータークライアントのシェアが広がるにつれて、スパム行為が大幅に減少すると同時に、ステーキング収益が増加することが期待されます。

Solana LabsのCEOである Anatoly Yakovenko 氏はこの仕組みを称賛しています。「MEVはブロックチェーンにとって急速に成長しているビジネスモデルです。JitoはMEVのネットワークへのメリットを最大化し、Solana上で動作する他のユーザーやアプリケーションへのMEVの悪影響を最小化するための優れたアプローチを持っています。」

Jito-Solanaの概要と、Jito財団のMEVに対する取り組みの詳細はこちらをご覧ください。

JitoSOLの利回り = ステーキング報酬 + MEV報酬

通常のリキッドステーキングデリバティブは、ステーキング報酬から利回りを得られます。ネットワークは、その安全性を確保してくれるバリデーターに、新しく発行されたSOLを配布することで報酬を与えています。JitoSOLは独自の仕組みによって、MEVトランザクションからも追加の利回りを得られるようになっています。

Jitoのバリデータークライアントを使うと、トレーダーはMEVから利益を上げるためのオークションに参加できます。落札された入札額はバリデーターとステーカーに分配され、見返りにMEVトランザクションを利用できる権利が与えられます。MEV報酬は当初は少額かもしれませんが、次第に重要な追加利回りの源泉になっていく可能性があります。

MEV報酬はメリットしかありません。というのも、報酬額はオークションの確定額に基づいているため、JitoSOLはMEV取引にまつわるリスクにさらされることがないからです。ステーキング報酬は基本的な利回りとなり、MEVはさらにそのリターンを増やす要素となります。

流動性とDeFiへの統合

リキッドステークトークンの有用性は、DeFiとの互換性によってもたらされます。JitoSOLはローンチ時にいくつかの主要なパートナーと提携しており、数カ月以内には幅広いサービスとの統合を期待しています。

初期のアプリケーションとしては、OrcaのプールやSolendのレンディングプールなどが挙げられます。取引に関しては、JitoSOLはローンチ初日からJupiterで利用可能となっており、Jupiterは追加手数料なしでJitoSOLと他のSPLトークン間の最良交換レートを提供します。

Jito財団はさらなるDeFiパートナーとの連携を進めていきます。ユーザーが特に使いたいサービスがあればJitoのDiscordでお知らせください、優先的に進めていきます。

ネットワークへのメリット

Jito財団のステーク委任戦略はネットワークのパフォーマンスを向上させながら、保有者に最高水準の利回りを提供します。初期設定期間の後、JitoSOLはJitoのクライアントを使用しているバリデーターだけに委任を行うようになります。MEVを獲得するバリデーターはより多くのステークを引き付けることができ、その結果、より多くのバリデーターやサーチャーがJitoクライアントを採用するようになるでしょう。最終的には収益をステーカーに分配する、組織化されたMEV抽出が実現します。

ステーカーは高めの利回り獲得とネットワークの分散化目標との間でトレードオフをする必要はありません。JitoSOLは効率的なMEV抽出をサポートしながらこの両方の目標を達成します。JitoSOLからステークを受け取るためには、ノードはパフォーマンスと分散化の基準を満たす必要があります。委任の詳細については、こちらの記事をご参照ください。

セキュリティ

JitoSOLはSolana Labsによって開発されたステークプールプログラム上に構築されています。このプログラムは、ネットワーク開始以来、3回監査が行われています。

利用開始方法

JitoSOLは、当社のウェブサイトで2分未満で作成できます。 ご質問があれば、以下のリソースを確認するか、Discordでお問い合わせください。

リソース

ウェブサイト: jito.network
Twitter: @jito_foundation
Discord: リンク
Github: リンク


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