11/22 「かわいい子には旅をさせよ」の理由
ことわざ辞典には、こう書いてある。
可愛い子には旅をさせよとは、我が子が可愛いなら、親の元に置いて甘やかすことをせず、世の中の辛さや苦しみを経験させたほうがよいということ。
今回の旅で、この理由に加えて私なりの解釈を見つけた。
日本を出て旅をしていると、わからないことや間違うこと、誰かになにかを頼むことはたくさんある。きっと旅行をしたり知らない場所に行ったりしたことがある人は、なにか身に覚えのあることがあるだろう。
もちろん私も困ったことはたくさんあった。中国で、高速鉄道の切符売り場がわからなかったり、トルコでバスの待ち時間を待つ場所が見つからなかったり。
都度誰かに助けを求め、とても親切な人に巡り合ったり助けてもらったりする中で、気づいたことがある。
助けてくれる人は、雑談をしているうちに、
「where are you from?」
「How old are you ?」
「Are you travelling alone?」
と聞いてくることが多い。出身はどこか。何歳か。一人で旅をしているのか。
日本だ。22歳だ。そう。一人で回っている。と答えると、そうかそうかえらいとほめてくれるのだ。
彼らが私のような旅人を助けてくれる理由が、どこにひっかかるのかわからない。日本人だからかもしれないし、若いからかもしれないし、一人だったからかもしれないし、もしかしたら私が女だったからかもしれない。
でも、大きい理由になっていると思うのは、若さだ。
22歳なんて、まだ子供だ。周りの旅人が30代であることが多く、22歳だというと若い!と内外の旅人に言われる。きっと自分の体格もあって、若く見られることもある。
旅をしていてなんとなく思ったことがある。若いと、失敗が許される感覚だ。周りの大人たちが「なんだ仕方ないな」と思う雰囲気が伝わってくる。
これがきっと大人になると、自分の力でどうにかしろと思われるだろうし、お金も持っている想定になるだろうし、ここまで人に助けられることはなくなるだろうと思う。
ここまで考えて、「かわいい子には旅をさせよ」に戻ってくるのだ。大事にいている子こそ、若いうちに旅に出すと、人が助けてくれたり、そのことによって自分自身を顧みることができる。
22歳。この年代で、一人旅に出ておいてよかったと思える。