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ランジャタイの何が好きかって

お笑いが好きだ。単純に面白いのもそうだが、面白さに至るまでの緻密な計画から、見えない背景の青春まで、アツくて最高にかっこいい。コントも漫才も大好き。思い返せば中学受験塾の宿題が終わらなくて、5upよしもと芸人の深夜バラエティとか見てたな。齢12にして。大阪よしもと26期が好きなのもその頃の影響だなと思う。

初めてランジャタイを見たのは一昨年のM-1グランプリの敗者復活。初めて見たランジャタイは恐怖以外の何物でもなかった。4分間は体感30秒ほどで、漠然と怖い…と感じた。

金属バットが好きな友人に勧められて、「もういっちょTV」というYoutubeチャンネルを見るようになった。もういっちょでは金属バット、ランジャタイ、蛙亭、元アイドルの人などが様々な企画をするYoutubeチャンネルだった。友人には金属の動画を勧められたのだが、いや、進められた動画もちゃんと見たけど、関連動画のランジャタイのサムネに謎に惹かれた。

衝撃だった。あんな無茶苦茶なネタをやっていた人たちのトークがすごく面白い。地下芸人のエピソードトークのインパクトがあったのはもちろんだけど、関西芸人特有の話術が達者!という感じじゃない、緩いのに全部面白い。なのに企画物などは狂ってる。常に狂ってる。この辺に関してはスタッフも狂ってるんだけど。永野MADとかマジで常人の考えることじゃねえ。ヤクやってんのか。

そっから彼らのネタ動画を片っ端から見てったのだが、特に好きなのがこれ。


このネタの好きなところが突如持ち込まれるゲルニカ。ピカソの名画「ゲルニカ」である。世界史の資料集でなんとなく怖いな。悲惨な戦地を表現してる絵だけあって、漠然と不気味さを覚えた。そんなゲルニカがなんの脈絡も無く持ち込まれるのだ。ここまで来ると芸術じゃないか。ランジャタイを初めて見たときの恐怖ってゲルニカと一緒じゃん。って。

あと、

これもかなり衝撃を受けた作品。もうここまで来ると作品。なんて自分の視野は狭いんだ、と頭を抱えた。自分がアルフォートと分裂して、そのアルフォートを舞台上で食べちゃう。なにが起こったかわかんないけど、死ぬほど笑った。この2本は10回以上見てるな。何度見ても理解できない・

ランジャタイが好き。でも、何が好きなのかなって考えると、きっと自分じゃ到底思いつかないその発想力への憧れがかなりあるのかなと、思った。特に私は面白い人への憧れが人一倍強く、自分の面白く無さに頭を抱えることが多い。なんて自分は普通の人間なんだ、人並みの考えしか思いつかないんだと。そんな人間からすると、ネタ中にアルフォートを食べちゃうなんて、もはや憧憬の念しか浮かばないのだ。

特に校則違反などもせず、基本的には先生にギリギリ怒られないラインを守ってきた自分からすると、M-1という大勢の大人が本気で動いてる大会であそこまで出来るのはかっこいいのだ。自分にできないアウトローを代わりにやってくれているランジャタイに憧れてる人、ランジャタイを好きだって言う人のなかでもかなりいるんじゃないかなって私は思う。

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