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メキシコにトべる味 #MUCHO MODERN MEXICANO
私とメキシコを繋いでいたのは1枚のトルティーヤ。と言うとなんだかかっこいい(?)が、実際にはスーパーに売っている5枚1組のフラワートルティーヤ。これが固くならない程度にフライパンで熱を通した上に具材を乗せ、ドレッシングで調味した後に挟んで食べる自家製タコスが好きでよく食べる。自分なりに試行錯誤しながらお気に入りのバランスを構築していた。
そろそろ本格的なメキシカンを食べてみようと思い立った私のメキシカン初戦は東京駅から歩いてすぐのMUCHO MODERN MEXICANO。店中はネオンに照らされ、開放的な気分にさせられる。南米の陽気を色にしたらこんな感じだろうか。
メニューを開くなり、耳慣れない名前から漂う異国感。赤よりも紅いのはエル・ディアブロ。「悪魔」の意味らしいが、カシスとジンジャーエールの爽やかな味に肩透かしを喰らった。と思って飲み込めば喉に感じる刺激。カクテルに唐辛子が入っているとは思いもしなかった。名前とのギャップで油断させる口当たりと名前通りの刺激的なフィニッシュ、悪魔はこうやって入り込んでくるらしい。
ワカモレはナチョスを食べるための単なる味付けくらいにしか考えていなかったが、今回はワカモレをメインで食べている感覚があった。これはあくまでもワカモレであってアボカドディップの範疇に収まらない。唐辛子が舌を刺したと思えばアボカドが傷を癒す、アメとムチが完璧な組み合わせ。パクチーの混ざった部分に当たればまた顔色を変え、鼻腔も楽しませてくれる。単なるディップソースではなく”料理”として受け取った。
ケサディーヤ。個人的に"ィーヤ"の響きが南米らしくて気に入っている。チーズをトルティーヤで包んだだけと言えばそこまでだが、メキシカンの基本(?)を知るにはこのくらいシンプルが良い。パイナップルと唐辛子のジャムを乗せれば素材が更に際立つ。静と動、両極端が合わさるからこそお互いの違いが輝く、そんな味。
具材をトルティーヤで挟むとそれはタコスに。とうもろこし由来のコーントルティーヤは破れやすく頼りないのが良い。アジアから出たことはないが、ふと感じるミドルアメリカンエキゾチック。パイナップルの酸味は現地の暑さに差し込む涼しい風。
はたまた具材をトルティーヤで巻くとそれはブリト-に名前を変える。断面を見て思った。メキシカンは刺激と誘惑の偶像で、欲望のかたちだ。これを知れば自然と身体がこの味を求めるようになる。そんな中毒性を持っていた。
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↓↓↓メキシカン単語帳↓↓↓
トルティーヤ:生地そのもの
タコス:具材をトルティーヤで挟んで食べるもの
ブリト-:具材をトルティーヤで巻いて食べるもの