第3話 ツイテタ!!

前回までの続き

太ももの骨折の手術を終えたのに、痛みが
激しかったのか、恐ろしいほど暴れた自分。
そうこうしているうちに
右脚の太ももが、
通常の2倍以上に腫れあがっている。


まさか、、?

すると、そのまさかは的中した。

残念ながら、ボクの右脚は、
骨折した骨が動脈に刺さって血管を
傷つけていたのである。



当時、あの場にいた医師たちでは
切断するしか方法がなかった。

でも、まだ二十歳の若者だ。





本人に確認を採る。

医師:「山本スーザン(仮名)さん、
このまま放っておいたらキミ、死ぬから、
脚を切断するけど、良いですか?」

ボク:「命の方が大事だから切ってくれ」




いよいよ切断か…。

手術室に運ばれるボク。


しかし、
顔面蒼白の両親に、ある男性医師が現れ、
こう告げた。

「私は血管外科の医師ですが、
息子さんのことを伺いました。
ただ、今、切断するには、まだ彼は若すぎます。
また将来のことを考えるなら、
たとえ膝まででも残した方が、
歩くときのことや
普段の生活のことを考えると
得策だと私は考えます。
私で良ければ、
顕微鏡で血管のバイパス(血管と血管をつなぐ)
手術をしますが、どうされますか?」

と言うようなやり取りの後、母が、
「先生、どうか息子を助けてやってください」
と涙ながらに訴え、
臨時のチームが組まれた。

後から聞いた話だが、その医師は、
血管外科の権威とされる講師で、
たまたま受験シーズンのため、
その大学病院に訪れていたところだったらしい。

そして手術が終わり、
目が覚めたとき、ボクが。最初に確認したこと。

それは、ボクの右脚だった。
なぜかツイテタ!!


こうして、自分は命も、
また一時的に脚も助かったのである。
一時的に…

そして当時、
付き合っていた彼女がいたボクだったのだが
その彼女とは、どうなったのか?

続きは、
また次回に…

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